私は、子供の頃から,


好奇心旺盛だった。


親や祖父母に、質問ばかりしていた。


だけど、


その質問に、ちゃんと向き合ってくれる大人はいなかった。


うるさい、煩わしいと言われ、疎まれていた。


その大人達からよく聞いた言葉が、


「早くしなさい、早く、早く」だった。


私が何か喋り出そうとすると、こう言われた。


「何が言いたいの?早く喋りなさい、


わかりやすくね」


小さい、好奇心旺盛の私は、


早く、わかりやすく話さなければ、


誰にも言いたいことを聞いてもらえない、


そう思うようになり、


次第に、焦って上手く言葉を出せなくなって、


支離滅裂なことを言ったり、


ものすごい早口になっていた。


また、厄介だったのは、


失敗をした時だった。


周りの大人は、失敗を許さなかった。


失敗する度、酷く責められ、


人格を否定されることもよくあった。


早く、早く、


だけど、失敗は許さない。


無理だよ、私は機械じゃないんだから。


今、子育てをしながらよく思う。


待つことの大切さを。


子供の特性をできるだけ活かしてあげられる、環境作りをすることの重要性を。


小さい子供だからこそ、


じっくりしっかり考ることや、


何度も失敗する経験値を積むことが、


どんなに大事かってことを思う。


私がしてほしくて、叶わなかったことが、


子供の成長には、とても大切だとわかり、


子供から、人生をやり直したい、と思う事もある。


本当は、


過去を振り返らず、過去に固執せず、


前だけ向いて、歩いて行きたい。


でも、


いろいろなことを学べば学ぶだけ、


自分の過去を恨むようになってしまう。


子育てを通して、


どうしても、自分の子供時代を思い返してしまう。


泣いたり、喚いたりはしないけれど、


何か、それ以上の、


どうにもならない、どうしようもない絶望感で、


胸が張り裂けそうになる。


だけど、


知りたい欲は尽きない。


たとえ、過去の自分と対峙することになっても。


過去を受け入れて、いい方向へ向かう糧にしたい。


辛い経験こそ、未来の自分の為に活かす。


そうする事で、


谷底から、また這い上がれる。