Q.あなたが、仮に10年しか使わない物だとします。

サブスク月額833円(年間だと1万円)だと高くて手が出ず躊躇してしまうが、一括買い切り型だと10万円でも安く感じてしまうのは何故? 

10年の金額は同じですよね。心理学などで何効果と言う?

 

 

A.これは心理学や行動経済学でいくつかの効果が絡み合って説明できます。代表的なのは次のようなものです。

💡 関連する心理効果

  • アンカリング効果(Anchoring Effect) 最初に提示された数字や基準が、その後の価格判断に強く影響する現象。 月額833円という「小さな額」を毎月払うと、合計額が見えにくく、年間換算で1万円と聞くと「意外と高い」と感じやすい。 一方で、10万円という一括額は「高額」のアンカーとして提示されると、長期利用を前提に「割安」に見えることがある。

  • サンクコスト効果(Sunk Cost Effect) 一括払いだと「もう払ったから使い倒そう」という心理が働き、支出を投資とみなすため、価値を感じやすくなる。

  • 支払いの痛み(Pain of Paying)とその頻度効果 行動経済学者ダン・アリエリーらが指摘するように、支払いは回数が多いほど「痛み」を感じやすい。 月額課金は毎月その痛みを繰り返すため、心理的負担が蓄積する。 一括払いは痛みが一度きりなので、長期的には楽に感じる。毎月毎月、チクッチクッは嫌らしいわ。一度にグサッと一思いにやってくれ!て感じかな。例えるなら…

  • サブスク → 「蚊に毎晩ひと刺しずつされる」買い切り → 「注射一発で済ませる」この擬音感覚、キャッチコピーやイラストにしても映えそうです

 
  • フレーミング効果(Framing Effect) 「年間1万円」と「10万円で永久利用」という提示の仕方で、同じ価値でも印象が変わる。 永久利用は「長期的なお得感」というポジティブなフレームで受け止めやすい。

  • 所有効果(Endowment Effect) 一括払いで「自分のものになった」という感覚が強まり、価値を高く感じる。

📌 まとめると、この現象は単一の名前ではなく、アンカリング効果+支払い頻度による痛みの差+フレーミング効果の複合的な心理作用と考えるのが近いです。

 

に、今回は解りやすく年間10000円の計算にしたけど、これが端数だと

すぐ計算できず、いくら引かれてるのかも解らず不安でモヤモヤするね。。。

 

端数が入ると一気に「頭のそろばん」が曇る感じ。 月額947円とか、年換算にすると11,364円みたいな中途半端な数字になると、脳がサッと変換してくれないうえに、カード明細の額面と一致しない月も出てきたりして、なおさらモヤモヤが強まります。

これは心理的にいうと、

  • 計算コスト(Cognitive Load)増大 → 瞬時に合計が見えないため、不安やストレスが増える

  • 数字の曖昧さ効果 → キリの悪い数字は印象に残りにくく、体感的に「何となく損してる気分」を誘発(あるある)

  • 見えにくい出費の蓄積 → 端数が重なると支払い実感が薄れ、ふとした時にまとめて“不意打ち感”がくる

この「モヤモヤ感」は、広告的には逆に利用されやすくて、 例えば「月額◯◯円〜」の“〜”部分に端数を持たせて、安く見せながら実際は合計が上がる仕掛けだったりします。

 

 

ま、そんな難しいことは抜きにして、、、

🗣 この心理になる人が言いそうなフレーズ例

  • 「一度払っちゃえば、あとは気持ちがラク」

  • 「毎月引き落とされると、なんか損してる気がする」

  • 「買い切りって“自分の物になった感”があるよね」

  • 「一生使えると思うと10万でも安いかも」

  • 「1年で1万円?…うーん高い。10年使えば10万?あれ、買っちゃおうかな」

  • 「月額はサブスク地獄の入口」

  • 「分割よりドンと払う方が気持ちいい、男らしい。江戸っ子でい!」