皆さまこんにちは。


この作品を読み進めていくと、

文章と同時にその役を演じる方々が、

既に衣装を纏った姿で浮かんでくる

から不思議です。

 

●宝塚歌劇団HPより
ミュージカル・ロマン 

『夜明けの光芒』
チャールズ・ディケンズ作
「大いなる遺産」より
脚本・演出/鈴木 圭

 

[解説]
イギリスの文豪チャールズ・ディケンズの代表作

「大いなる遺産」は、これまで幾度も映像化され、

宝塚歌劇でも1990年に月組によって上演された、

世界中で愛され続ける不朽の名作。

波乱万丈の人生を歩むピップの成長譚を、

新たなミュージカル作品としてお届け致します。


[あらすじ]
19世紀初頭イギリス、テムズ河口近くの片田舎。

姉の嫁ぎ先である鍛冶屋に引き取られた

孤児のピップは、近所の大邸宅に住む

ミス・ハヴィシャムから養女エステラ遊び相手

として招かれる。

高慢だが美しいエステラに心惹かれ、

彼女に見合う紳士になりたいという願いを抱く

ピップだったが、間もなく義兄のもとで

鍛冶屋の道を歩み始める。

それから数年後、突然ピップのもとに莫大な財産

相続人に指名されたとの知らせが届く。

紳士になる為、故郷の人々に別れを告げ

ロンドンへと旅立つピップ

田舎暮らしとは一変した、夢のような暮らしを

謳歌する彼を待ち受けるものとは…。   

 

 

   個性溢れる登場人物

 

初演の題名は『大いなる遺産』

併演のショーは『ザ・モダーン』

 

以下に、初演との比較をまとめました。

 


 

●主な配役

登場人物名

(役の説明)

今回の配役初演の配役(新人公演)

後のトップは太字、トップ娘役は赤色

 


 

※少しネタバレ、(人物の紹介)を補足。

※あくまでもわかる範囲で。

  

●主な配役

 

フィリップ・ピリップ(ピップ)

(姉・義兄と暮らす。義兄のジョーと仲良し)

暁千星剣幸(天海祐希)

 

エステラ(ミス・ハヴィシャムの養女)

(美しいが高慢、ピップが心惹かれる人)

瑠璃花夏こだま愛(麻乃佳世)

 

ジョー・ガージャリー

(心優しく善良なピップの義兄)

美稀千種葵美哉[元月組組長]

 

エイベル・マグウィッチ

(ピップが助けた囚人)

輝咲玲央汝鳥伶[元月組組長](越はるき)

 

モリー

(ジャガーズ家の家政婦)

紫りら京三紗[現月組組長]

 

ジャガーズ

(腕の立つ弁護士であり管財人)

朝水りょう未沙のえる[元花組組長]

       (真山葉瑠)

 

ジョージアナ・マライア・ガージャリー

(ピップの姉、ジョーの妻。癇癪持ち)

澪乃桜季

 

コンペイソン 

(とある囚人)

夕渚りょう愛川麻貴

 

ミス・ハヴィシャム

(ピップ奉公先の老女主)

七星美妃邦なつき[月組組長]

      (夏河ゆら)[元月組組長]

 

ベントリー・ドラムル

(恋敵、性根の悪い男)

天飛華音久世星佳(大海ひろ)

 

ビディ

(大伯母さんの気が利く孫娘)

綾音美蘭朝凪鈴(羽根知里)

 

ハーバート・ポケット

(ピップの大切な友人となる人)

稀惺かずと涼風真世(真織由季)

 

エステラ(少女)

乙華菜乃

 

ピップ(少年)

藍羽ひより

 

 

  期待しかない配役の妙

 

個人的に、特に楽しみにしているのが、

エイベル・マグウィッチ(プロヴィス)役の輝咲玲央さん。

 

本の中で、ピップが彼をどう感じているのか、細かすぎるほどの描写があり、

笑う場面ではないのに、見た目の醜悪さが痛いほど伝わってきて

つい、読みながら笑ってしまいました。

これはもう絶対に、輝咲さんにしか演じられない❗

 

…読み進めると幾度となくそんな描写が出てくるので、

輝咲さんの姿が浮かんでしまってまた苦笑…。

是非、読んでみて下さい。

(あくまでも、笑う場面ではありません💦

娘に話したら、案の定、

は?そこ、笑うところじゃないでしょ💧

と呆れられました、ごめんなさい…)

 

とても重要な役どころです。

 

輝咲さん…絶対にまだまだ続けて下さい。

私、ファンです…✨

 

そしてそして。

この物語で特別に重要な存在、ジョー。

美稀千種さん。

 

いやー、美稀さんの、

優しく人柄の良いジョーが想像でき過ぎて…

似合う…似合い過ぎます。

想像しただけで泣けてきそうです。

(実は娘も、

ジョーの優しさを思い出すだけで泣けてくる

と同じことを言っていました)

 

天飛華音さんがドラムル!?

こんな嫌な奴を…

この嫌われ役をキラっキラの天飛さんが

どう演じるのか凄く見もの。

これもまた、演技力が試されることに

なりそうです。

 

そして、ピップにとって盟友となるハーバートの存在。

悲しくなるほど良過ぎる人柄でピップを

支えてくれるハーバートが登場する場面は、読む度に稀惺かずとさんの

人懐っこい笑顔が浮かんできて、

スーツ姿まで浮かんでしまいました。

 

ジャガーズも、朝水りょうさんを置いて

他に考えられないし、

文中に出てくる彼の癖や人となりまで、

朝水さんならその通りに演じそう…

憑依しそうです。

(『アルジェの男』のボランジュ総督役を思い出しました)

 

瑠璃花夏さんのエステラにありちゃんが…

いえ、ピップがどんな風に翻弄されるのだろう❔とか…

高慢だとわかっているのにピップの頭から離れない女性。

 

配役の妙に、期待しかない作品。

心から楽しみです。

 

 

  “遺産”とは何だったのか

 

前回も書きましたが暁千星さんのピップ…

 

ピップは莫大な資産を約束されることから紳士修行を兼ねてロンドンへ行き、

様々な苦難に遭い、また、良くも悪しくも様々な人と出逢います。

 

そこで経験するのは希望だけでなく絶望も…

 

例えば現代の若者があんな経験をしたら

逃げ出してしまうかもしれません。

 

逃げ出すか(色んな意味で)

もしくは堕ちていくか、

はたまた逆に犯罪に手を染めてしまうか…

 

そう考えると、ピップという人物は、

とてもメンタルが強く逞しい若者なのかもしれない、と感心さえしたり。

紆余曲折の人生、ありちゃんはどんな風に演じるのでしょうか。

楽しみです✨❗

 

この題名…『大いなる遺産

ピップにとっての“遺産”とは一体何だったのでしょう。

なぜこの題名なのだろう。

 

提示された莫大な遺産のことなのか、

様々に得た経験のことを指すのか、

その過程で得た大切な人達だったのか。

それとも…


 今回、『大いなる遺産』『夜明けの光芒』としたところに、

一本物宝塚版としての脚本演出があるのだろうなと思いました。

また、物語の終わりが決して暗いものではないので“光芒”としたのでしょうか。

(原作では当初、別の結末が用意されていたらしく、それでは読者を失望させるとの著者への助言から、現行のバージョンに書き直されたのだそうです)

 

また、文中に「夜明け」という言葉が何度か出てきました。

そこからも取られているのでしょうか。

(読書感想文が超苦手なので違うかもです)

 


ディケンズといえば『二都物語』も初演が月組でした。

 

1985年 月組公演…大地真央さん

2003年 花組公演…瀬奈じゅんさん

 

瀬奈さんと言えば後の月組トップスター。

 

やはり、ディケンズ原作の登場人物は、特に演技力が必要とされるのでしょうか、

それ故に月組での上演なのかな?

 

…と言っても、実はお恥ずかしながら…

『二都物語』を読んだことがなく…

録画してある作品も未視聴💦

…観たくなってきたけど我慢して、

その前に本を読んでみたいと思います。

 

さてさて。

この公演は配信があるでしょうから…

(ありますよね!?)

配信があればBlu-rayも残るはず。

より多くのファンが楽しめると良いですね。

 

そしてもし映像があるなら…

画質が悪くても良いので…

月組の初演も観たいです🙏✨

(『川霧の橋』のように…。)

 

🌟お読み頂き有難うございました🌟

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