【面白ライブレポ】笹口騒音10才記念「笹10祭」(うみのて,笹オケ,リトビ@西永福JAM) | とかげ日記

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【日記+音楽レビューブログ】音楽と静寂、日常と非日常、ロックとロール。王道とオルタナティブを結ぶ線を模索する音楽紀行。
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今夜(2/29)は笹口騒音さん関連3バンドが出演するイベントに行ってきました〜!

↑精神年齢別のチケット代というのは初めて聞いた。レディオヘッド『In Rainbows』の発売形式のような革新的な手法!🌈

僕はロックの標語「Don't trust over 30」ってことで20代(2,000円)で入場。「精神年齢は?」と聞かれて「20代です」と返すとき、めちゃ恥ずかしかった…。

開演前のSEでは、Jerskin Fendrixというアーティストの音楽がかかっていた(シャザムした)。映画音楽を手がけるアーティストとのことで映画に造詣が深い笹口さんに刺さったのだろう。先鋭的で不気味だけどアーティスティックで美しい、その両義性は笹口さんの音楽に通じるものがあった。

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【アクトリスト】
20:00〜笹ソロ→リトビ
20:40〜うみのて(2.5)
21:20〜笹オケ

貼り付けている動画は過去のMVやライブです。

20:00〜笹ソロ→ リトルビッグプラネッツ


なぜかテンガロンハットをかふって登場した笹口さんのソロは一曲だけ「うるう年に生まれて」を披露。今日は彼の誕生日なので(おめでとうございます!)この曲は演奏するだろうと思っていたけど、気合も気骨も感じさせる演奏だった。ハーモニカ使いの笹口さん、久しぶりに観た気がする。笹口さん、声がよく出ている。これは、この後のアクトの歌唱にも期待できそう。

そして、ドラムのみおちゃんも加わってリトビの演奏が「歌を束ねないで」からスタート。その後もデビューアルバムの曲の演奏を続けていく。二人だけなのに緻密、二人だからこそのフリーダム。ああ、やっぱり僕はこのユニットが好きだ。

シュールでフリーキーな独創性や、トラッドのような温もりも感じられる笹口さんのギターは、リトビでもっともその魅力を感じられる。美人ドラマーみおちゃんの瞬発力があるパワフルなドラムにも魅了される。

好きな曲「ピクシーズ」も聴けて感激。言霊も音霊もこもっている最上の出来。ラストの「マルチバース(な)ユニバース」のリバービーな音空間は無限に広がって続いていくここではないどこかの真実の音が鳴っていた。

20:40〜うみのて(2.5)


キクイマホさん(ドラム)とあきもとさん(ベース)が脱退し、うみのて第二期は終わった。今日はうみのて(2.5)として演奏を披露する。(2.5という表現は大ヒットした「ゴジラ-1.0」にあやかったのだろうか。)

笹口さんからはツイッターで以下のアナウンスがあった。
「2/29の笹10祭@西永福JAMは来るべきうみのて第3期えむけて実験的に〝うみのて(2.5)〟として、ベースにKhakiより黒羽氏@ikiroharukuh 、ドラムに元ユレニワのれんじゅまん氏@Dr69rE をサポートにむかえて(中略)5名でお贈りします💫」

うみのて3.0 メンバー。誰が加入するか気になる。今日のサポートの二人もハマってた! 僕の好きなバンドの一つ"Khaki"でいつも鍵盤を弾いている黒羽さんは今回のライブではベースだったけど、安定したプレイでマルチ楽器プレーヤーとしての実力を示していた。ドラムのれんじゅまんさんも迫力あるドラミングがイかしていた! ギター奏者3人+ベース+ドラムって、期せずしてレディオヘッドの編成だね。

「砂漠です」や「東京駅」など定番曲を演奏しつつ、アクトの最初と最後の曲は新曲だったのかな? ビートルズよりマイラバ派ですと言って始まったラストの「NOW AND THEN」が素晴らしかった。エレガントな鍵盤ロックであると同時にギターの轟音が鳴り響くシューゲイザーの要素があり、音楽的な豊かさを感じた。

21:20〜笹口騒音オーケストラ(笹オケ)


いや〜いいね! 「TOMORROWLAND」から始まって「NEW MUSIC. NEW LIFE」で終わるまで、近年稀にみる多幸感バンド!

彼らを初見の方もいるだろうから「TOMORROWLAND」は毎回演奏してほしいな。大げさに聴こえるかもしれないが、この曲を聴いて笑顔になれない方はほとんどいないだろう。「名曲飢饉」の世の中にあって、時代に埋もれさせてはいけない大名曲なのだ。

大林いくおさんのベースが太くうねっていて最強。現代日本のキースムーンこと"ドラムの雨ノ地晴太郎さん"とのリズム隊コンビは鉄壁の安定感。そして、音楽にもビジュアルにも華を添える西山小雨さんのアコーディオンと爛漫可憐な笑顔。ホーン隊二人(カトー直喜さん<トランペット>、NAPPIさん<トロンボーン>)のホーンの響きは乾いているがとてもカラフルに輝いている。

「地球の店員」では、のっぺらの小棚木もみじさんとデュエット。㊙️ゲストアーティストとは、小棚木さんのことだったのだ…! 素敵で無敵な二人の歌声がとてもヒューマンで温かい。

最後は「NEW MUSIC. NEW LIFE」のラストの「僕は死ぬ」という歌詞を歌った後に、「僕は死にましぇーん!」という武田鉄矢モノマネでシメ。つくづくお茶目な男だな、笹口氏は。

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くるりの岸田繁さんが「ロックって雑な方がいい」とあるとき言っていた。笹口さんの音楽も「雑」である良さが光っている。雑ではあるが下品ではなく上質であり、雑であるからこそ彼の伝えたいことが過不足なく伝わってくる。この考え抜かれたロックの猥雑さとキャラクターも含めたポップの親しみやすさが彼の持ち味だ。僕の耳も骨も笹口さんの歌と音楽を聴きたがっている。笹口さんの喜びも怒りも哀しみも楽しみも聴きたがっている。

こんな素晴らしい音楽を味わえる耳と心で良かったと思うとともに、もっとたくさんの人に聴かれるべき音楽だと思っている。

この愛すべき音楽のファンの数が増えてほしい。ファンのうちの何割かは自分の他にもファンを増やそうとするだろう。そうやって、笹口音楽ファンの輪が広がってほしい。僕もこれからも笹口さんのファンを増やすべくあらゆる試みをしていきたい。笹口沼はどこまでも深いことを知ってほしい。



---ライブ詳細---
【笹口、遂に10代に!👦🏻】

2/29木@西永福JAM

笹口騒音㊗️10才記念

🎊笹10祭🎊

出演
リトルビッグプラネッツ
笹口騒音オーケストラ
うみのて(2.5)
&㊙️(よーよー注: 小棚木もみじさん!)

↓🎫(D代別)
※料金は精神年齢別(当日受付にて自己申告制)

10代以下 1000円
20代 2000円
30代 3000円
40代 4000円
50代以上 5000円~