こんにちは。上地です
近頃日中は暖かい日が続いていますね![]()
みなさんは子ども科学館にいる野良ニャンコの親子を知っていますか?
その中の毛足の長いニャンコさんが、毎日必ず病院のお隣の屋根にお昼寝にやってきます。
日向ぼっこしながら気持ちよさそうに寝ている姿を見ていると、春ももうすぐかなと
思ってしまいますね![]()
さて、今回はうさぎさんの歯についてお話していきます
おうちの子でこのような症状はありませんか
食欲不振
口の周りや、手が常に濡れている
涙目や目の充血
食餌の好みの変化
このような症状が見られた場合、うさぎさんは歯に異常があることがあります
うさぎの歯の構造と機能
うさぎさんの歯は上の前歯が4本、下の前歯が2本、上の奥歯が左右に6本ずつ、
下の奥歯が左右に5本ずつ生えています。
前歯は食べ物を噛み切り、奥歯は食べ物をすりつぶす働きをします。
うさぎさんの歯は、人間の歯と違い、食事をするときに人間では
とても噛み切れないような繊維分の多い草などを食べるため、
歯がすり減ってしまわないようにすべての歯が一生伸び続けます。
なので、歯がバランス良くすり減らないと伸びすぎてしまい、過長歯となってしまします
また、歯根は強い力がかかること耐えられるように出来ていません。
歯をすり減らすため、伸びすぎを防ぐために硬いものをかじらせた方がいい
と思われる飼い主さんもいらっしゃいますが、それは間違いで、
硬すぎるものは不正咬合の原因となります。
過長歯と不正咬合
伸びすぎた歯を過長歯と言いますが、前歯、奥歯ともに起こります。
牧草をあまり食べず、ペレットや柔らかい野菜や果物が主食となっていたり、
歯のかみ合わせが悪く、不正咬合になっていることが原因と考えられます。
また、うさぎさんの歯は見えている部分だけでなく、歯肉に埋もれた歯の根本も伸び続けます。
何かしらの原因で歯のかみ合わせが悪くなってしまったことを不正咬合と言います。
生まれつきであったり、過長歯から噛み合わせが悪くなったり、ケージなどの硬いものをかじったことが原因と考えられます。
歯が与える影響
歯がバランスよくすり減らなくなると前歯は口を閉じられなくなるくらい伸びてしまい、
食餌ができなくなってしまいます。
奥歯は歯がとがってしまい、舌や頬の内側を傷つけると涎や食欲不振へと
つながります。
うさぎさんの歯は歯の根本も伸び続ける為、眼の下に位置する歯が眼を刺激し
涙や膿が出ることがあります。
処置![]()
伸びている歯や、とがっている部分は切ることができます。
前歯は比較的簡単に切ることができますが、奥歯の処置には大きく口を開く必要があるので、当院では軽い全身麻酔を施して処置を行います。
注意!ニッパーなどで切ると歯が縦割れしてしまうことがあるので、
どんなにおとなしい子でも病院で処置してもらいましょう。
曲がってしまった歯は多少であれば矯正できる場合もありますが、多くは感知することができず、定期的な処置が必要です。
歯の根本にまで障害が出ている場合、歯を抜くこともありますが、命の危険を伴うので当院では行っておりません。
牧草主体の食餌にしましょう![]()
最初にお話ししたとおり、うさぎさんの歯は常に伸び続けるので、治療しても歯はまた伸びてきます。うさぎさんにとってストレスのかかる病院での治療回数を減らせる
のなら、それに超したことはありません。そのために、まずうさぎさん自身が食事によってうまく歯を摩耗させられるように、歯を動かす食事を与えるようにしましょう。
牧草は前歯も奥歯もよく使って食べなくてはならないので過長歯予防にもなりますし、胃腸に良い刺激となりますので、お腹の調子も整います。ただし、好みがはっきり分かれる場合が多いので、食べてくれないこともありますが、いつでも気が向いたら食べれるように与えておいてください。
ペレットは栄養のバランスが整っているので、牧草とうまく併用してください。
今はまだ若く健康ですが、病院でいろいろな子を見ると
他人事ではないなと感じてます。
また、うさぎさんに対してやオーナーさん不安を
少しでも拭えるようお手伝いできればと考えています。

