「片頭痛発症要因」としての免疫学的側面 | 頭痛 あれこれ

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 「慢性頭痛」は私達の日常生活を送る際の問題点に対する”危険信号”です。
 このなかで「片頭痛」は、どのようにして引き起こされるのでしょうか。
 慢性頭痛改善は、「姿勢」と「食生活」の改善がすべてであり、「健康と美容」のための第一歩です。

 最近、後藤日出夫先生はブログの「Ph・ドクターG の健康塾」で以下のような記事を
掲載されておられます。 http://ameblo.jp/ahs-aps/entry-11819705076.html


 「片頭痛の体質改善のお手伝いをしていますと、毎日、なおかつ一日に数度も服薬されていた方も1 年もすれば、ほとんど服薬無しですごせるまでに回復されます。
 しかし、大きなストレスが重なると数日後にはどうしても服薬が必要になる方も居られます。そして、蓄膿症のような症状がでたり、目や耳の異常を訴える方が居られます。
よくその方の状態を観察していますと、「ストレス⇒ 副腎皮質ホルモンの過剰分泌⇒ 免疫力の低下⇒ ウイルスの活性化⇒ 神経過敏惹起」が考えられます。
 そこで、その方にウイルス抑制のための処置を主治医にお願いする旨お伝えし、主治医よりバラシクロビル錠500mgの投薬を受けたところ、それ以降蓄膿症的な症状も出なくなり、片頭痛の薬を全く必要ないまでに回復され、長い間服薬無しで過ごされています」 帯状疱疹に至るまではなくとも、免疫力の低下に伴い「水痘」ウイルスが神経過敏を惹起している可能性を指摘されます。


片頭痛と帯状疱疹ウイルス(ヘルペスウイルス)


 同様のことは、これまで清水俊彦先生が、片頭痛の原因のひとつが帯状疱疹ウイルスである可能性が高いと指摘されます。つまり、ストレスなどで免疫力が低下すると、眠っている帯状疱疹ウイルスが目を覚まし、三叉神経を刺激します。すると興奮した三叉神経から炎症物質が分泌され、頭の血管が炎症を起こし片頭痛になる、ということです。
 帯状疱疹ウイルスというのは、私たち日本人の大変身近なウイルスです。帯状疱疹ウイルスはヘルペスウイルスという種類に属し、いわゆる水疱瘡のウイルスです。
 帯状疱疹ウイルスにはじめて感染すると、体内で増殖が進み、全身に水疱ができます。
 日本人の9 割以上が、ほとんど10 歳までに水疱瘡にかかります。このように水疱瘡は、免疫の働きによって、やがて治ります。
水疱瘡は一度かかれば二度とかからないと言われています。実は体内に帯状疱疹ウイルスは潜伏しています。帯状疱疹ウイルスは神経と親和性が高いので、神経の根元にある神経細胞の集まった「神経節」に、潜伏しています。
 帯状疱疹ウイルスは通常、何の問題も起こしません。しかし過労やストレス、病気などで、免疫力が低下すると、帯状疱疹ウイルスが目覚めます。一部の神経節で、休眠状態だった帯状疱疹ウイルスが再び活動を始め増殖していきます。


① 増殖した帯状疱疹ウイルスは、神経節から出て、三叉神経を興奮させます。
② すると三叉神経から炎症物質(痛み物質)が、脳の血管の周囲に放出されます。
③ 脳の血管壁が炎症性の浮腫(むくみ)をおこし、血管の拡張が引き起こります。
④ 拡張する血管は三叉神経を圧迫します。


① 三叉神経はますます刺激を受けます。脳の血管が痛み、片頭痛が起きます。

「前額部アロディニア(異痛症)を伴う片頭痛は、帯状疱疹ウイルスが関係して引き起こされる可能性が高い」言われます。アロディニア(異痛症)とは、片頭痛発作のごく初期に生じることがある「皮膚の違和感」のことです。アロディニアには、最初に現れる「前額部アロディニア」と、そのあとに続いて起こる「上肢アロディニア」の2 種類があります。前額部アロディニアの具体例は以下になります。


・頭が痛くなる側の目の奥や周囲、頭皮に違和感を覚える。
・目の奥が痛い。
・メガネのふちが当たるのが気になる。
・髪を櫛でとかすのがうっとうしい。
・洗顔や洗髪をしたくない。
・コンタクトレンズがゴロゴロする。
・冷却シートを額に貼るのがいやだ。


「三叉神経節に潜んでいた帯状疱疹ウイルスが再活性化し、三叉神経を興奮させることで、前額部アロディニアが発症する。」とされています。
そもそも片頭痛の発症には三叉神経が密接に関係しています。その三叉神経に、帯状疱疹ウイルスが攻め立てるように興奮性を与えてくると、前額部アロディニアだけでなく、片頭痛自体にも悪影響をおよぼすと考えられます。一般にアロディニアを伴う片頭痛患者は、発作の回数が多く、症状も重い、と言われます。これはやはり、帯状疱疹ウイルスの悪影響が大きいと思われます。


 ※ 別の頭痛研究者は、このアロデイニアの発生には「脳内セロトニン」の低下によるとされます。この原因として、ストレスが長期間持続することによって、「脳内セロトニン」の低下するためとされ、ここに見解の相違があるようです。


 塩酸バラシクロビル(商品名:バルトレックス)は通常、帯状疱疹ウイルスが引き起こす帯状疱疹の治療に使われます。帯状疱疹ウイルスの増殖を抑え、病気の進行を止め、回復を早める働きを持っています。
 ですから片頭痛でかつ帯状疱疹ウイルスの抗体価が高い場合、塩酸バラシクロビルを使用することで、片頭痛の症状の軽減をはかることが期待できます。
片頭痛と群発頭痛の場合、帯状疱疹ウイルスが発生回数や症状を悪化させる因子として働いている患者さんの割合は、全体の5 %程度だと予想されるとされます。
CT やMRI など必要な検査を行い、適切な除外診断をしたうえで、明らかに帯状疱疹ウイルスが原因だろうと診断した患者さんに限り、抗ウイルス薬を処方します。
片頭痛でかつ帯状疱疹ウイルスの抗体価が高い場合、アロディニアを伴うなど片頭痛の症状が重いケースが多く、鎮痛薬などの薬剤に頼りがちになります。そのため、薬物乱用頭痛に陥る危険性が高くなります。
 また抗ウイルス薬で帯状疱疹ウイルスを完全に駆逐するわけではありません。ウイルスの増殖を抑え、休眠状態にするだけです。なぜなら帯状疱疹ウイルスはある意味、人間にとって必要なウイルスともいえるからです。
 帯状疱疹ウイルスは、ストレスや疲労により免疫力が下がっている状態で暴れまわる(活性化する)ことが多い。逆に言うと、帯状疱疹ウイルスの活性化は、免疫力が低下しているサイン・警告とも考えられます。


片頭痛とニキビの関係


ニキビが出てきた後には、かなり高確率で片頭痛が発症するということを指摘される方もおられます。
 時々突発的に顔や胸などに膿が中に入った赤く大きく腫れて真ん中がプツっと黄色いニキビがたくさんできるのです。それが出来始めると、その数日後に片頭痛が発症することが多いというのです。
 ストレスや疲れによる精神的な影響が原因になっている事の方が多く、つまり、ニキビができている時というのは、ストレス、睡眠不足、偏った食事などによって、精神的に悪い影響を与えており、それにより免疫力が低下してホルモンのバランスが崩れている時のようです。このように述懐されます。
 この免疫力の低下とホルモンバランスの崩れというのが、片頭痛の原因となって、ニキビの突発的な発生の後に片頭痛が引き起こされるのではないかと考えておられるようです。この理由は以下のように考えられているようです。


ストレスで常在菌も大きくダメージ!


 ストレスと常在菌の関係は、ストレス反応の体の変化により常在菌の環境も大きく変わります。その常在菌は腸内細菌がよく知られていますが、皮膚常在菌はあまり認識されていないように思えますが、その数は皮膚全体でおよそ一兆個で、人によって異なりますが、身体のバリア機能の大きな存在です。
 ストレスが脳内視床下部を刺激して、自律神経の中枢から下垂体を経て、影響が神経系、内分泌系、免疫系という3つの機能を通じ、情報伝達物質をによって身体内部や皮膚へと伝えられますが、これらのバランスが崩れ血圧上昇や心拍数血糖の上昇が起こります。
 その結果、皮膚もホルモン分泌が乱されることで、男性ホルモンの増加により、皮脂腺が刺激され皮脂量が増えることから毛穴を詰らせ、アクネ菌が炎症をひき起こし、ニキビや吹き出物の原因となります。
 そのほか腸の蠕動運動に異常が起き、便秘や下痢そして胃酸や胃液の分泌も低下します。
普段なら胃液で殺されるはずの病原菌が腸まで侵入することになります。
身体がストレスによって大きく変化することで、常在菌にも多くの影響を与えます。
腸内常在菌も皮膚常在菌もバランスを崩すことによって有害菌が優勢になってトラブルを引き起こすことになります。常在菌がバランスよく繁殖しているとストレスの影響も少なくてすむようです。
ストレス反応が身体に出た場合、眠れなかったり肌荒れや、胃腸の調子がみだれるなど、対処療法での一次しのぎでは症状を根本から治すことは出来ないため、生活の中から不規則な偏食や暴飲暴食、冷暖房の室内での薄着、夜更かしなどの原因を改善することをおすすめします。


●腸内細菌をはじめ皮膚にも


常在菌の存在なくしては、人間はうまく生きていけない仕組みになっています。もしも、無菌状態で
この世で通常生きていく限り人間は、菌と共存共栄して生きていくしかないのです。
無菌の食べ物を食べるならば、常在菌がいなくても生きていけるのですが、有害菌だからといって排除しようとしてもそうはいきません。抗生物質を大量に投与しても腸内常在菌が少なくなり、消化を助けられるずに腸の蠕動運動にも支障をきたし、腸の調子が悪くなることは多くの方が経験済みだと思います。
常在菌を無視しては人の身体はうまく機能せず生きていけません。しかし、発がん性のある腐敗物質をだす有害な常在菌や病原性をもつ常在菌もいますがどうすればようのでしょうか。
有益菌に増えてもらえばよいのです。人間に有益な菌に元気になってもらえば人間にとってもバランスが取れるのです。常在菌存在なくしては、人間はうまく生きていけない仕組みになっています
 健康な皮膚には、皮膚ブドウ球菌が育っていて、黄色ぶどう球菌がいても増殖するす隙間がありません。皮膚に不都合なことは起きません。洗いすぎなどで、表皮ブドウ球菌が少なくなると、弱酸性が保たれなくなり急激に黄色ブドウ球菌の天下になります。そうなるとかゆみが起こったり様々なトラブルが始まります。
 実際は、睡眠不足に加え食事も偏り、緊張や興奮が収まらない状態だったりすることで、肌の機能は一気に低下し全体がかすみ、皮膚の薄い目の下にクマが見え、おでこにニキビができ頬はたるんでカサカサしてきます。この状態は皮常在菌のバランスは崩れ、味方である表皮ブドウ球菌はどんどん少なくなってしまい、無害だったアクネ菌や黄色ぶどう球菌が皮膚に悪影響を及ぼします。
 荒れた肌を修復しようと外から潤い成分のヒアルロン酸などつけると皮膚の上で潤いが出るし保湿効果はありますが、角質の基底核層や真皮の細胞まで回復させることは難しいようです。
 バランスのよい食事と温かい飲み物、十分な睡眠をとった後、軽く動いて血行をよくすることです。有害菌によって腐敗物が生じても、有益菌がキチンと処置して血液中に毒素が送られないようにしたいものです。
普段から腸内、皮膚の常在菌のバランスえお整えておくこと、バリア機能が高まり免疫系も強くなり多少のストレスでは負けない胃腸と皮膚になっていきます。



さらに、詳しくは、以下をご覧下さい


    http://taku1902.jp/sub020.pdf