猫の関節炎 | 洋光台ペットクリニックのブログ

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動物の病気のことや病院の出来事などをお知らせします。

 こんにちは、うえちですcrml
最近のこまちさんは換毛期を迎え、もっさもっさと毛が抜けていますうさぎ
来院したわんちゃんや猫ちゃんの中にも抜けた毛がもつれて毛玉になりかかっている子がちらほら見られます汗
毛がいつもより抜けるなぁと感じるようになったら、いつも以上にお手入れをしてあげてくださいねにこ


 以前、ブログでも猫の痛みの中で軽く触れましたが、今回は猫ちゃんの関節炎についてお話したいと思います。

 ある団体が無作為に選んだ猫ちゃんでレントゲン検査を行ったところ、5~10歳の子で70%、11歳以上の子で90%以上が何らかの関節炎を患っていることが分かりました。
関節炎と診断された子の中にびっこなどの歩行異常はみられませんでした。
まり、症状として現れていなくても多くの猫ちゃんは関節炎を患っている可能性があるということです。

では、どのようにして気づいてあげればよいのでしょう?
実は生活の中での行動の変化がサインとなっています。

チェック  高い所に登らなくなった(寝る場所が変わった)
チェック  寝ていることが多くなり、あまり運動しなくなった
チェック  爪とぎをあまりしなくなり、爪が太くなっている
チェック  毛づくろいの頻度が減り、毛玉ができるようになった

 高い所に登らなくなったり、運動量が減るのは理由としてなんとなくわかると思いますが、爪に関してはあまりピンとこないのではないでしょうか?
実は腰・首・指先などの関節の痛みの影響で爪とぎの姿勢が取れなくなることも原因の一つとして考えられますもちろん中には、単に爪とぎに興味が無くなった子もいるでしょう。
毛づくろいの頻度が減ったり、運動量が減ったことも同様に考えられます。

このような生活の中での行動の変化を、一概に歳のせいにしてはいけないのかもしれません。


治療 

 明らかな症状(食欲不振、元気消失、痛み)がある場合は、痛み止めなどのお薬を使って症状を抑えます。
※痛みを抑えることで動き回ることによって悪化させてしまうこともあるので、場合によってはお薬を使わないこともあります。


予防

肉球 茶トラ ダイエット
 体重増加が関節の負担になるのは人もわんちゃんも、もちろん同じです!
ぽっちゃりさんはまずはダイエットをお奨めします。今は太っていない子も体重増加にはご注意ください注意

肉球 くろ サプリメント
 最近では人と同様に、関節の動きを良くするような様々なサプリメントが出ています。
医薬品と違い確実な効果をすぐに実感できなかったり、継続して続けないといけないのが難点ですが、相性が良ければ十分な効果が得られるようです。

 医療の進歩でわんちゃんも猫ちゃんも長生きになりました。
その長くなった命の生活の質を上げ、すこしでも快適に過ごせるようにしていきたいですね。


○ おまけ ○
 個人的には治療で必要なものでなければ、特定のフードをお勧めしないのですが、ちょっと興味深い情報を耳にしたのでご紹介します。
ロイヤルカナンのベッツプランシリーズに中高齢猫用「エイジングケアプラス・ステージⅡ」というドライフードがあります。



高齢になると多くの猫ちゃんに心配される関節疾患や腎機能の低下に配慮した総合栄養食です。
このごはんは、犬用治療食「関節サポート」とほぼ同量の関節の動きを良くする成分(グルコサミンなど)が含まれているので、サプリメントが飲めない子でも食餌としてとりいれることができます。
※ベッツプランシリーズは治療用の療法食ではなく、それぞれのステージや体質に配慮した一般食です。