今を生きる思想

『エーリッヒ・フロム』

孤独を恐れず自由に生きる

岸見一郎著

講談社現代新書100

 

講談社現代新書100とは、とっつきにくいテーマを100頁にまとめる講談社現代新書のプロジェクト。

エーリッヒ・フロムを読んで見ました。

著者の岸見一郎さん、見覚えがあると思ったら、アドラー心理学の著書を読んだことがありました。

 

エーリッヒ・フロムは「自由からの逃走」などが代表作のユダヤ系の哲学者。

ナチスドイツを経験しており、なぜドイツはこうなってしまったのだろうというのが最大の問題意識。

 

自分なりのまとめ:

 

自由を得ることは孤独になることも意味する。

 

孤独から逃れるために、支配・被支配の共生関係に入るのは悪手。被支配の立場になれば相手の指示に従えば良く、自ら考えることを放棄することができる。これこそ「自由からの逃走」。

これがナチスドイツの病理であった。(プーチンのロシアの病理でもあるのではないか)

 

人を愛することこそが、自由を守りつつ孤独から逃れる最善手。

真に人を愛するとは、相手の実情を理解することが前提となり、相手から奪うのではなく相手に与えることであり、情念ではなく理性の行為である。

真に愛し合う二人は、それぞれが独立しており自由であり、生産的・創造的な関係である。

 

感想

 

岸見さんの解説をしっかり受け止められたかと言えば、正直消化不良気味。

しかし、全体を通してなんとなくエーリッヒ・フロムが言いたいことが見えてきたように思いました。