今回の兼題は蒼月さん出題の「目借時」です。
◇野里子
テヌートのかすれる音や目借時
横文字の多き資料や目借時
⇒長く伸ばす音がひびく。子守歌のよう。
外国語の資料なら横文字ばかりですね。でも日本語でも論文などはほとんど横文字。とにかく細かい資料に読み疲れたのでしょう。
◇馬空
嬰眠る授乳の母の目借時
目借時二時間待ちの無人駅
⇒赤ちゃんにお乳をやりながら眠くなっているお母さん。ぽかぽかと暖かい部屋です。
二時間待ちとはどうしようという感じですね。無人駅だからまわりに時間をつぶす場所もなさそう。しかたない、昼寝だ。
◇はな
レポートの字数かぞえて目借時
機織りの音や蛙の目借時
⇒字数が決められたレポートなんでしょう。数えながら眠くなってきた。
単調な音の繰り返しはたしかに眠くなります。
◇光
パソコンの画面揺らぐや目借時
妻の声遠く蛙の目借時
⇒パソコンで映画でも見ていたのでしょうか。ついうとうととした。
椅子にすわってうとうと。それとも昼寝の途中か。奥さんの呼ぶ声が遠くから聞こえる
◇蒼月
説教のひたすら続く目借り時
（秋川渓谷龍珠院に花見して）
四百年耐えてなお咲く山桜
⇒お坊さんの説教や法話はその人によりますが単調ですね。同じ話を何回もやっているからでしょう。
確かあきるの市の渓谷ですね。古刹の山桜は見事でしょうね。
◇夢路
定石の大団円や目借時
環の切れ目視力検査や目借時
⇒読んでいた小説が定石通りの結末だった。これはこれでいいが、もうひとつつまらない。
上とか右とか答える検査ですね。あれはあてすっぽで言っても結構当たるもんです。
◇あかね
お灸する草の香りや目借時
釣船のバケツは空で目借時
⇒お灸はあまり経験はないですが、熱さで寝ているどころではないのでは。眠気覚ましにはいいか。
さっぱり釣れないし波はおだやかでちゃぷちゃぷ言っているし確かに眠くなりますね。
◇勝山
磨る墨のとろーりとして目借時
琴電のことこと揺れる目借時
⇒書道か水墨画か、墨をとろりとするまでよく磨った。眠たいのを我慢してさあ書こう。
香川県の琴平電鉄ですね。ローカル私鉄で田園地帯をゆっくり走る。
◇遊介
とつとつと語る半生目借り時
目借り時捲る歳時記二度三度
⇒語っているのがどなたなのか分かりにくいがちょうど眠くなる時分で聞いている方はつらい。
今日は投句の締め切り。歳時記をめくって読んでいたがいかんせん眠くなった。
◇三四郎
ピンポンと鳴つてゐさうや目借時
昼過ぎのシニアカレッジ目借時