低次な行動から高次な行動に移る時、そこには何らかの抵抗がある。それを、私は第一次抵抗と呼ぶ。

 

 やはり、より低次な易きに流れる心を抑えて、これに打ち勝ってこそ、高次への壁が打ち破られるような所がある。

 

 しかし、それは始めだけであり、その抵抗の部分を通り過ぎると、かえってより一層の幸福感を享受できるようになる。

 

 そして、何よりも、それを終えた後の充実感や達成感ほど我々に大いなる喜びをもたらしてくれるものはない。

 

 ある意味では、この時になってこそ、低次な行動からより高次な行動に移ったことがよい選択であったことが、何にも増して実感されるのである。


 このような次元を超えるプロセスのことを考えてみると、まず何よりも大切なことは、第一次抵抗の時期であろう。

 

 この時期には、我々は多少幸福感を感ぜずとも、自分が信じたよりよき道を断行してゆくことが大切である。

 

 いや、この抵抗があるからこそ、自分の今までの壁を打ち破ることができるのである。この時期、この苦しい時期こそ、よりよきことのために頑張り通すのだ。

 

 

 

 

 

 

    天川貴之

(JDR総合研究所・代表)