”素朴な疑問”のまとめ | 頭痛 あれこれ

頭痛 あれこれ

 「慢性頭痛」は私達の日常生活を送る際の問題点に対する”危険信号”です。
 このなかで「片頭痛」は、どのようにして引き起こされるのでしょうか。
 慢性頭痛改善は、「姿勢」と「食生活」の改善がすべてであり、「健康と美容」のための第一歩です。

 先日、最終回のつもりでしたが、その後”よく分からない”と批判されるため、もう一度、繰り返しておくことに致しました。


痛み「頭痛」とは何か・・慢性頭痛とは


 痛みとは、そもそも、体が、異常を私たちに知らせるために発するものです。
 もし、人間に痛みというものが無ければ、発病にはなかなか気づかず、気がついたときには、もう手遅れということばかりになってしまうでしょう。
 痛みは、大事なサインであり、警報なのです。痛みの根本原因を突き止められず、元々の原因の是正もせず、痛みだけを和らげることは、警報の電源だけ切って、それで”よし”、とするものです。警報が知らせる深刻な事態は、そのまま放っておくのですから、ますます悪化してしまうことになります。
 たとえば、火災が起きたときの火災警報が”痛み”に当たります。火災警報だけを止めてどうするのかということです。
 頭痛の大半を占める筋肉が原因の緊張型頭痛では、筋肉がもうこれ以上、無理できないというので頭痛という警報を出しているのです。この警報だけを止めると、筋肉にはさらに無理な力が加わって、治すことがますます困難になります。(緊張型頭痛は中には、筋肉が原因でない精神的な要因が関与しているものが存在しますが、これは後述の”脳内セロトニンの低下”によって起きてくるものです)


それでは、片頭痛の場合は、何のための危険信号なのでしょうか?


 片頭痛は、”何らかの引き金”により、最初に脳の一部に小さな興奮が起こり、徐々に周囲に拡大します(閃輝暗点など)。そのままでは脳に障害が起こります。そこで、脳周囲の血管が拡張し血流が増加します。脳に酸素と栄養を供給している血管が、脳への架け橋のグリア細胞を介し脳を守ると考えられます。”脳の血管拡張”は”強い痛み”を起こしますが、脳の障害を必死に守り、また危険信号を発しているとも考えられます。
 こういったことから、拡張した血管を収縮させる作用のある”トリプタン製剤”の服用を専門家は勧めています。
 しかし、”何らかの引き金”によって、頭蓋内で起きた現象を抑える目的で、痛み止めの代わりに”トリプタン製剤”が使われただけに過ぎません。
 その作用機序そのものは、”鎮痛薬と大差はなく、多少効果のある薬剤”でしかなく、結局は”対症療法”に過ぎません。基本的には、”何らかの引き金”に対する対策を講ずるのが原則とされなくてはなりません。


「健康的な生活」を送るためには・・


 健康的な生活とは、生まれつき体に備わっている「生体リズム」に沿った生活ということを意味しています。この生活のリズムは「ホメオスターシス」によって維持されます。
 脳のなかに異常のない「慢性頭痛」は「健康的な生活」を送ることができないことに根本的な原因があり、”慢性頭痛”とは、「不健康な生活を送っている」という生体の警告の信号”サイン”と考えなくてはなりません。
 端的に表現すれば、ややこしい問題が山積されると、この解決策が見つからない場合「頭が痛い」と表現する程です。単純に、これが、「頭痛の本質」と考えなくてはなりません。

 経験的に、ストレスは慢性頭痛を増悪させる原因と知られています。

 そして、このストレスが、「ホメオスターシス」を乱す根源になります。
 「生体リズム」とは、脳の視交叉上核にある「体内時計」によって刻まれ、睡眠と覚醒のリズム、体温のリズム、行動のリズム、ホルモン分泌のリズムなどです。
 そして、「体内時計」は、ミトコンドリアとセロトニンによって制御されています。


 この「ミトコンドリア」は、私達の体を構成する細胞の中のすべてにあり、エネルギーを産生しています。ということは私達の”生命の根源”ともなるものです。ミトコンドリアの機能がまともに働かなければ「健康的な・健全な生活」は送れないことになります。
 ミトコンドリアは食事から摂取した栄養素から生きる為に必要なエネルギーを作り出していて、エネルギーを常時たくさん使う細胞であるほど、ミトコンドリアの数が多く存在し、ミトコンドリアは、私たちの”活力源”ともいえるものなのです。
 そして、私達が日中活動している際に常時活動している神経系がセロトニン神経系です。 このようにエネルギーを常時たくさん使うセロトニン神経系は、ミトコンドリアの働きが悪くなりますと、同時に「セロトニン神経系」の働きまで悪くなってきます。
 「セロトニン神経系」は、脳の中心にある「脳幹」の、さらに中央に位置する「縫線核」という部分にあります。そして、大脳皮質や大脳辺縁系、視床下部、脳幹、小脳、脊髄など、あらゆる脳神経系と結合し、脳の広い範囲に影響を与えている神経系です。
 「脳内セロトニンの働き」としては、1.大脳皮質を覚醒させ、意識のレベルを調節する 2.自律神経調節する 3.筋肉へ働きかける 4.痛みの感覚を抑制する 5.心のバランスを保つ、といった主な5つの働きがありますが、「セロトニン神経系」は、私達が”日常生活を送る際の生命活動”に直結する重要な神経系です。

 先程の「恒常性(ホメオスターシス)」の維持には自律神経、内分泌系、免疫系の3つの働きが深く関わっており、それはストレスなどに大きく影響されます。例えば、ストレスは自律神経を失調させ、内分泌を乱し、免疫力も低下させてしまいます。
 「ホメオスターシス三角」を形成する3つのなかの、自律神経系の調節には、”セロトニン神経系”が関与し、内分泌系は”ホルモン”と”生理活性物質”が関与し、免疫系には”腸内環境”が重要な位置を占めています。
 ”セロトニン神経系”の機能低下に、生活習慣の不規則・ストレス・生理周期や、“小麦、乳・乳製品、肉食に偏った食事”をとり続け、“運動不足”が重なると「脳内セロトニンの低下」が引き起こされてくることになります。
 このようにセロトニン神経は「ホメオスターシス三角」で重要な位置を占めています。
 ”生理活性物質”は、必須脂肪酸のオメガ3とオメガ6の摂取バランスがよくないと、 局所ホルモン(エイコサノイド)(プロスタグランジン)のバランスを乱すことになります。結果的に、細胞機能のバランスを欠くことになります。
 ”腸内環境”は、欧米型の食事に偏り、肉や脂肪・砂糖などを大量に摂取すると、間違いなく腸内環境は悪化します。
 また「ストレス」や「過労」も腸内環境に深刻な影響を与えます。「運動不足」も問題です。さらには「抗生物質」などの化学薬剤も、腸内細菌に決定的なダメージを与えます。 家畜に投与された抗生物質が食肉を摂ることで体内に取り入れられ、有益菌を弱らせるようなこともあります。このようにして腸内環境は悪化してきます。
 ”腸内環境”の悪化は「頭痛を引き起こしやすい状態」を形成してくることになります。

 こうした諸々の要因は「ホメオスターシス三角」そのものの釣り合いを乱す原因ともなり、頭痛を引き起こしやすい状態(頭痛体質)を形成してくることになります。

 このように、「健康で・健全な生活」は、「恒常性(ホメオスターシス)」、ミトコンドリア、セロトニン神経系によって維持されています。謂わば、生命の根源ともなります。
 頭痛とは、このような「健康で・健全な生活」が送れないためのサインなのです。


 これまで、片頭痛がミトコンドリアの機能障害による頭痛と考えられてきました。
 ミトコンドリアの働きが悪ければ、当然のこととして同時に「セロトニン神経系の機能低下」が引き起こされ、これに生活習慣の問題点が加わることによって「脳内セロトニンの低下」がもたらされることになります。そして、この「ミトコンドリアの機能障害」と「脳内セロトニンの低下」の2つが重なることによって「体の歪み(ストレートネック)」を引き起こされやすくなります。
 私達は、日常生活を送る場面では、日常的に「前屈みの姿勢」を強いられており、このため、当然のこととして、「体の歪み(ストレートネック)」を引き起こしてきます。
 この日常的な「前屈みの姿勢」は緊張型頭痛の原因となり「体の歪み(ストレートネック)」が形成されることによって緊張型頭痛が増強してくることになります。そして、これに「脳過敏」の要因が追加され、片頭痛へと移行する際の骨組みともなってきます。
 そして、この「ミトコンドリアの機能障害」と「脳内セロトニンの低下」と「体の歪み(ストレートネック)」3つの要因が「脳過敏」を引き起こす原因ともなってきます。
 これら、「ミトコンドリアの機能」と「脳内セロトニンの量」と「体の歪み(ストレートネック)」の3つは、生活習慣の問題点によって影響を受けています。
 このように様々な要因が加わることによって、「脳過敏」が増強されることから、片頭痛が発症してくることになります。

 このようにさまざまな生活習慣の問題によって片頭痛が発症してきていることから、片頭痛は”多因子遺伝”と考えるべきものです。片頭痛の大半は”多因子遺伝”と考えれば、先程述べたような生活習慣の問題が”環境因子”として関与すると考えられることになります。


緊張型頭痛と片頭痛の関係は・・片頭痛の”緊張型頭痛”はsmall migraine


     片頭痛

   big(true)migraine
  連続体
緊張型頭痛  
         緊張型頭痛
small migraine       (脳内セロトニンの関与)

  そして、緊張型頭痛は、上のように分けて考えるべきです。
 脳内セロトニンは、”痛みの調節”を行い、緊張型頭痛に関与します。
 緊張型頭痛と片頭痛の差異は、片頭痛素因(「ミトコンドリアの働きの悪さ」)の有無で決まります。


 片頭痛が緊張型頭痛と連続したものであり、緊張型頭痛→片頭痛→慢性片頭痛(トリプタン乱用による薬剤乱用頭痛)へと移行してくるものと考えれば、緊張型頭痛は、専門医に言わせると取るに足らない頭痛ということから東洋医学でいう”健康”の段階に位置するものであり、片頭痛は東洋医学でいう”未病”に相当し、”慢性片頭痛(トリプタン乱用による薬剤乱用頭痛)”に至って、初めて”病気”としての頭痛となるということです。


 東洋医学でいう「未病」を病気に進みつつある状態と捉えますと、はやい段階で「未病」のサインを認識し、しかるべき手を打てばその進行を抑え、本格的な病気に移行することを防ぐことができます。
 中国最古の医学書「黄帝内経」の中において「未病を治す」という表現がありますが、未病は病気ではないのに、「治す」というのはどういうことなのでしょうか。
 これは、健康であろうと病気であろうと、常に自らの生活習慣に気を配り、より本来の姿に近い心身の状況にもっていこうとする、生き方の姿勢を表している表現なのです。
 このように片頭痛は”未病”の段階にあり、これに先程のさまざまな生活習慣の問題点が加わり、いろいろな段階の片頭痛に変わってくることになります。(このため、「国際頭痛分類 第3版β版」で、片頭痛は細かく分類されていることになります。)

 こうした推論を基にして、これまで自分で片頭痛を改善・克服された方々の考え方をひとつずつ検証し、個々の方々がどうして改善されたかを検討することが大切になってきます。とくに注目させて頂いたのは、小橋雄太さん、SHOGOさん、kaolune さん、マックス・ゲルソン博士、山崎有為さん等々枚挙に暇のないほどでした。
 自分で片頭痛を克服された体験談には最も教えられることが多いはずです。このような体験談で示されることは、片頭痛の大半は”多因子遺伝”であるということを証明するものです。この点が最も大切なことであり、ここにすべての鍵が隠されていると考えなくてはなりません。このように工夫次第では改善されてしまうということであり、決して、遺伝的疾患でも不治の病ではないことを明確に示しています。


 慢性頭痛という「脳のなかに異常のない頭痛」の場合、とくに片頭痛のような機能性頭痛という多面的・流動的な頭痛を考える場合、これまでの先達の研究業績を総括し、これらを統合するといった”思索”が最も必要とされると考えております。
 とにかく、考えて、考え抜くといった作業が最も必要とされており、思索することなく、闇雲に実験を重ねようとも無駄であり、エビデンスは二の次とすべきであり、これらの思索に基づいた”推論”をもとにエビデンスは確立すべきです。

 これまでの先達の研究業績としては、下村登規夫先生の片頭痛とミトコンドリア、セロトニンの関連性、竹島多賀夫先生の機能性頭痛一元論、古和久典先生の片頭痛の大半は”多因子遺伝”、松井孝嘉先生の頸性神経筋症候群の概念、さらに分子化学療法研究所の後藤日出夫先生の”片頭痛の大半は、「ミトコンドリア活性の低さ」を遺伝素因として、これに”環境因子”として、食生活が原因で「さらに、ミトコンドリア機能の低下」を来して「酸化ストレス・炎症体質」を形成することにより引き起こされる疾患であり、生活習慣病の一種である”という論説が存在します。。
 後、なすべきことは、これらを組み合わせて考えに考え抜くことです。これを基にして、さらに実際の患者さんの現実を直視することです。これがすべてであるはずです。
 実際の患者さんを厳粛に見つめ直す必要があります。

 このように、「慢性頭痛は全体(トータルで)」から考えるべきで、片頭痛は慢性頭痛のなかで、どのような位置にあるのかといった”俯瞰した観点から”考えなくてはなりません。
 慢性頭痛研究は、緊張型頭痛・片頭痛・群発頭痛・その他の一次性頭痛といったように個別に分けて考えるのではなく、あくまでも慢性頭痛全体から俯瞰した観点から研究を進めるべきです。
 現在のように片頭痛、緊張型頭痛というように個別に研究するような考え方では、いつまでも慢性頭痛の本態解明には至らないということです。


 このように考えれば、「慢性頭痛の病態」とは以下のようになります。


  まず、片頭痛と緊張型頭痛は連続した一連のものです。
 さらに、慢性頭痛の基本的病態には「体の歪み(ストレートネック)」が存在します。
 片頭痛は”ミトコンドリアの機能障害による頭痛”です。
 そして、片頭痛の大半は、”多因子遺伝”です。
 その”環境因子”として、以下の6項目があります。

   1.ホメオスターシス・・ストレスの関与
   2.免疫(腸内環境)の関与
   3.生理活性物質との関与・・脂肪摂取の問題
   4.体の歪み(ストレートネック)の関与
   5.セロトニン神経系の関与・・脳内セロトニン
   6.ミトコンドリアの関与

しかし、専門家は


 しかし、専門家は、慢性頭痛とは一体どのような頭痛なのか、といった”根源的な考え方”というか、慢性頭痛全体からみた考え方がありません。脳のなかに異常のない頭痛をどのように考え・捉えるかといった”俯瞰的な”思想が欠如しています。
 ただ、単に「国際頭痛分類 第3版β版」をもとに細かく分類しているだけです。この分類に従って、現実の患者さんを直視することなく、単純に患者さんの頭痛を分類しているだけであり、場合によっては、ひとりの患者さんが、この分類で判断すれば4つも5つも頭痛をもつことになります。このような移行型は当然のこととしてあり得ることでしかありません。決して連続したものとは考えることはないわけです。
 ここに分類された「一次性頭痛」を全く別個のものとして考え、これらが相互にどのような関係があるのかを考えることはまったくありません。この点が最も問題になるところです。
 「国際頭痛分類 第3版β版」では、とくに片頭痛を明確に”定義”し、片頭痛の基準に合致しない「一次性頭痛」を緊張型頭痛とし、いわば緊張型頭痛はゴミ箱的な性格の頭痛とされ、殆ど無視されます。そして、最近では、片頭痛が「脳のなかに異常のない頭痛」とされていたのが、「中枢性疾患」(脳のなかに異常のある頭痛)とされることになりました。ということは、片頭痛と緊張型頭痛はまったく別個の頭痛とされています。
 こういったことから、緊張型頭痛と片頭痛が一連の連続したものとは考えません。
 また、”多因子遺伝”とも考えません。さらに、片頭痛がミトコンドリアの機能障害による頭痛であるとは、一切考えることはありません。
 そして、片頭痛の病態はトリプタン製剤の作用機序の面からすべて説明されます。
 その結果、「脳過敏」「片頭痛の慢性化」の説明ができなくなったことから、最近では、片頭痛が「脳のなかに異常のない頭痛」とされていたのが、「中枢性疾患」(脳のなかに異常のある頭痛)とされることになりました。このように単純なことです。


 専門家は何かというと、エビデンス、エビデンスと申されます。しかし、このような”頭痛とは何か”といった根源的な考え方にはエビデンスも何もないはずです。
 ここには、これまで頭痛患者さんと永年相対峙してきた経験から培われた”脳の中に異常のない頭痛”に対する洞察力が示されているはずです。謂わば、頭痛に関する”禅問答”のようなものです。結局、慢性頭痛をどのように考えるかのセンス・経験が必要となります。
 このように永年慢性頭痛と真剣に相対峙し、これによって培われた経験が問われています。これ抜きには慢性頭痛を(さらに、片頭痛を)論ずることはできないはずです。

 現在の専門家のように、”片頭痛発作時のPET、MRI(BOLD法)といった脳の新しい方法で、片頭痛発作中にかなり激しい脳の変化が確認されたこと”を、鬼の首でも取ったように”針小棒大”に考えるといった単純なものではないはずです。まさに子供の考え方でしかありません。慢性頭痛のなかで片頭痛がどのような位置を占め、どういったものなのかを俯瞰できなければ、砂上の楼閣を築くに等しいものです。こういった考え方が片頭痛研究を迷走させてきた根源と考えなくてはなりません。


 以上のことを基にして、片頭痛の大半は”多因子遺伝”であるという観点から、ミトコンドリアの活性低下という”遺伝因子”に、環境因子としては、先程の6つの要因を掲げました。このように生活習慣病と考えるべきものであり、こうしたことから”環境因子”さえ取り除くことができれば、コントロール可能となります。

 ということは、片頭痛が発症した初期の段階で極力早期に”環境因子”の関与の少ない段階で対処すべきであり、さらに言えば、片頭痛に至る前の段階で、「生活のリズム」を乱す要因、すなわち「ホメオスターシス三角」を構成する3つの要因から生活様式の点検を行い、さらに「前屈みの姿勢」を強いる生活環境に置かれていないかどうかを点検し、問題点を抽出し、これを是正することによって、軽い頭痛の段階で芽をつみ取るべきです。
 このように先手、先手と攻めて行くようなアクテイブに対処すべきで、あくまでも慢性頭痛そのものを予防する観点から対処すべきです。

 現在のように、片頭痛発作が起きれば”トリプタン製剤”を服用しましょう、というのでは、市販の鎮痛薬で対処するのと、ほとんど変わらないことになります。ただ、鎮痛効果が抜群であるだけのことでしかありません。その根底に存在する病態はさらに進行しており、いずれ慢性片頭痛へと移行していく運命にあると考えなくてはなりません。

 このように頭痛を根源的に捉え、慢性頭痛の臨床頭痛学は構築されなくてはなりません。
 「臨床頭痛学」とは、「健康生活、美容の追求、長寿を願う」学問そのものと言えます。
 ということは、人間本来の”正しい生活のあり方”を追求することが究極の目的です。
 「医学」そのものも、本来は人間本来の”正しい生活のあり方”を追求することが究極の目的のはずです。
 「臨床頭痛学」とは、「頭痛」をさらに細かく分類していくことだけが本来の目的ではなく、”慢性頭痛患者さんを頭痛から解放すること”を目指さなくてはなりません。

 専門家の方々は、片頭痛治療の世界にトリプタン製剤を導入したことによって、「片頭痛の治療体系」は確立したとされ、今後は「中枢神経の興奮性(脳過敏)の抑制に変化し,片頭痛の予防薬の開発目標は、皮質拡延性抑制をいかに抑える薬を見つけるかが鍵になっていると申されるところを考える限りは、もう頼りにはできないと考えるべきです。


 このため、今後は、片頭痛が”多因子遺伝”という観点から生活習慣病として、あくまでもアクテイブに対処すべきと考え、「第二の患者会」を結成すべきと思っております。