年齢を重ねるごとに「死」と向き合う機会が増えます。
若い頃、とても大きく思えた死が、日常の普通のことのようになりました。
身じかの大切な人の死も、長く暮らした犬の死もぼんやりとしたゆるい気持ちの中に収まってしまいます。
勿論、そこにはいずれ私の最愛の妻と私もです。
中国を初めて制覇して、あの巨大な湊帝国を作った始皇帝は若い晩年、不老不死を求めて
薬物を服用して死期をはやめたそうです。
人の命は水面に浮かんだ一粒の泡のように思えます。
でも自分の命は自分のものです。誰かに干渉されるのは絶対ダメ!
私は現在64歳です。
三年前、ステージ3bの直腸癌が見つかり、直腸、肛門、リンパ節を
全部削除して、4級の障害者です。
あと言いづらいのですが、アルコール依存症です。
根っから楽天的で、明日の天気も気にしない方で
兎に角、人に良く思われたいと生きてきました。
ただ、最近、生きることと死ぬことの境が緩く感じます。
簡単に向こうの世界に行ける気がします。
ひと月、総合病院の外科病棟に入院していてたくさん、そういう人を見ました。
なんかもう良いかなと思います。
痛かったら泣けば良いし、寂しい時は震えて、楽しいことが
あったら人目を気にせず喜べばいいし。
おそらく人は、たくさんの守るべきものの為に生きています。
主人公は自分ではなく、育て、はぐくみ、大切な身の回りにあるものの為にです。
ですが、父母もいなくなり、子供たちも大人になり
愛犬も死にました。
なんかもう良いかなと思います。
ただ、この気分は悪くないです、今まで見えなかった地平線が見えています。







