最終回 故郷へ 薩摩の役人から逃げた後。肝付庄五郎に化け、冤罪を晴らさんがための調査をした。 甑島および和泉屋にいた賊は奉行所によって捕まり、テフラム達は新納主水の海商船手組により捕まった。 船手組は千両箱を運び、長崎についたところで、運び手を捕まえ、彼らに変装し、残りの船手組と共に侵入したのであった。 その甲斐もあり、晴れて彼女は無罪となって、海女屋もお咎めなしとなった。 彼女は故郷へと帰っていった。(完)
肝付庄五郎=❓ 取り囲まれ、取り押さえられた一味。 捕り手の中から、浪人の肝付庄五郎が出てきた。 編笠を外し、顎髭を外した。 テフラム達は驚いた。 彼の正体は海賊魔女であった。 「お前達の仲間はすでに縛につき、牢の中だ。 もはや、私が言うことはない。」 彼女は去った。 彼らはあっさりと捕まり、彼女の夫の仇もあっさりと済んだ。 まさに彼女らしい方法であった。
長崎 テフラムのかくれか 何時もかかり、長崎の裏さみしき倉庫街にひっそりと泊まった。 そこから千両箱を下ろした。 それから、しばらくのちにあの海賊のテフラムのいる隠れ家に運び込まれた。 テフラム達が迎えようとした時。 運び手がいきなり短筒を突き出したのである。 驚く一味。 顔を良く見ると、彼らの部下とは違う顔をしていたのだ。 それと同時に、後ろから捕り手が何人も入りこみ彼らを囲んだ。
黒づくめの男達の行くところは・・・ 彼らは素早く、出水屋の金蔵やらなんやらから千両箱をかき集めて、大八車に乗せた。 それから、彼らは夜道を進み、川辺につき。 予め、待たせてあった小舟に千両 箱を乗せた。 大八車を引いた男達は音もなく去った。 彼らは川を下り、海へと出る。 やがて、砂糖の密売をした甑島へとたどり着いた。
怪奇 靄がかかったと思ったら・・・ いきなり、役人達が立っている岩場がボコボコと音を立て、隆起しはじめた。 彼らは驚きのあまり、銃口をあさっての方向に向け、発射した。 靄はさらに濃くなっていく。 岩の隆起も激しくなっていき、岩が棘のような形になり、役人に向けてきた。 だが不思議な事に役人達に刺さることはなかった。 さらに不思議なことは、海賊魔女達には靄の中にもかかわらず、視界が良好であることだった。 彼女以外は驚きの余り、口が空きっぱなしだったが、役人達を尻目に沖へと消えていった。
天体観測最終日 天体観測し始めて、半月程経ったある夜 肝付庄五郎は夜空を眺めるフリをして、下を見ていた。 そこには出水屋の裏手がはっきりと見えていた。 彼はいつも二階の戸を薄く開け、見ていた。 夜半を過ぎた頃 出水屋の裏手に三人程の黒づくめの者達が大八車を引っ張ってやってきた。 彼は急いで紙にそのことを書いて、外へ放った。 外で音もなく、紙を拾い。あるところへ静かに走り去った。 こうして、天体観測は終わりを告げた。
天体観測 投げ文した肝付庄五郎は相変わらずフラフラしていた。 ただ当てもなくフラフラしていた。 何を思ったか、夜になるとある茶屋の二階にいて、その場所をいくらかの金子を出し借りた。 呑気に天体観測を始めた。 それを何日も繰り返していた。
投げ文 海賊奉行こと新納主水は無許可の抜荷の取り締まり。 薩摩の許可を取った抜荷の警護にと忙しく立ち回っていた。 彼は久々の非番を取り、海で銛漁をした後。 一通の投げ文が届けられた。 そこには出水屋の様子が書かれてあった。 内容は町での噂で言われている事が多かったが、彼はある一文に注目した。 「私が主人と話している時に何かの物音がしたような。明らかに私と主人以外の気配を感じた。」 それは町で噂にも上がっていないものであり、明らかにただならぬ様子だと分かるような文面であった。
疑惑の出水屋 肝付庄五郎は薩摩では1、2争う、両替商・出水屋へ行った。 彼がそこに行ったのは、ただ用事があった。それは表向きであって。本当は出水屋の評判を聞いたからだ。 最近は何かに怯え、活気もなく、今まででなかった事である。 彼は用事を済ませ、そそくさと出て行った。 その足で、ある料理茶屋に行き。そこの奥まった奥座敷へ行き、そこで書き物をした。