片頭痛治療上、α-リノレン酸が、よいのはどうしてでしょうか | 頭痛 あれこれ

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 「慢性頭痛」は私達の日常生活を送る際の問題点に対する”危険信号”です。
 このなかで「片頭痛」は、どのようにして引き起こされるのでしょうか。
 慢性頭痛改善は、「姿勢」と「食生活」の改善がすべてであり、「健康と美容」のための第一歩です。

 α-リノレン酸を多く含む食品にはシソ油(エゴマ油)や亜麻仁油があります。
 α-リノレン酸は今日の食生活では不足しがちなオメガ3系の脂肪酸です。
 オメガ3系多価不飽和脂肪酸 αリノレン酸とは脂質の主な構成成分である脂肪酸のひとつで、人間の体内では合成することのできない必須脂肪酸です。亜麻やエゴマなどの野菜に多く含まれている体に良い油で、体内ではDHAやEPAに変換され、血流改善や動脈硬化の予防に効果的な成分です。 
 EPAやDHAは青魚などに多く含まれるオメガ-3系脂肪酸として有名ですが、常時青魚を食べることが少ないことや、大きな魚には環境汚染物質も含まれていることから安心して摂取できるのがオメガ-3系脂肪酸としてシソ油(エゴマ油)です。
また、ニンジンに含まれるβ―カロチンなど油溶性微量栄養素の吸収を助ける働きもあります。


α(アルファ)リノレン酸とは?


  αリノレン酸とは健康に良い油の成分のひとつで、体内のリン脂質にも含まれる成分です。
脂肪酸は、炭素、水素、酸素から成っており、構造の中に炭素の結合を2つ以上持つ多価不飽和脂肪酸にあたります。多価不飽和脂肪酸は、人間の体ではつくることができないため、食品から摂取する必要がある必須脂肪酸に指定されています。
  αリノレン酸は、多価不飽和脂肪酸の中でもn-3系脂肪酸(オメガ3)と呼ばれるものに分類されます。これは、青魚に多く含まれるDHA(ドコサヘキサエン酸)やEPA(エイコサペンタエン酸)と同じ分類に入ります。
  n-3系(オメガ3)とは、脂肪酸構造の中に炭素の最初の二重結合が、3つ目と4つ目の炭素の間にあることからそのように呼ばれています。
  リノレン酸には、「α(アルファ)」「γ(ガンマ)」「β(ベータ)」などの種類があり、これらは発見された順番を表しています。つまり、1887年に発見されたαリノレン酸はリノレン酸の中で1番目に発見されたということを意味しています。
  αリノレン酸は人間の体内では合成することができない上、不足すると脳や神経、皮膚などに影響が現れます。そのため、食品から摂取することが必須とされています。
  亜麻やエゴマ などに多く含まれており、最近では自宅で使用する植物油の中にもαリノレン酸が多く含まれているものは体に良いとされています。

  αリノレン酸の特徴として、非常に酸化しやすいということが挙げられます。酸化した脂肪酸を摂ることは体にとってあまり良いこととはいえません。酸化した油は、動脈硬化の原因になったり、体が酸化して老化スピードを速めたりするからです。そのため、αリノレン酸が入っている家庭用植物油などを使用する場合は、早めに使い切ることが大切です。 また、熱にも弱い性質があるため、炒め物などよりもドレッシングやマリネに使用する方が良いとされています。

  αリノレン酸は広葉植物の葉の葉緑体という光合成の光化学反応が起こる場所の膜組織からも得られます。また、ほうれん草やチンゲン菜の膜組織からも得ることができます。そのため、緑の葉は草食動物のαリノレン酸の供給源でもあるのです。
  αリノレン酸は1日あたり、2gの摂取が望ましいと考えられています。人間がほうれん草からαリノレン酸を1日2g摂取しようと思うと、約1.4kgものほうれん草を食べなければいけません。そのため、人間はαリノレン酸が多く含まれているエゴマや亜麻などから採取した油を多く摂る必要があるのです。

<n-3系脂肪酸(オメガ3)が注目されている理由>


  1980年代の初期頃から、研究者たちはn-3系脂肪酸に注目するようになりました。きっかけは、脂肪分の多い魚をたくさん食べているエスキモーの心臓病発生率が低いという研究報告が発表されたからです。脂肪は摂りすぎると、肥満や心臓病などのリスクをあげてしまいます。では、なぜエスキモーの心臓病発生率は低かったのか。これは、摂取していた多くの魚に含まれる脂肪が、n-3系脂肪酸だったからだということが研究の結果明らかになりました。

<必須脂肪酸はバランスが大事>


 必須脂肪酸と一口にいっても、これにはαリノレン酸とリノール酸の2種類があります。 これらはホルモンと似た働きをしますが、作用としては正反対なのです。例えば、αリノレン酸は血液を流れやすくして、細胞組織を正常に保ってくれる役割があるのに対し、リノール酸は血液を固めるのに役立ちます。
 グリーンランドやアラスカの先住民が、動物性脂肪の多い食品を多く食べていたにも関わらず心疾患が少なかったのは、リノール酸とαリノレン酸のバランスが保てていたからだといわれています。
 リノール酸とαリノレン酸の理想的なバランスは4:1だといわれています。

<固まる脂と固まらない油>


 同じアブラでも、牛や豚、鶏などのアブラは常温で固まり、植物や魚から採れるアブラは固まらないことは知られています。常温で固まるアブラのことを「脂(fat)」と書き、常温で液体のアブラのことを「油(oil)」と書きます。この両方を総称して「油脂」と呼びます。
 この違いは脂質の構造の違いによって表されます。つまり、飽和脂肪酸であるか、不飽和脂肪酸であるかによって変わるのです。飽和脂肪酸は炭素の2重結合や3重結合がなく、水素で飽和されている状態の脂質のことをいいます。不飽和脂肪酸は炭素の2重結合や3重結合がある状態の脂質のことで、融点が低い状態のものをいいます。
  一般的に飽和脂肪酸と不飽和脂肪酸はバランス良く摂ることが大切といわれており、その比率は2:1が望ましいとされています。


α(アルファ)リノレン酸の効果

 αリノレン酸は必須脂肪酸であり、体にとって必要不可欠の脂質です。n-3系の脂肪酸が持つ重要な働きは、細胞膜の構成成分になるということです。
 αリノレン酸にはその他の働きとして、血栓がつくられるのを防いだり、血圧を下げたり、アレルギーを抑制したりと様々な働きを持ちます。


●血流改善、血栓予防効果


 αリノレン酸は体内に入るとDHAやEPAに変換されます。
 DHAやEPAは血液をサラサラにすることで動脈硬化や心筋梗塞を防いだり、脳の働きを高めるなどの効果があります。また、体内でDHAに変換されることから、脳細胞を活性化する働きもあります。特に脳内の細胞膜にはDHAやEPAが必要となるため、αリノレン酸が不足すると脳や神経に異常が現れることが知られています。
 ところが、このαリノレン酸はサラダ油などの精製植物油やマーガリンに含まれるトランス脂肪酸を同時に摂取していますと、このEPAへの転換が阻害されてしまいます。要は、単なる油を余分に取っているだけのことになるわけです。
 αリノレン酸の効果を期待したいのであれば、まず精製植物油の摂取を控え、トランス脂肪酸を摂取しない事が大切であるとされています。


●アレルギーを抑制する効果


 アレルギーの原因のひとつとして、リノール酸の過剰摂取があります。
 リノール酸とは、n‐6系の必須脂肪酸のひとつで、血中コレステロール値や中性脂肪値を一時的に低下させる働きがあります。その一方で、摂りすぎるとアレルギーを悪化させたり、大腸ガンの危険性を高めたりと体にとって良くない影響をもたらしてしまうのです。
 αリノレン酸は、リノール酸に対して競合的に働き、アレルギーを抑制する働きを持っています。

●老化を予防する効果


 人間の体は約60兆個の細胞からできています。その細胞ひとつひとつに、「細胞膜」と呼ばれる細胞の内外を隔てる膜が存在します。この細胞膜があることによって、細胞は内部環境を一定に保つことができるのです。また、バリア機能もあるため、特定の物質の進入を阻止する役割も担っています。
 このように、人間にとって非常に大切な細胞を守る役割をしているのが細胞膜です。この細胞膜を構成しているαリノレン酸などのn-3系成分が不足することで、細胞膜がしっかりと構成されず、老化の促進にもつながってしまいます。


 こうしたことから、分子化学療法研究所の後藤日出夫先生の考案される「万能健康ジュース」には、α-リノレン酸としてシソ油(エゴマ油)や亜麻仁油を加えることによって、「酸化ストレス・炎症体質」の改善を目的に用いられています。
 特に花粉症やアレルギー性鼻炎などは、他の精製植物油の摂取を控え、朝食に「万能健康ジュース」を実践するだけで、直ぐに症状は改善され始めます。
 花粉症やアレルギー性鼻炎がほぼ完治するまでには通常数ヶ月~半年は必要です(皮下脂肪が多い人はもっと長い期間が必要となります)。
 また、高血圧や高脂血症、高コレステロール血症には比較的早く効果が現れます。


 片頭痛はミトコンドリアの機能障害による頭痛です。
  必須脂肪酸のオメガ3およびオメガ6の摂取比率は生理活性物質のアンバランスを来すことになり、また細胞膜を構成するものであることから、細胞機能に影響を及ぼすことによりミトコンドリアの機能にも影響が及ぶことになります。