川みたいな目悲しいことがあった日の目は、 晴れてない雨も降ってない、午前でも午後でもない、 いつなのかどこなのかわからない川の目をしてる。 通りすぎてく人達が、川の中をすやすやと泳ぐ。 怒ってもないし、悲しそうでもない、至って普通の幸せの中にいそうに見える人達。 時々優しそうな魚を見て、安心する。静かな笑みを浮かべてるような女の人―― だんだん川に優しい日射しがかかってきて、 この川がどこにあったか、いつあるのかを思い出す。 川は終わる。