こんにちは ![]()
看護士の南雲です![]()
毎日少しずつ寒くなっていますね。
私は冷え症なので、そろそろゆたんぽ
を投入しようかと考えています![]()
さて前々回(10/16)、冬に多い病気として“下部尿路疾患”を紹介しました。
今回は下部尿路疾患の中でも特に多い、“尿石症”についてのお話です。
尿石症とは腎臓から尿道口のどこかに結石ができる病気のことをいいます。
尿石は、ごはんやお水から摂取したミネラル(カルシウム・マグネシウム・リンなど)と、尿中のタンパク質が結合してできるもので、食生活と体質と飲水量が深く関係しています。
ところで、 「pH」 (ペーハーもしくはピーエイチと読みます)という言葉を知っていますか![]()
pHとは、酸性・アルカリ性の度合いを示す数値です。
pH値が低い
と酸性 、 高い
とアルカリ性となります。
なぜpH値についてお話したかといいますと、pH値によって、できる尿石の種類が異なるからです。
尿石にも色々な種類がありますが、一番多いのは「ストルバイト」と「シュウ酸カルシウム」です。
通常犬猫の尿は弱酸性ですが、それが
アルカリ性 にかたむくと ストルバイト、
酸性 にかたむくと シュウ酸カルシウム
ができやすくなります。(シュウ酸カルシウムはアルカリ性でもできることがあります)
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では、なぜpH値は酸性やアルカリ性にかたむいてしまうのでしょうか![]()
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原因は、<食生活>・<体質>・<飲水量>にあります。
体質はうまれつきのものなので、変えるということはできません![]()
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おうちで気をつけてあげられることといえば、食生活と飲水量です。
<食生活>で気をつけること。それはミネラル摂取料の管理です。
ミネラルの多い食品は避けるようにしましょう。
例えばかつぶし、にぼし、かにかまなどのねりもの、ミネラルウォーター、牛乳、しょっぱいもの。
もうすでに与えているという方は与えないかできるだけ量を減らしてください。
そして以外に知られていないのが、野菜と果物。
野菜と果物はアルカリ性のミネラルが多く含まれているので、ストルバイトができやすくなります。
食べた子みんなが結石ができてしまうわけではありませんが、いままでにアルカリ性の尿がでたことのある子は与えない方が良いです。
シュウ酸カルシウムに関しては体質によるものが多いので、気をつけていてもできてしまうことがあります。
<飲水量>で気をつけてあげることはいつでも新鮮なお水を飲める環境にすることです。
冬場になると飲水量が低下して尿が濃くなり、結石ができやすくなります。
無理やり飲ませる必要はありませんが、なるべくたくさんの水を飲んでもらって薄い尿にしましょう。
10/16の回にたくさんのませる工夫を紹介していますのでそちらもよんでみてください![]()
尿石は大きくなると手術でとりださなければなりません。
大きくなくても尿石の結晶が尿道につまって尿がでなくなります。
便は一日でなくても命にかかわることはありませんが、
尿はまる一日でないだけで腎不全を起こしたり、死に至ることも充分考えられます。
尿石は大きくなってレントゲン検査や超音波検査をした時点で初めて目に見える事がほとんどです。
目に見えないのでなかなか危機感を持てないかもしれませんが、尿がでない状態や血尿を放置すると間違いなく命にかかわる事態になります。
特にオス猫の場合は尿道が細く、つまりやすいので注意が必要です![]()
いつもと排尿の様子が違う場合には様子見せずに、来院するか尿を液体の状態で持ってきてください。
食事に気をつけているのになんども発症してしまうという子は体質からきているものと思われますので、
「完治させる」というより、
療法食を与えながら上手につきあっていくという姿勢で向き合うとよいでしょう。
これからどんどん寒くなります。
冬に多い病気は尿石症だけではありません。
快適な冬を過ごすために日々の変化を見逃さないようにしましょう![]()