GoGo Penguin『A HUMDRUM STAR』感想&レビュー | とかげ日記

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【日記+音楽レビューブログ】音楽と静寂、日常と非日常、ロックとロール。王道とオルタナティブを結ぶ線を模索する音楽紀行。
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今まで僕が邦楽ロックのことばかりレビューして、洋楽や他のジャンルについてレビューしてこなかったのは、それらについて知識も知恵もなかったからだ。

ただ、洋楽自体は聴いていて、僕のリスニング時間の3割は洋楽が占めている。だが、洋楽や他ジャンルの文脈をあまり押さえないでレビューしても、そのレビューは価値があるのか疑問だったのでレビューしてこなかった。

しかし、格別の魅力のある本作について『とかげ日記』読者にオススメしたくなり、洋楽だし、ジャズだけど、レビューを書いてみることにした。拙いレビューなので、検索でヒットしてこの記事を読んでいる方は、ブラウザバックすることをお勧めします。


僕が彼らの音楽に出会ったのは、親友がYouTubeの動画をオススメしてくれたからだった。そして、僕が彼らの音楽にハマったのは、その親友に誘われてライブに行ったからだ。だから、GoGo Penguinに引き合わせてくれたことに、親友には感謝している。

ジャンルとしてはコンテンポラリージャズ。マスロックを思わせるような複雑なビートなんだけどノれるし、楽しい。ピアノ、ウッドベース、ドラムの三人で電子音楽を人力でやれるように解釈して、ポストロックに近い感じで演奏するのがツボにハマった。

ピアノが曲の骨格を作り、ウッドベースとドラムが暴れまくる。普通はリズム隊が曲の骨格を作るでしょう? ベースラインが頻繁に動いたり、ドラムのおかずが多くても、普通の音楽ではリズム隊が骨格を作っている感触だ。GoGo Penguinのような音楽を今まで聴いてこなかったから、とても新鮮に感じた。

そして、超絶テクニック。神のようなドラムのスティックさばきを見よ! グリッド上に音符が並ぶ、極めて正確なドラミングだし、そのフレーズも創意工夫に富んでいる。ベースも弓を弾いたり、タッピングしたりテクニシャンだし、宇宙にある星を描き出すような表現力のあるピアノも凄い。

インストルメンタルでここまで感動するとは思わなかった。彼らの演奏には、熱がある。ロックは保守的になったと言われて久しいけど、最近のジャズは革新的なんだな。

GoGo Penguinのライブを観て以来、ジャズにハマり、他のアーティストのジャズも聴くようになった。

ただ、瞬間瞬間の音は楽しめるのだけど、一曲を通したストーリー性(この箇所は一曲の中でこういう役割があって…等)は聴いてもまだ分からないから、楽しめていない。もっと聴きこみたいな。





Score 8.2/10.0