とかげ日記的癒しのポップス・ソフトロック特集 | とかげ日記

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【日記+音楽レビューブログ】音楽と静寂、日常と非日常、ロックとロール。王道とオルタナティブを結ぶ線を模索する音楽紀行。
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●音楽で癒されたい人に向けて曲をセレクト

最近、ブログのアクセス数が落ち込んでいるけど、人生は短い。一喜一憂しているヒマがあったら力をつけるべき。僕のブログを見つけてくれる人は見つけてくれるから。暇つぶしでも切実な思いからでも、必要としてくれる人は必要としてくれるから。そうでしょう、みなさん!?

「弱音は吐くまい」と、そう言って弱音を吐いている僕も、疲れからぐったりくることもあって、そんな時によく聴くポップス・ソフトロックの曲を集めてみました。

①相対性理論 - 地獄先生


音楽への純粋な愛を感じさせるソングライティングがまず最高。

バースの単音弾きで物語の空気を醸し出し、サビでコードを重ねて浮遊感を演出するギター。落ち着いた曲調なのによく動くベース。手数は少なくともムードを盛り立てるドラム。演奏陣も素晴らしい仕事ぶり。1stアルバムのヘタウマっぷりが嘘のようw

そして、この萌え声ボーカルですよ。サークルの旅行でこの曲を車中でかけた時、単なる萌え系ソングだと思われて軽くヒかれたのは少しだけ苦い思い出。

②Gilbert O'Sullivan - Alone Again


草刈正雄が日本語詞でカバーしているバージョンをよく聴いているのですが、もちろん原曲も素敵。

結婚するはずだった女性に捨てられるというエピソードで始まる歌詞が強烈。その後、主人公は母も亡くす。人はみな一人で生きていくのだという諦念にも似た確信が、辛い状況に置かれたリスナーの心も癒してくれるのですよ。

③cero - 大停電の夜に


この曲の主人公は、大停電の夜に手紙を書く手を止めて街の音に耳をすましているのだけれど、大停電の夜というのは自分が今何かやっている日常を中断させる効果がある。非日常が日常の進行を止めさせる。そのことで浮き彫りになる日常。この曲の主人公は「普通の会話を愛している」と歌っている。

リバーブをかけたボーカルと楽器隊の演奏は異空間を思わせて、その異空間で心の底からリラックスできる。この曲は、日常と地続きの非日常の中で日常の愛おしさを歌っている。それって、音楽そのものだと思うのだ。もちろん、別のタイプの音楽もあるが、精神的な疲労を感じた時はこのタイプの音楽に癒される。銀杏BOYZの「ぽあだむ」も計画停電のことを歌っているし、このタイプの音楽だよね。

④Elton John - Your Song


良い歌もののお手本のような曲。こんな曲は書こうと思ってもなかなか書けない。

「そんなにお金もないけれど」という歌詞や「もし僕が彫刻家だったら、いや、ありえないな」という歌詞が飾り気のない等身大の歌い手を映し出す。「You」を想い、その想いを饒舌にならずにシンプルかつ率直に歌う。その結果、誰にとっても共感できる素晴らしい歌になった。皆が「僕」や「私」のための曲と思える曲こそ、ポップソングの極みだ。

⑤スピッツ - 田舎の生活


木琴の素朴で寂しげな音が僕の心を捉えて離さない。

ビル尽くしの都市空間とインターネットの電脳空間のせわしないタイムラインの中で動く僕にとって、この曲で描かれる光景は程遠い。程遠いからこそ、何度もこの曲に浸って、田舎の生活を味わってみたくなるのだ。同じ日常の繰り返しである田舎の生活の描写と「終わることのない輪廻」という歌詞がリンクし、永遠に続く「うつらうつら柔らかな日差し」の心地よさの中に身を置くことのできる曲。

⑥Louis Armstrong - What A Wonderful World


サッチモとも呼ばれるルイ・アームストロングの曲。「サッチモ」は、今、邦楽バンドで話題のSuchmosの名前の由来ですね。G・ダグラスとジョージ・デヴィッド・ワイスが作詞作曲した1968年のヒット曲で、ルイ・アームストロングにとっては晩年のヒット曲になりますね。

少し調べれば、ベトナム戦争へのアイロニー(皮肉)で曲が書かれたという背景を知ることになるのですが、その背景を知らなくても、晩年の酸いも甘いも吸い尽くしたサッチモが「What A Wonderful World」と歌う、それだけで素晴らしいじゃないですか。