このブログは毎週日曜日に更新します。
これからお話しすることは全て架空のお話です。それでも保育士としてよくあるケースなので、特に学生には疑似体験として経験を積んでもらえるかなと思って作りました。
名前:ユウ
性別:女
職業:保育士
学歴:短大卒
年齢:21歳
勤務形態:常勤職員1年目
所属園:東京都新宿区認可保育園 ミッケン保育園
所属クラス:2歳児クラス 15名
クラス担任:7年目常勤保育士カナ先生 3年目常勤保育士マキ先生 自分
月日:5月18日
太陽は西に傾いているが、その熱、眩しさにはいまだ力強さがあり、日が延びてきたことを感じさせる。
2歳児クラスから見える園庭の時計の針は、丁度5時を示していた。
ユウが視線を室内に戻すと、0歳児から2歳児が時々笑顔を覗かせながら、オモチャで遊び、楽しそうに過ごしている。
オモチャは三ケ所にそれぞれ異なるものが設置されていて、一つは大きめの食材を模したものやキッチン用品を模したもので、1歳児と2歳児が10人ほど遊んでいる。
もう一つは、サークルと呼ばれる柵のようなものに囲まれたスペースに、縫いぐるみや布製のボールが散らばっていて、0歳児が5人ほど中で遊んでいる。そして部屋の隅には電車を模したオモチャがあり、1歳児と2歳児が10人ほど遊んでいる。
それぞれのスペースには保育者が子どもと関わりながら子どもの遊びを見守っていて、ユウはそのうちの一つである電車のオモチャのあるスペースにいた。
『やだ!』
唐突に聞こえてきた声の方に目をやると、ユウのクラスに在籍する2歳児のリョウタくんが、1歳児の男の子に向かい、敵意をむき出しにして怒鳴っている。
よく見ると、その男の子は、リョウタくんが10車両ほど連結させた電車の1車両を掴み、引っ張り上げていた。引っ張り上げられた1車両は繋がっている他車両を巻き込み、5車両ほどがだらしなくブラブラと宙に浮いている。
『やだ!やぁだ!!』
リョウタくんは自分の電車を取られまいと、先程より一層声を張り上げながらぐいと引っ張った。
すると、リョウタくんの手元の1車両だけの結合が外れた。残りの車両は、引っ張られた影響で幾分形を崩してはいるが、全てが男の子の掴んでいる車両にずらりと連結されている。
その長い車両の先には、顔を歪ませ、今にも泣きだしそうなリョウタくんが車両を一つ握りしめて立っていた。
『リョウタくんっ・・・』
ユウは二人の間に入って、このトラブルを収めようと声をかけようとした。
しかし、その声をさえぎるように、リョウタくんは、『あぁあ!』と上を向いて一泣きしたかと思うと、キッと顔が突然険しくなり、持っていた車両を投げ出し、男の子をドンと突き飛ばした。
突き飛ばされた男の子は倒れるように尻を床に打ちつけ、後頭部をゴンと床に打った。
『わぁぁぁぁぁっぁあぁぁ!!!』
室内中に男の子の泣き声が響き渡り、場は俄かに騒然とし始めていた。
この後、あなたならどうしますか?
続きは次回。
