『エピソード17』で、弟や後輩たちが行った“某廃墟のホテル”についてさらに後日談があったので、今回はそのお話をします…。



私たちのグループは、本当に『やばい』と噂に聞いたことがある場所や、仲間の中で行ったことがあり、もう二度と行きたくないという場所には決して行かないようにしていました。



なぜなら私たちのグループも、心霊スポットに行って何もなかったわけではないからです。



偶然でしょうが、怪我をしたり、お守りが切れたり、車のステレオが突然爆音(いや~あの時はビックリした!)になったり…。


ですから無茶をするのはやめて、場所を選んで旅(心霊スポットめぐり)をしていました。



そんな我々が避けていた“某廃墟のホテル”は、仲間の一人が当時の彼女らと行き、『鈴』が鳴る音が聞こえてとても不気味だったと言っていました。



また、別ルートからも、奥に進むにつれて、『鈴』の音が大きくなり音が近づいてきた…という体験談を聞いていました。



つまり、その“某廃墟のホテル”は、行けば百発百中、恐怖体験ができる場所だったのです。



これは、私の体験談ではありませんが、聞いていてあまりにも怖かったので、ご紹介します…。



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そのホテルは、遊園地が所有していたものでした。


いつから廃墟なのかわかりませんが、建物の外観はしっかりしていて古い感じはありませんでした。



私の友人Aは、飲み会の後、心霊スポットに行ってみよう!ということになり、友達数人とそのホテルに行きました。



お酒がいい感じにまわり、テンションも高く、あまり怖さを感じなかったようです。



そのせいか、どんどん奥に進んでいったそうです。



ふと気づくと辺りは真っ暗。



入り口の辺りは月明かりで明るかったものの、何も考えずに進んだせいで、道に迷ってしまいました。



「ちょっと…やばくね?」



「帰ろうか…」



「どっちに?」



「…………ねぇ」



「何?やめてよね、変なこと言うのは」



一ヵ所に固まり、全員が動けずにいました。



「鈴のキーホルダー持ってる人いる?」



一人がそう呟きました。



「アタシは持ってないけど」



「俺も…」



「でも、鈴の音してたよな?俺も聞こえてたよ」



「良かった…私だけ聞こえてたのかと思った!…でも…」



鈴を持っている人はその中にはいませんでした。



コツ…



コツ…



コツ………コツ…



「じゃあ、何で鈴の音なんか……も~怖くない?」



「早く出よう!なんか…」



「ヒールの音しない?」



コツ…



コツ………コツ…



コツ…



コツ………コツ…



「お前のじゃないの?」



「アタシ、ヒールじゃないし!ほらっ」



コツ………コツ…



コツッ……コツッ…コツッ



「本当だ…てか…」



奥の暗闇から確実に近づいてくるヒールの足音は、少しずつ速くなっているようでした。



「にっ…逃げよう!」



「走るぞ!」



全員が走り出した瞬間、暗闇のヒールの足音も



コツッコツッコツッコツッコツッコツッコツッコツッコツッコツッコツッコツッコツッコツッコツッコツッ



ものすごい勢いで近づいてきました。



コツッコツッコツッコツッコツッコツッコツッコツッコツッコツッコツッコツッコツッコツッコツッコツッ




全員が息を切らして車に飛び乗り、誰一人として振り向かずその場を後にしました。



††††††††††††



「めっちゃ怖いじゃん」



「うん…怖かったよ。あそこはヤバイね」



「それからどうなったの?」



「ベタだけど、ガソリンスタンドに寄ったらさ…ガラスに手形がついてた」



「えっ…」



「そーゆーの…本当にあるんだぁって思った…」



「冷静ッスね…」



「職場の方が『出る』から」



「あ…そっか…」



ガソリンスタンドで見た手形は二つあったそうです。



物凄くハッキリと




中を覗き込んでいたかのように、手形がつけられていたそうです…。





end


十代後半は、心霊スポットめぐりばかりしていた私ですが(周りの友達もとり憑かれたかの如く心霊スポットめぐりが好きでした)、大学に入ると忙しくなりあまり行かなくなりました。


しかし、姉たちの心霊スポットめぐりを羨ましく思っていた弟がついにデビューし、



「姉ちゃん、オススメの心霊スポット教えて~」



と、電話をしてくるようになりました。



「いや~、あまり行かない方がいいよ~…特にアンタは」


「何で!?」


「お持ち帰りしそうじゃん」


「皆と行くから大丈夫よ」


「(何が大丈夫なんだ!)そう…じゃあ有名どころの○○は?」


「わかったー○○ね!また迷ったら電話するー」


そんな会話を二・三度して時が経ち、夏も終わりかけの涼しくなった頃…


友達と家でまったり遊んでいた姉は、再び弟の電話で心霊スポットに行くことになったのでした…。




「ったく、俺ら卒業したんじゃなかった?」


「そーね…舞い戻ったね」


「アンタは弟に甘いのよ!ったく(二度目)…さっさと案内して帰るよっ」


「男らしいっすね!ネーサン」


「男だからね…」



嫌がる友達も過去に散々心霊スポットめぐりをした仲間の一人(主要メンバー)。


今回連れてこられた(と言っても運転したのは悲しいことに姉です…)心霊スポットは、もう随分前に廃墟となった山の中にある宿泊施設でした。


施設内にはセキュリティがかかっており入れませんが、外にはお宮のような場所や曰く付きのマリア像、コードが切れているのに鳴るという噂の黒電話など…楽しめる素材がいっぱいある場所でした。



「ここ、前に紹介したじゃん!行かなかったの?」


後輩たちはソワソワして気まずそうに


「怖くて行けなかった…」


と言いました。弟に呆れた視線を向けると、苦笑いを返されました…。



結局「あそこはこー行って」や「階段行くには塀を越えて」などの指示を出し、私たちは車に残ることにしました。



全部回るには一時間はかかるだろうと、私と友達はまったり雑談を始めました。




それなのに…




ガチャッ―バンッ


ガチャッ―バンッ





と、次々に息を切らして後輩たちが車に戻ってきたので驚きました。


まだ出発してから十分も経っていません。


友達は呆れ

私は怒りました。



「何?どうしたの」



「うぉいっ!車のドアが壊れるんですけどー!」



後輩たちの顔を見ると全員何かを怖がっていました。



「姉ちゃん!ここ無理!早く帰ろう」


「あ…はい」


訳が分からず車を発車させると、


後輩の一人が


「来てる…たくさん…やばい…やばい……やばい」


と呟き始めました。



「ちょっ、姉ちゃんスピード上げて」


「この私に山道せめろって?」


「○○くんの様子がおかしい!ついてきてるみたいっす」


「も~知らないよ~!」


「やばい……やばい…やばい……やばい…」




相変わらず『やばい』を繰り返す彼に、私と友達は苛々してきました。




「あのさぁ…そろそろうるせーよ」



「そんなにスピード上げてほしいなら…期待にお応えしようじゃない♪」


「てか…降ろそうよ」



変なスイッチの入った姉と冷静にキレる先輩に、後輩たちは違う恐怖に凍りついていました。



「もう…大丈夫だと思います」


さっきまで『やばい』を繰り返していた彼も大人しくなりました。



結果この後輩たちは入り口を入って数メートルのところで怖くなり、引き返してきたことがわかりました。

このことがきっかけとなり姉は心霊スポットに誘われなくなりました。



そして弟と後輩たちは、姉たちでも『やばい』ので行かなかった某廃墟のホテルに行き、完璧にお持ち帰りをしてきたのでした。



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ここからはその後日談です。(前半、全く怖くなかったですね…)


朝方、弟から電話がかかってきました。時計を見ると四時半過ぎ…。



「どしたの~?」


「姉ちゃん助けて…さっきから…何か…足の方から這い上がってくる」


「這い上がって?夢?」


「夜に心霊スポット行って帰ってきてから気持ち悪くて…電気つけてるのに暗くなるんよ…それで薄目を開けたら女がいて…布団に潜り込んだら足の方から這い上がってくるし、金縛りになるし…助けて」


「え~そりゃかなりの人を連れて帰ったね…可哀想に…お経読んだら?」


「もー無理!助けて」


「だからアンタは行かない方がいいって言ったじゃん」


「何で姉ちゃんは大丈夫なわけ?(殆んど泣き声)」


「場所選んでるから?…」



この後、一時間ほどして電話を切り、明るくなった空を見上げて「眠い…」と呟きました。



それから一週間ぐらいは、その廃墟のホテルに行った全員が金縛りや女の霊、何かが這い上がってくるという現象に悩まされたそうです。



心霊スポットに行かれる際は、お気をつけ下さい。



end


出会いと別れのこの時期に、複雑な心境で家に帰宅したときのこと…。



ザーザーと雨が降り、暗くなりかけた空…。



『今日も疲れたな~この時期忙しいな~お腹すいたな~家事しなきゃなぁ~』



と、マンションの駐車場でうだうだ、ぐずぐずしていると、久々に



『ぎゃっ!!』



と、驚きました。



車をバックで駐車しているときからチラッと視界にあったソレは、



車を止めて、改めてみると怖すぎました。



ボーっとしていた思考が、一気に覚醒されました。




『あーがっつり見た!久しぶりに見た!』




怖いのに、目が離せない…



すると、ソレは、スーッと上に上がり…



ベランダの柵にしがみつき、こちらを凝視してきました。





『…なっ…なーんだ…子どもじゃん………もー驚かさないでよ!』






私が見たソレというのは、日本人形の首から上だけがベランダの柵に乗っかっている…ように見えただけというものでした。



ふー…よかった。



この日本人形のような髪型の可愛らしいお嬢さんは、私の2つ隣に住んでいる方のお子さんです。




こんな雨の日に、



ベランダに出て何をしていたのかしら…。



ところで




最近、隣の部屋からおばさんの笑い声がする…






空き部屋なのに。





end