ア・ハムドラム・スター 2,048円 Amazon |
今まで僕が邦楽ロックのことばかりレビューして、洋楽や他のジャンルについてレビューしてこなかったのは、それらについて知識も知恵もなかったからだ。
ただ、洋楽自体は聴いていて、僕のリスニング時間の3割は洋楽が占めている。だが、洋楽や他ジャンルの文脈をあまり押さえないでレビューしても、そのレビューは価値があるのか疑問だったのでレビューしてこなかった。
しかし、格別の魅力のある本作について『とかげ日記』読者にオススメしたくなり、洋楽だし、ジャズだけど、レビューを書いてみることにした。拙いレビューなので、検索でヒットしてこの記事を読んでいる方は、ブラウザバックすることをお勧めします。
僕が彼らの音楽に出会ったのは、親友がYouTubeの動画をオススメしてくれたからだった。そして、僕が彼らの音楽にハマったのは、その親友に誘われてライブに行ったからだ。だから、GoGo Penguinに引き合わせてくれたことに、親友には感謝している。
ジャンルとしてはコンテンポラリージャズ。マスロックを思わせるような複雑なビートなんだけどノれるし、楽しい。ピアノ、ウッドベース、ドラムの三人で電子音楽を人力でやれるように解釈して、ポストロックに近い感じで演奏するのがツボにハマった。
ピアノが曲の骨格を作り、ウッドベースとドラムが暴れまくる。普通はリズム隊が曲の骨格を作るでしょう? ベースラインが頻繁に動いたり、ドラムのおかずが多くても、普通の音楽ではリズム隊が骨格を作っている感触だ。GoGo Penguinのような音楽を今まで聴いてこなかったから、とても新鮮に感じた。
そして、超絶テクニック。神のようなドラムのスティックさばきを見よ! グリッド上に音符が並ぶ、極めて正確なドラミングだし、そのフレーズも創意工夫に富んでいる。ベースも弓を弾いたり、タッピングしたりテクニシャンだし、宇宙にある星を描き出すような表現力のあるピアノも凄い。
インストルメンタルでここまで感動するとは思わなかった。彼らの演奏には、熱がある。ロックは保守的になったと言われて久しいけど、最近のジャズは革新的なんだな。
GoGo Penguinのライブを観て以来、ジャズにハマり、他のアーティストのジャズも聴くようになった。
ただ、瞬間瞬間の音は楽しめるのだけど、一曲を通したストーリー性(この箇所は一曲の中でこういう役割があって…等)は聴いてもまだ分からないから、楽しめていない。もっと聴きこみたいな。
Score 8.2/10.0