なんかいまだに心理学を間違えて理解してる人が多くいるんですね。


人のココロを解明していくのが心理学の役割で、それは人のココロを読むという行為からは程遠いものです。言葉の誤用とは違って、学問への誤解はそれが一般化することはないので、気付いたら直した方が良いです。


心理学は主に2つの方法を用いて人のココロを解明していこうとします。1つは多数のクライアントからのフィードバックを集計して得た結果に基づいて人のココロを述べていく、エビデンスベースでの研究ですね。2つ目はクライアントの観察を言葉として記録し、その経過からその人のココロを述べていく、ナラティブベースの研究です。


いずれも人の考え方や内面が見えるわけではないのです。考え方や内面は表情を含む行動に表れるので、ナラティブベースであれば、「クライアントに子供の頃から所持しているフランス人形を見せた際、喜びの表情を浮かばせた」みたいな形で捉えることになります。


心理学を学んでいたから他人の痛みが理解できるみたいな発言は心理学を理解してない人がするものです。

大学で心理学を学ぶ最初に、「心理学を学んでも、特定の個人の考えや思惑自体は見えない」とはっきり言われます。

つまりは、心理学を学んでいない無知な状態だからこそ心理学を学んでいると他人の考えが見えるなどと言ってしまえるのです。


人のココロを解明することと、人の考えを読むことは全然同じじゃないんです。


メンタリストみたいな人は人のココロを上手く操作して、自分の思うところに持ってくることで、人の考えを当てたことにするのですが、こういうのは巧妙ですね。

前に紹介したと思いますが、NLPというスキルを使うことで似たようなことができます。


「日経平均は遠くないうちに2万円を切ります」って言った人がいると仮定して、実際にそうなったら、「私の予言が当たりましたよね!」って言われるような、似たような体験ってありませんか?

これってNLPなんです。


予言であれば、将来5年以内に実現するみたいな話は全部インチキです。予言であれば、日付と時刻まで述べる必要があります。

確率80%って言われても、それは100%じゃないので、起こり得る話だしかないわけです。


だから占いの「2年以内に結婚する可能性が高い」みたいな話は全部インチキです。

「2年以内に結婚した場合の結婚の運勢は良いと出ている」の方がまともな言い方です。これは占いという統計に基づいた未来予測の過去事例を述べただけです。


まあ、人は自分が信じたいものしか信じない生き物ですので、いくら論理的に正しい話をしたところで、信じなかったり、それはあなたの考え方だからみたいな話になるんですよね。


私は結構こういうところを見て人付き合いを決めるようにしてます。都市伝説大好きな人や、感情で人を押し込む人とは距離を置くようにしてます。


仕事だったら他人様の考えはお好きなようにって思いますが、プライベートな時間は自分の考えに合わない人とは接しないようにしてるんです。


これが気楽に生きるコツだと思ってます。