💪 母の生き様が刻んだ信念
全日本バレーボール界の名誉会長・松平康隆氏の成功は、視覚障害を抱えながらも逞しく生き抜いた母の存在なしには語れません。
時代は厳しく、社会保障の概念すらなかった頃。父に万が一があれば母子は路頭に迷う…そんな不安の中、母はなんと骨瓶を焼く事業を興しました。当時の鹿児島出身の女性が経済的自立に踏み出すなど、驚くべき決断です。気概と覚悟、それに静かなる怒りがその行動を突き動かしたのだろうと想像します。
🧘♂️ 克己心こそ人生の土台
第一の教えは、「負けてたまるかと静かに自分に言いなさい」。
これは単なる根性論ではなく、日々の甘えや妥協に打ち克つという精神的な習慣。松平氏は母のこの言葉を、世界一の監督を目指す自分の信条として心に刻み込んだと語っています。見かけではわからない“心の弱点”に目を向ける姿勢が、勝者の思考を育てたとも言えるでしょう。
🗣️ 男は語尾を曖昧にするな
第二の教えがまた鋭い。「男は語尾をはっきりしろ」。
視覚障害の母にとって、曖昧な言葉は伝わらない。だからこそ、物事の決断は断言し、ブレるなと叩き込まれた。スポーツの現場でも同じ。監督の言動に二言があれば、選手はついてこない。柔軟さとブレなさを分けるその微妙な差が、リーダーとしての重みなのだと感じます。
🚫 卑怯をしない覚悟が勝利を導く
三つ目は胸が痛くなるような教え。「卑怯なことはするな」。
母の目が見えないことを一度だけ利用して嘘をついた少年・康隆。その瞬間、母の怒りが炸裂します。「目の見える者が、見えない者の弱みにつけ込むとは最低だ!」と。この言葉をきっかけに、松平氏はその後「不正で勝つことはしない」という強い信念を貫いていきます。正々堂々こそが世界一の道だったのです。
🤖 感想:母の言葉が人間教育の最高教材に
個人的に、このエピソードは“道徳書”のような重みを持っています。人生で本当に大切な価値観って、家庭の中で静かに繰り返される言葉に宿っているんだなあと実感。
スポーツに限らず、人の上に立つ者に必要な力が、この三訓には詰まっているように思います。
📜 こぼれ話①:男子バレー代表に響いた「無言の喝」
ある試合後、選手たちが浮ついた雰囲気に包まれていた。松平監督は何も言わず、ただ帰りのバスに乗る際に一人ずつの目をじっと見つめたという。翌日、選手たちは自主的にミーティングを開き、その試合への姿勢を猛反省。言葉ではなく、まなざしだけで伝わった叱咤だったという。
📜 こぼれ話②:盲目の母が贈った「勝利のお守り」
母は試合のたびに、試合日や開催地を布に刺繍して松平氏に渡していた。目が見えないはずなのに、手の感覚だけで文字を浮かせるという技を使い、息子の心を支え続けていたという。今ではこの刺繍が、全日本バレーボール協会に保存されています。
☕ ちょっと おしゃべり
「男は語尾をはっきり言え」って、昔の教えかと思ったら今のSNS時代にも通じそうですね。曖昧な言葉って、誤解のもと。
あと、「卑怯な勝利をしない」って、競技スポーツが結果主義になりがちな中ですごく尊い価値観。
母の存在がここまで人を形づくるって…ほんと心を打たれます。
(松平康隆氏:全日本バレーボール協会名誉会長・元男子代表監督)
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