今に手中すれば、心配な事は何一つ起こっていない。
未来への不安や過去の後悔に捕らわれるな。
🧢バットと命のはざまで──ある高校野球部員の物語
2006年6月某日。小山台高校野球部の監督に就任して2年目の福嶋氏に、胸を突く悲劇が降りかかった。 夏の大会を控えた部員たちが、練習終わりに新しいバットを買いに行きたいと申し出る。頼もしい2年生レギュラー・市川大輔も同行することに。
「行ってこい。仲間と選びに行け」 そう送り出したはずの彼が、数時間後には帰らぬ人となっていた。
帰宅途中、自宅マンションのシンドラー社製エレベーターに巻き込まれる事故に遭い、大輔は命を落とす。 手にはバットを握りしめたまま。その姿に、誰もが言葉を失った。
💬母の手紙と少年が残した“未来への指針”
部員たちは泣き崩れ、監督自身も後悔の念に苛まれる日々。 しかし、そんな暗闇に一筋の光をもたらしたのは、大輔のお母さんから届いた温かなメッセージだった。
「涙顔の練習じゃ、大輔も悲しみます。笑ってバットを振ってくださいね」
さらに、大輔が野球日誌に綴っていた言葉が、部員たちの心に火を灯す。
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「普通をこなすって、実は難しい」
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「毎秒悔いなく生きたい」
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「エブリ・デイ・マイ・ラスト(毎日が、最期だと思って生きる)」
この言葉が、部員たちの姿勢を根底から変えた。甲子園を目指し、再スタートを切る原動力となった。
🧠努力の価値、そして日常との融合
小山台は都内有数の難関校。部活動の時間も場所も限られている。 それでも、「野球は生活の延長線」「地道な努力が未来を拓く」と、福嶋監督は選手たちに伝え続けた。 事故を機に、チームはより深く結束し、目的意識を持って練習に励むようになる。
🐞帰ってきた君──赤とんぼの奇跡
4ヶ月後、千葉経大附高との試合でのこと。ベンチに座る福嶋監督の膝に、一匹の赤とんぼが止まった。
「大輔か…?」と手を差し出すと、そのトンボは指先にしっかりと乗る。 飛び立ったあとも、「おい、大輔!」の呼びかけに反応し、再びベンチへ舞い戻った。 そのグラウンドは奇しくも、大輔がレギュラーを初めて勝ち取った場所だった。 選手たちは涙し、確かに“彼は帰ってきた”と感じた。
🎈雑談ですが…赤トンボって、人懐っこいですよね?
昔、夏休みの自由研究で「赤トンボはどんな指に止まりやすいか」という実験をしたことがあります。 結果は「冷たい指より、温かい指」。つまり、心も温かい人の元に寄ってくる…なんて小学生なりの結論でした(笑) 大輔くんも、そんなぬくもりに吸い寄せられたのかもしれませんね。
😢 甲子園での顔面骨折事故と“新基準バット”導入(2019年)
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岡山チームの投手が、広島チームの打者のライナーを顔面に受けて
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この事故が契機となり、打球速度を抑える“低反発バット”が導入された
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当事者は「高校野球をつまらなくしてしまった」と語る一方、安全性向上の必要性を理解している
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