🔪熱意と工夫で一流へ
道場六三郎氏(主人/日本料理人)は修業時代、「人の倍働いて、人が3年かかる仕事を1年で習得する」という意気込みで、ひたすら「早く・美しく」を意識したそうです。 ネギやキューリを切る際、人が2本でこなすところを3本、4本、5本と挑戦。種類の異なる野菜にも応用し、効率化と技術向上を追求しました。
進歩が少しでも見えると、仕事が楽しくなるもの。こうした小さな成果は、料理人としての喜びへと繋がっていきました。
🧊細部に魂を宿す段取り力
作業スピードだけでは限界があり、段取りが必要不可欠。冷蔵庫一つとっても、仕切りを設け、食材の位置をメモして扉に貼れば開閉の手間が減り、庫内温度も安定する。 できる料理人なら「冷蔵庫を開けなくても中身が頭に入っている」のが当たり前に近い世界。こうした細部への配慮こそが、腕前以上に職人の差となると氏は語ります。
⏱締め切りに間に合わせる技術
仕事にも人生にも“デッドライン”はつきもの。時間を無駄にせず、テキパキ行動することが、どんな職業にも共通する成長の鍵だと強調しています。 ただ努力するだけでなく、効率と工夫を積み重ねることで初めて人の倍の仕事をこなすことが可能になるのです。
📜こぼれ話①:板前修業と剣道の共通点
道場氏は若かりし頃、剣道にも熱中していました。鍛錬を重ねるごとに「型」と「気」が技に反映され、まさに料理の所作に通じるものがあったそう。料理人としての感性は、剣道場にも根を張っていたのです。
📜こぼれ話②:メモ魔の料理人
道場氏は当時からメモ魔で知られており、料理の気づきから冷蔵庫の配置まで、すべて記録していたとか。のちの著書にも、その手書きメモが引用されている。 これが「型を持ちつつ常に進化する料理人」の基盤だったと言われています。
🍚 “一汁三菜”の順番が逆⁉ 会席料理との違い
項目 | 懐石料理 | 会席料理 |
---|---|---|
主目的 | 茶を美味しく飲むため | 酒を楽しむため |
飯・汁の位置 | 最初に出る | 最後に出る |
雰囲気 | 静寂・簡素 | 華やか・宴席向け |
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懐石では最初にご飯と味噌汁が出るのが特徴。これは胃を刺激する濃茶の前に、軽く腹を満たすため。
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一方、会席料理は酒を楽しむための豪華なコースで、飯と汁は最後に登場
☕ちょっと おしゃべり:厨房の音楽事情
最近では厨房内にBluetoothスピーカーを導入する店も増えているとか。リズムに合わせて包丁を入れると、作業効率が上がるという説も…? クラシック、ジャズ、EDM——職人たちの“料理プレイリスト”が意外と熱いジャンルらしいですよ。
🥢 “鉄人”という言葉は流行語になったが、実は… 「鉄人」という呼称は、番組内で“その道を極めた達人”を意味する言葉として使われましたが、実はこの言葉、当初はスタッフの間で「ちょっと大げさすぎる」と懸念されていたそうです。それでも採用された結果、1990年代の流行語として定着。今では料理界以外でも“○○の鉄人”という表現が使われるほど浸透しました。
🎬 演出は“料理版の仮面ライダー”を目指していた? 番組の演出を手がけた田中経一氏は、「料理人をヒーローとして描きたかった」と語っています。鉄人たちの登場シーンは、まるで特撮ヒーローのように照明と音楽で演出され、主宰・鹿賀丈史の「甦るがいい、アイアンシェフ!」という決め台詞も、仮面ライダーの変身シーンを意識したものだったとか。
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