5月17日から19日本日にかけて、日本糖尿病学会が東京国際フォーラムとJPタワーで開催中。

ふだん臨床医学しかしていない勤務医にとって、学会で最新の研究の成果を聞くのは楽しみ。

 

神戸大学の小川教授は、メトホルミンが糖の腸内への排泄を促進していることを明らかにするなど、ユニークな研究をされていますが、今回発表された研究も興味深いものでした。

 

筋肉をギプス固定すると、まずKLF15という蛋白上昇をへて異化が更新し筋肉量が減る。それに引き続き、筋肉から大脳を介して腸管へのシグナルが届き、腸管の絨毛上皮が薄くなり血中のケモカインCXCL10の濃度が上昇し、筋肉の炎症が起き、さらに筋肉が減る。そのような現象がマウスの実験で示されたとのこと。

 

筋肉が動かないとなぜ腸管の絨毛上皮が薄くなるのか、その生理的な意味はなんでしょうか。動かない→食事ができない→腸管の機能を抑えて省エネ、でしょうか。しかしそのために腸管免疫も減弱し、それにより筋肉の炎症が起きサルコペニアにつながるのであれば、一種の悪循環ですね。