トランボ ハリウッドに最も嫌われた男 | 『映画評価”お前、僕に釣られてみる?”』七海見理オフィシャルブログ Powered by Ameba

トランボ ハリウッドに最も嫌われた男

『ローマの休日』を生み出した脚本家の真実の物語






 
ブルース・クックによる伝記小説を基に、ハリウッドの名脚本家ダルトン・トランボの半生を描いた伝記ドラマ。


第二次世界大戦も終わり、赤狩りが猛威をふるうアメリカ。アメリカ共産党の党員でもあったハリウッドの売れっ子脚本家ダルトン・トランボは、議会での証言を拒んだという理由で投獄されてしまう。出所後、仕事の依頼がなかったトランボだったが、B級映画専門のキングス・ブラザース社から格安の仕事を請け負い、偽名で使用して執筆し、友人に脚本を託した「ローマの休日」や、偽名で書いた別の作品でもアカデミー賞に輝くのだった・・・



「ローマの休日」「スパルタカス」「ジョニーは戦場へ行った」「パピヨン」といった数々の名作を世に残したハリウッドの脚本家ダルトン・トランボ。着実にキャリアを積んできた矢先、1940年代~1950年代に行われた“赤狩り”(共産党員排除)により議会侮辱罪で刑務所送りなり、出所後もハリウッド・ブラックリストに載り干されたトランボが偽名を使い脚本を書き2度アカデミー賞を受賞した不撓不屈な姿を描いた実録伝記ドラマだ。書斎ではタイプライターを打ち、風呂に浸かりタバコを吸いながら脚本を書く姿はユニークだが、言論や思想の自由というものに対し自信の信念を貫くトランボの強さには脱帽だ。仕事に対してちょっぴり自己中なオヤジだが、そんな夫をコントロールする妻の姿が良い。そして、彼の姿に共感した カーク・ダグラスやオットー・プレミンジャーに感動した。トランボの数奇な運命を映画いているが、テーマとして言論の自由や不当な弾圧や差別というものについても投げかけているのがこれまた良い。笑って感動できる秀逸な映画であった。


評価:大変よくできました

原題:Trumbo
監督:ジェイ・ローチ
原作:ブルース・クック「トランボ ハリウッドに最も嫌われた男」
出演:ブライアン・クランストン、アドウェール・アキノエ=アグバエ、ルイス・C・K、デヴィッド・ジェームズ・エリオット、エル・ファニング、ジョン・グッドマン、ダイアン・レイン、マイケル・スタールバーグ、アラン・テュディック、リチャード・ポートナウ、ダン・バッケダール、ジョン・ゲッツ、ミッチェル・サコックス、メーガン・ウルフ、クリスチャン・ベルケル、ディーン・オゴーマン、ロジャー・バート、ヘレン・ミレン・・・他
製作国:アメリカ
配給:東北新社

【トランボ ハリウッドに最も嫌われた男】
http://trumbo-movie.jp/

評価・紹介No.:2016-138