プチ断食のススメ | 頭痛 あれこれ

頭痛 あれこれ

 「慢性頭痛」は私達の日常生活を送る際の問題点に対する”危険信号”です。
 このなかで「片頭痛」は、どのようにして引き起こされるのでしょうか。
 慢性頭痛改善は、「姿勢」と「食生活」の改善がすべてであり、「健康と美容」のための第一歩です。

カロリー制限でミトコンドリアを増やす


 カロリー制限には細胞内のミトコンドリアを増やして活性化する効果があるといいます。


 健康で若々しく長生きするためには、この「ミトコンドリア」が元気であることが重要ともいわれますから、この面から見ても、カロリー制限は健康効果が高いと考えられます。
 ミトコンドリアは細胞内で、エネルギー源を作る仕事を担っています。
 私たちが食物から取り入れた糖分や脂肪などの栄養素と、呼吸で取り入れた酸素を利用して、効率的にエネルギー源である「ATP」を作りだします。筋肉に特に多く存在しています。
 お年寄りと若者のミトコンドリアを比べてみると、お年寄りの方がその量も少なく、機能も低下してます。
 私たちのすべての活動は「ATP」から放出されるエネルギーが元になってます。ミトコンドリアが活発に働いていて、しかも量が多いことが元気の秘訣ともいえるわけです。
 そして、その鍵を握るのが「AMPキナーゼ」という酵素。AMPキナーゼはATPをコントロールしているといわれます。このことは先日も述べました。
 いつでも、体内のATP量をチェックしていて、少なくなればATP生産量を増やすように働きかけます。
 ATPが不足しているということはエネルギー不足ということです。なので、脂肪の蓄積よりも、ブドウ糖を細胞内のミトコンドリアに運んで、より多くのATPを作るようにしていきます。
 それと同時に、ATP生産工場であるミトコンドリア自体の量を増やすようにも働きかけます。


 カロリー制限をして摂取カロリーが減ると、当然、その材料であるブドウ糖(グルコース)の外部からの供給が一時的に減ってATP生産量も減ってきます。
 すると、それを感知したAMPキナーゼが活性化。この働きにより、先ほどのようにミトコンドリアを活性化させたり、量を増やしたりしていきます。
 また、カロリー制限をしていると無駄にたまった脂肪も分解されていきます。
 脂肪細胞に貯まっていた中性脂肪が少なくなっていくわけです。
 脂肪細胞は、ただ単に脂肪をため込むだけのものではなく、それ自身が生理活性物質を分泌しています。脂肪細胞に脂肪が貯まりすぎてぶくぶくになっているときは悪玉物質、脂肪が貯まっていないときは善玉物質が分泌されるようになっているのです。
 そして、善玉物質の1つに「アディポネクチン」というのがありますが、これがAMPキナーゼを活性化する働きも持っています。これも先日述べました。
 こうしてみると、適度なカロリー制限をすることは、二重にも三重にもいい効果が得られると考えられます。
 そういえば、女優の黒木瞳さんも、以前、笑っていいともに出演されていたときに、美しさの秘訣をタモリさんに聞かれて、「腹八分目とミトコンドリアを増やすこと」というのを言われていました。
 適度なカロリー制限「腹八分」をして、結果ミトコンドリアが活性化し増えてもいます。 その結果が、今の黒木さんの若々しさ、美しさに繋がっているのかもしれません。あの美しさをみれば、非常に説得力のある考え方です。


■お腹をすかせて若くなる「週末断食」のすすめ


 自由に食べ物を食べさせた猿とカロリーを70 %に抑えた猿との二つの群に分け、20 年間比較した研究があります。カロリー制限した猿は、そうでない群に比べ、生活習慣病や老年病で亡くなる数が1/3程度で、しわや白髪が少なく、目の輝きも違っていたといいます。猿は人間と最も近い動物ですので、カロリーを抑えると若々しく長寿になると考えられます。
 しかし、実際に20 年もの間、3割もカロリーを減らし続けるのは至難の業です。その後、研究は進み、総カロリーを減らすよりもミトコンドリアを増やし長寿遺伝子のスイッチをオンにすることが大切なこと、そしてミトコンドリアを増やすには、空腹感が最も重要であることも分かってきました。
 更なる実験の結果、20 年間カロリーを7割に抑え続けるのと、週2日、30 %のカロリーにすることでは同じ効果があることが分かりました。カロリー制限に捉われるとストレスに繋がりますが、毎日食事制限をしなくても、時々空腹感を味わう「プチ週末断食」をお勧めします。空腹になると体はもっとエネルギーを作らなければと認識してミトコンドリアを増やし、エネルギーを作ろうとするのです。
 難しく考える必要はありません。平日は普段通りの食事を摂り、週末の1~2日だけ3割程度のカロリーにすれば良いのです。
 例えば朝は野菜ジュース、昼はざるそばなどの軽食、軽めの夕食にする程度で十分です。経験者の方はいずれも体調が良くなったと言います。但し、回復期が肝心ですから、回復期にはいきなり普通の食事をせずに徐々に普通の食事レベルに戻していくようにして下さい。
 分子化学療法研究所の後藤日出夫先生は、毎日、リンゴとニンジンを中心とした「万能健康ジュース」だけの朝食をとり、必要に応じて週に一度、または月に一度から二度、三食とも”万能健康ジュースだけの日”を設けるというシンプルな方法を提唱されます。


断食の危険性と小断食のススメ


 健康のために「断食」を勧める健康法があります。その目的は、体にたまった毒素を抜くこと、ホルモンなどのバランスを整えることです。
 断食をすると、体内に貯蓄されているグリコーゲンや体脂肪などからエネルギーを作るようになり、通常は食べ物の消化吸収などに向けられているさまざまな代謝が、生命を維持するための最小限の代謝を重視するようになります。
 人間本来の生命力を回帰する方向へと向かうわけです。
 しかし、断食を始めると腸内に善玉菌のエサがまったくなくなり、さらに胃液や腸液などの分泌物や腸細胞の脱落物など悪玉菌のエサばかりとなるため、悪玉菌が優勢の状態となり、アンモニアや硫化物などが異常に発生します。このように断食にはよい面と悪い面の両方があるということを知っておいてください。
 断食で大きな問題なのは、じつは断食後の胃や腸の機能回復です。腸の細胞は、糖質やタンパク質などの栄養分の摂り方によって、数日のあいたに消化吸収能の異なる細胞へと変化します。外から栄養分をとらなければ、腸の消化吸収能は退化し、数日後には通常の食事から栄養分をほとんど処理できない腸へと変わってしまうのです。もしこのような状態で通常の栄養分を摂取すると、消化不良による下痢などのほか、腸細胞を傷つけてさまざまな炎症性の疾患を起こすことになります。

 したがって安易な断食は行わないほうが賢明です。


 大切なのは次の3点です。


①腸内細菌を悪玉菌優勢にしないこと
②胃や腸など消化管の機能を低下させないこと
③肝臓の解毒負荷を軽くすること

  (ほとんどの有害物質は肝臓で解毒分解される)