筋膜性疼痛症候群研究会で役員をさせて頂いていますが
いろんな批判的な意見も耳に入ってきます。
MPS研究会では
国内外の最新の筋膜研究知見を基に
さまざまな
発痛源評価の方法や
エコーを使った発痛源が疑われる部位の
異常描出に取り組んでいます。
古典文学も、
古代には最新の文学だったように
常識的な医学も最新の医学研究の結果
古典的知識になることも十分あります。
時代とともに概念の変化を迫られることがありますが
受け入れられない先生もいるようです。
「個人的意見」も傾聴に値しますが
その内容によっては
古典的な見解を露呈してしまっていることもあるようです
2012年、国際疼痛学会(IASP)会長に選出された神経障害性疼痛の世界的権威
Prof Er.Med
Rolf-Detlef Treede
先生も筋膜と長期増強について次のように述べておられます。
・痛みが拡散する機序は、筋肉より筋膜がカギであることがわかってきた
・筋膜には筋肉よりも多くの神経が存在する
・ヒトで高張食塩水を筋膜に注入すると、皮下組織や筋肉よりも強い痛みが起こる
・筋膜刺激による放散痛は皮膚に放散しもっとも長く痛みが続く
・中枢感作の増強プロセスにおいて筋肉よりも筋膜が重要で、筋膜からの入力が腰痛の原因となる可能性が示唆されている
・筋肉と筋膜に電気刺激を与えると、筋膜への刺激で長期増強が発生し、筋肉の深部では促通現象は起こらなかった(長期増強は中枢感作のサブタイプ)
外科手術後に組織は瘢痕化、癒着が生じるため
国内外の急性期医療に精通したセラピストは
手術創に対する軟部組織治療を行っています。
私の場合は
術後しばらくしてから診ることが多いので
手術創のアロディニア、痛覚過敏
手術創周辺の筋膜癒着(軽い動きの制限から外科が必要な癒着まで幅広い)
それらから来る
中枢感作や運動障害
筋出力低下、可動域制限、姿勢異常、呼吸障害、胃腸機能不全
などを対象とすることが多いです。
外科医の中で
術後の創部に対して
理学療法の処方をする先生はどのくらいいるのでしょうか?
fascia筋膜が
筋だけでなく
臓器、脊髄硬膜、靭帯、腱、脂肪帯など
さまざまな組織を構成していることは
われらが(勝手に背中を追いかけてきましたが)
竹井先生はもちろん
世界の解剖学者、筋膜研究者では共通認識だと思っています。
エコーガイド下の針治療や
エコーガイド下の生食注射
エコー評価を踏まえた徒手的筋膜治療
トリガーポイントの治療
認知行動療法
脳の可塑性に対応した神経リハビリテーション
などが古典的(伝統的)セラピーや医療から批判される前に
ではなぜ、それで痛みが改善されるのかを考えないと
前に進みません。
患者さんによって痛みのsourceの比率が違うはず。
だから患者さんによって
治療方法も何を優先するのか変わるのがオーダーメイド医療。
私はこれを信奉していると取れるような
押しつけがましい医療は
まさにリハビリテーションの父
上田先生らが昔書かれていた
家長主義、ヒエラルギーであり、
個別性を重要視して
患者さんが困っていることを診ようとする
セラピストからは非常に違和感を覚えるのであります。
脳から出力されていると思われる痛みに困っている方もいるし
より末梢の問題で困っている人もいます。
不安定な姿勢(脊柱骨盤帯)によって
さまざまな不定愁訴が出る方もいます。
産後なんかもそうですね。
古典文学も魅力的で
先日よんだ「痛みを知るために」という洋書(和訳)でも
歴史的にどのような研究や解釈、臨床がなされ、
それが時代を経てどのように現在に至るのか
すべては線でつながっています。
新しい点と点がまた
線を作っていくように
今年は国際疼痛学会が日本で開催されますね。
そこで
最新の解剖生理、運動学、認知神経科学などが
発信されていくことで
MPS研究会、筋膜治療の普及や
理学療法
医師との協業などが
進むといいなと思います。
今年の秋に
出版予定と聞いた
凄い著者がそろった腰痛の本、
あれが出版されると
さらに1歩さきゆく
医療が広まるのではないでしょうか。
患者さんをしっかり診て
何に困っているのか
論文なども参考にしながら
患者さんの価値観、生活習慣を重視しながら
医療者の最高の技量で医療を提供する
のが
エビデンスに基づく医療だと思います。
論文に振り回されていてもいけませんね。
フィジカルコンディショニングスタジオ フィジオのブログです。
フィジオは健康関連サービス提供施設として、肩こり腰痛専科(コンディショニング)と加圧トレーニング(パーソナルトレーニング)、インソール作製の大きく3つのことに取り組んでいる特徴があります。
理学療法士となり十数年、フィジオを設立して十年近く、ピラティスインストラクター、加圧トレーニングインストラクター、シダスインソール製作ハイテクニシャン、TOGUインストラクターなど多方面の資格を取得するに至りました。
自分のためのメモとして、カラダの悩みを持っている方の情報源として、また同じ理学療法士の方の何かのヒントとして、気ままに綴っていこうと思っています。

