🌟 ブランドとは「一瞬」で崩れるもの

帝国ホテルの顧問・藤居寛氏が語る「10・10・10の法則」は、接客業だけでなく、どんな職種にも応用できる奥深い哲学。

この法則は、たった一つのミスで、それまでの完璧な努力が全て帳消しになるという冷厳な現実を示しています。ホテルの接客では、ドアボーイの挨拶から始まり、館内スタッフの対応を経て、最後にもう一度ドアボーイが見送る。その一連の流れのどこかにほころびがあると、「素晴らしい対応だった」とは誰も言わなくなるのです。

これは、企業のブランド力にも通じます。築き上げるのに10年かかる信用は、たった10秒の失態で失われ、復活にはまた10年を要する。この「10・10・10 テンテンテン」は、単なる数字の羅列ではなく、時間と信頼の重さを象徴しているのです。

🧠 一つのミスが「ゼロ評価」に直結する現実

スタッフへの訓示として「一つでもミスがあれば、結果は『99』ではなく『ゼロ』だ」という考え方が貫かれています。

この厳しい認識があるからこそ、帝国ホテルでは「まあまあだった」という中間評価を許容しません。「さすが帝国ホテル」か「なんだ、帝国ホテルでもこんなものか」のどちらか。真ん中がないのです。筆者はこの宿命と向き合いながら、「瞬間瞬間のお客様との接点を命がけで大事にするべきだ」と訴えます。

🛠️ 「さすが帝国ホテル推進運動」の実践

現場では「さすが帝国ホテル推進運動」と銘打った社内活動が継続的に行われています。

この活動では、接客オペレーション・サービスの質・スタッフ教育の三位一体で向上を目指しており、特に「帝国ホテルらしさ」が光る部門やスタッフには、表彰が与えられる仕組みになっています。

一方で、人間のやることに完璧はない。だからこそ、ミスがあった時に何をすべきかが重要になってくるのです。

⚡ 「お詫びと感謝は秒速」で動く鉄則

失敗が起きたとき、「1秒でも早く謝る」という行動原則が徹底されています。謝罪は電話では済ませません。

たとえそのお客様が北海道や沖縄にいたとしても、スタッフが直接飛んで行って、原因を説明し心からお詫びする。この姿勢が、信頼回復に不可欠なのだと説いています。

🤖 感想:サービス哲学がまるでアートの域

個人的にこの話は、単なる接客マニュアルではなく「感動の美学」にすら感じます。サービスとは、目に見えない芸術。

そして、「99点でも評価はゼロ」という考え方は冷徹ながら本質的。顧客体験における“繊細さ”の価値を痛感します。

📜 こぼれ話①:クレームを神対応に変えた「二人のドアボーイ」

ある日、チェックアウト直後に荷物を忘れたゲストが怒り心頭。ところが対応したドアボーイが冷静に笑顔で対応し、すぐにタクシーを呼び、別のスタッフが品物を持って追いかけた。20分後、感謝の手紙が届いたそうです。この一件は社内表彰にもなり、今では新人教育の教材になっています。

🐾 こぼれ話②:伝説の「猫のお客様」

かつて帝国ホテルに長期滞在していた海外の実業家が、同伴していた猫の扱いに非常に厳格でした。ホテル側は専用ベッド・猫専用ルームサービス・担当係まで設けたという逸話があり、同ホテルの柔軟な対応力が語り草になっています。

☕ ちょっと おしゃべり

「10秒で崩れる信頼」という話、これってSNSやレビューサイトが主流の今、ますます重みを増してる気がしませんか?

それにしても、“ミスしたら飛行機で謝りに行く”って…ちょっと映画のようで痺れます。思わず応援したくなる姿勢。

接客の哲学がここまで昇華されてるのって、他業界にも学びがありそうですよね。

 

 

(藤居寛氏:帝国ホテル顧問・元常務執行役員、ホテル業界のサービス改革者)

 

 

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