今日というよりもう昨日ですが、ものすごく嬉しいことがありました。
1年ほど前に来院された患者さんの話。
この方は30台女性で再生不良性貧血という命に関わる病気を克服したんですが、その代償に大腿骨頭壊死という股関節の病気になりました。
紹介で僕のところへ大阪から来られました。
まず歩くところを見せて下さいと言ったら、その瞬間に大粒の涙を流し、もう歩き方が分からないんですと訴えました。
確かにヒョコヒョコという明らかにおかしな歩き方をしてました。
若い女性なのでものすごく気にしていたようです。
歩くことが怖い。何故なら歩くと股関節がさらに潰れる。そういう風に医療スタッフに言われてたようで、その事をとても敏感に捉えていたようです。
僕は「歩いたらいいですよ」言いました。返事は分かっています「でも歩くと股関節が…」
ぼくは「若いのに筋肉が痩せていきますよ。骨が傷むことも怖いかも知れないけれど、筋肉がやせ細っていくのは怖くないですか?」と問いかけました。
このジレンマに悩みが大きかったのです。
さらに僕は「もし股関節が痛み切っても、人口骨頭に手術で置き換えられるじゃないですか!」
「最終的にもう打つ手なしって状況ではないですよ」
と伝えました。
今まで歩けと言われたのは始めてだと仰いました。
そして今日約1年ぶりに来院されました。
笑顔が弾けてました。
歩けてます!自分から歩こうという気になって散歩もしてます!主治医も驚いてます!
そんな事を伝えてくれました。
もう表情が変わり別人でした。
帰り際彼女に「若いんだから!せっかく生かされた命、楽しまなきゃね」と言うと本当に得心したという表情で笑ってくれました。