最近、コカコーラが
Coke STUDIOライブが当たる
というキャンペーンをやっています。
その中に、
「コカコーラのオリジナルタンブラーが1万本当たる」
というプレゼントがあります。
実際に試してみると、1万本が当たるはずなのに、
全然当たる気がしませんでした
そこで、
『コカコーラの懸賞って、どのぐらいの確率で当たるのか?』
を具体的に計算してみました。
今日はそのお話です
*なお、計算には一切責任を持ちません。計算は各自で検証してください。
もし計算等が間違ってたとしても、東京スイカツリーは一切責任を持ちませんので、あらかじめご了承ください。
■プレゼントが当たる確率の計算式
プレゼントが当たる確率を計算するには、
次のような簡単な式を使う、というのは皆さんもわかると思います。
当たる本数 ÷ 出荷本数
確率をパーセントで表示すしたいなら、
当たる本数 ÷ 出荷本数 × 100 (%)
ですね。
ここで「出荷本数」というのは、
プレゼント期間中にコカコーラが出荷された本数となります。
出荷されても売れ残りが必ずあるはずです。
そのため、実際に販売された本数は、この本数より少なくなります。
■計算に必要な情報
上記の計算式で計算するとき必要な「具体的な情報」は、次の2つです。
●当選本数
●コカコーラが、プレゼント募集期間中に何本出荷されているのか?(*)
(*)「何本売れたのか」ではなく「何本出荷されたのか」が重要。
その理由は、今後の説明でわかると思います。
このうち「当選本数」はプレゼントのキャンペーンサイトに明示されてますね。
今回はオリジナルタンブラーが1万本(*)当たるのです。
(*)コカコーラサイトには「1万本」ではなく「1万名」と、人数で表示されています。
これは、「同じ人には重複当選はないよ」と言いたいのかもしれませんね。
しかし、ここでは計算の便宜上「1万本」として考えます。*
■コカコーラの出荷本数を調べる
先ほどの説明の通り、キャンペーン期間中の「コカコーラの出荷本数」を知る必要があります。
ネットで検索しましたが、
「コカコーラが年間(あるいは月間)に何本出荷されているか」
という情報は見つかりませんでした。
企業が自分自身のことを知ってもらうために株主に発表する、株主向けのIR(Investor Relations(インベスター・リレーションズ))情報はすぐ見つかります。
ところが、IR情報に掲載されているのは「いくら儲かったか」という金額ベースの情報なんですね。
本数ではないのです。
そこで、最新のWindows11に搭載されているAI「Copilot」に質問してみました。
Copilotに質問した結果:
『日本でのコカ・コーラの年間販売本数は、約480百万ケース(1ケース=24本)です。 これは、日本の清涼飲料市場において、コカ・コーラボトラーズジャパンが約9割の販売数量を占めていることを示しています。コカ・コーラは世界で135年以上、日本で60年以上親しまれているブランドであり、日本国内でも多くの人々に愛されています』
うーむ。
知りたいのは最初の1行だけなのに、AIはどうでも良い情報まで提示するんですね。
Copilotの情報がもし正しければ、日本でのコカ・コーラの年間販売本数は次のようにして計算できます。
480ケース×1000000=480000000ケース
1ケースあたり24本入りなので、
480000000ケース×24本
=11,520,000,000本
つまり、コカコーラの一年間の販売数は、
115億200万本
と考えられます。
ただし、これは年間の数字であり、キャンペーン期間の出荷数ではないので、このままの数字ではダメです。
■キャンペーン期間中の出荷本数は?
このキャンペーンは、2024年6月から9月までの約3ヶ月(一年の4分の1の期間)の本数が対象ですね。
このため、この懸賞で実際に対象となる販売本数は、単純計算すれば、上記の年間販売本数の「4分の1」が対象となると考えられます。
すると、キャンペーン期間中の3ヶ月間の販売本数は、
単純な計算で
11,520,000,000本 ÷ 4
=2,880,000,000本
=28億8千万本
となります。
もちろんこれは過去の出荷本数を元に計算しているため、実際の出荷本数とは異なります。
あくまでも参考程度の数値でしかないですね
■オリジナルタンブラーが当たる確率を計算
これで、計算に必要な次の情報がわかりました。
●当選本数 = 10000 本(1万名)
●コカコーラがプレゼント募集期間中に出荷される予想本数
= 2,880,000,000本
このため、オリジナルタンブラーが当たる確率は、
次のようになります。
当たる本数 ÷ 出荷本数
=10000 ÷ 2,880,000,000
=3.47×e-6
上記はWindows11の電卓で計算したため、
底が「e」の指数表記が使われています
「底が「e」の指数表記」と言われても、
特に文系の方はわからないかもしれません。
(このへんが Windows の電卓の不親切なところ)
「e」についてちょっとだけ説明しますが、
興味がない方は、ここから数行飛ばして結構です。
***ここは興味がある人だけ読んでね***
●底が「e」の指数表記について
そもそも「e」は「自然対数の底」だと僕は理解してるので、
電卓が「3.47×e-6」と表示するのにはすこし違和感があります。
できれば電卓でも「3.47×10-6」と表記してもらったほうがわかりやすいと思う。
つまり電卓の「3.47×e-6」は
「3.47×10-6」を表してると思います。
(-6を小さい文字で書いてるのにも意味があります。
指数の表記に従うなら、できれば上付き文字にしたい。
だけどブログでは無理そうなので放置プレイ )
***ここまで***
つまり、
10-6は、「0.000001」 のことです。
したがって、計算結果の
3.47×e-6
は、
=3.47×0.000001
=0.00000347
ということになります。
したがって、オリジナルタンブラーが当たる確率は、
0.00000347
です。
でもこれではわかりにくいですね。
わかりやすい表記に変えると、
「1億分の347」
という数字になります。
したがって、
コカコーラのオリジナルタンブラーが当たる確率は
「1億分の347」
となります。
ただ、
「1億分の347」
と言われても、ちょっとまだピンときませんよね?
そこで次に、
「オリジナルタンブラーは、何本に1本当たるのか」
という考え方に変えたいと思います。
(若干、検算的な話になりますが)
■オリジナルタンブラーは、何本に1本当たるのか
さっそく、
「タンブラーは、何本に1本当たるのか」
を計算してみます。
タンブラーが
「x本に1本当たる」
と考え、この変数xを計算で求めます。
変数xを求めるには、「比」を使います。
x:1=100000000:347
347×x=100000000
したがって、
x=100000000 ÷ 347
=約288184本に1本当たる
=28万8000本に1本当たる
という結果が得られます。
■計算結果
計算結果を見る限り、
28万8000本に1本しか当たらないのですから、
「オリジナルタンブラーは、ほぼ当たらない」
と考えざるを得ません。
もしろん当たりは0本ではないので、実際には当たる人は確実に存在するはずです。
しかし、当たりを引く人数は相当低いと言わざるを得ないのです。
なにしろ、28万8000本に1本ですから。
■宝くじの当選確率と比較してみる
ちなみに、年末ジャンボで1等が当たる確率は2,000万分の1。
コカコーラのオリジナルタンブラーが当たる確率は28万8000本に1本ですので、当選確率は年末ジャンボと比べると約70倍高いことになります。
しかしどちらもそもそも確率が相当低いのだから、「相当運が良くないと当たらない」と考えた方が身のためだと思います。
コカコーラのこのキャンペーンは、そもそもは
「CokeSTUDIOライブ」
がメインの商品となってます。
当選人数は、ライブ2日間の人数を合計して5000名ですが、
これに応募するには12ポイントが必要となっています。
そこで、このライブの当選確率も計算してみましょう。
さきほどのオリジナルタンブラーの当選確率の数字を使えば計算できます。
計算式は
オリジナルタンブラーの当選確率 ÷ 2 ÷ 12
となります。
2で割っているのは、オリジナルタンブラーが当選1万本であるのに対して、ライブは5000人だからです。
また、12で割っているのは、コーラを12本買わなければ当たらないからです。
すると、
0.00000347 ÷ 2 ÷ 12
=1.445833333333333e-7
電卓計算なのでまた「e」が出てきた
「e-7」
=「10-7」
=0.0000001
です。
したがって、
1.445833333333333e-7
=1.445833333333333 × 0.0000001
=約1.45 × 0.0000001
=約0.000000145
つまり、ライブが当たる確率は、
「1450億分の1」
となります
(注:あくまでコカコーラ1本換算で計算してますからね)
年末ジャンボで1等が当たる確率は2,000万分の1でしたよね?¥
をいをい、
いったい誰が当たるんだよ・・・
■結論
『当たると期待してバンバン買っても無駄。
すべては運である。
期待しないで、ふつうに美味しく飲みましょう。』
■考察(できればここも読んで。ちゃんと読んで頂くとおもろい内容だと思う )
(1)コカコーラはこのほかにもさまざまなキャンペーンをやっているため、その他のキャンペーンも含めれば、実際には「なにがしか」に当選する確率は上記よりはもっと高いと思われます。
(2)「でも友達は当たったぜ」という人も(当たりが1万本もあれば)必ず居るはず。
でも、それはその人が「たまたま」当たっただけです。
(当選本数は0ではないのだから、当たる人も絶対居ることは確かです。)
身近な1人がたまたま当たったからといって、それだけで当選確率が高いという証明になるわけでは決してないです。
身近な人が当たると当選確率が高いと思ってしまうのは完全な錯覚。
場合によっては、販促のため(消費者を欺くため)に、コカコーラ関係者あるいは取引先などが、X(旧 twitter)などSNSなどのネット上で「当たった」とうそぶいている人が居る(つまりサクラ)という可能性もゼロとは言えないですよね。
ネットの情報(特に個人から寄せられる情報)は信用性が低いと考えて冷静に判断しないと、ネットのあやふやな情報に振り回されだまされる可能性はゼロではないです。
●さらなる考察 ~絶望へ~
現実的には、
・販売本数には「売れ残り」が含まれる可能性がある。
・販売されても、懸賞に応募しない人も少なくないはず。
ということを考えると、当選確率はもう少し上がりそうな気もしますよね
ところが、コカコーラはあきらかに機械的な抽選です。
このため、「売れ残り」や「応募してない本数」までも抽選対象として加味して1万本の当選の抽選を行っている可能性も捨てきれないのです。
もしそうだとしたら。
逆に、実際には1万本も当たっていない可能性もあるのです
(販売されてないもの、応募してないものに対して当たりが付いてしまう可能性があるということ)
具体的に説明します。
オリジナルタンブラーはペットボトルの「蓋の裏の記号番号」で応募するルールです。
そこからどうやって抽選をするのかが問題なのです。
一般論ですが、
機械的に(ソフトウエアの計算によって)当たりを決める場合、
「応募に使われた記号番号を、計算によって「あらかじめ決められた数字」に置き換え、その番号の中から「ランダムに決めた当選番号」に合致するものを当選とする」
という手法が取られる可能性があります。
(例)
(1)ペットボトルの10ケタの記号番号が次のようだったとします。
「TokYO Sk123」
もちろんこの記号番号のままでも抽選はできます。
ただここではわかりやすくするためこれを番号(抽選番号)に置き換えて説明します。
(2)コンピュータのソフトウエアが内部的に計算をして、ペットボトルの蓋の記号番号を抽選番号に置き換えます。
なお、「コンピュータの内部に当選番号表が用意してあって、その当たり番号と照らし合わせて当選してるかどうか判断する」というような、まるで人間がやるような当選確認の方法はコンピュータではおそらく使わないです。
コンピュータの場合は、すべてを計算を使って当選番号を自動的に生成する形式だと思います。
************
(例)
Windows やソフトウエアの「シリアルナンバー」と呼ばれる記号番号は、そのまま利用されるのではなく、パソコン内部で「特定のアルゴリズム」にしたがって、数字や別の記号番号に置き換えられて管理/認証されている可能性があります。
正しいシリアル番号が入力されたかどうかは、入力された記号番号を使ってそこからアルゴリズム計算によって認証するかを判定しています。
内部でそういう認証計算用ソフトが動いているのですが、そのアルゴリズムをクラッキングして認証をだます手法さえ、実際に存在しています。)
************
*アルゴリズムとは:
「解が定まっている「計算可能」問題に対して、その解を正しく求める手続きをさす。」
(3)コンピュータは「(2)で生成した抽選番号が当選番号に一致するかどうか」を瞬時に判定します。
このような場合の当選番号は、特定のアルゴリズムにしたがって機械的に決定されることがほとんどだと思います(先ほどの認証ソフトと同じ手法)。
最近の抽選では、「今すぐ当たりがわかる」という触れ込みで、スマホでなにかの番号を入力した瞬間にすぐに当選がわかるようになってますよね。
当たりが瞬時にわかるのは、まさにこの仕組みを利用しているからです。
つまりコンピュータは、「あらかじめ決められた手順や計算方法(アルゴリズム)」を使って、当選番号を計算を使っていつでも知ることができます。
このため、抽選番号がわかれば、一瞬で当選か当選してないかを判断することができます。
しかしこの方法だと大きな問題があると、僕は思います
「あらかじめ決められた数字」は「あらかじめ各ペットボトルのフタに印刷された記号番号」と1対1で結びつけてその数字を生成します。すると、そのままでは「販売されていないボトルの蓋の記号番号」も当たりから排除ができないということになります。
同様に、「抽選に参加してない人が買ったボトル」も抽選の当たりからは排除できません。
このため、実際には販売されていないボトルや応募しなかったボトルののフタまでが抽選の対象となってしまう恐れがあるのです。
もしそういう抽選方法だった場合、当然、当たりが無効になってしまうので、実際にだれかに当たるのは1万本よりかなり少なくなると考えられるのです
実はこれは、宝くじや年賀状などの当選に関しても、同じことが可能性として考えられます。
宝くじの1等から末等までの当選番号が、販売された宝くじではなく、売れ残った宝くじの番号に一致している可能性があるのです。
皆さんはそういう可能性って、今まで考えたことはありますか?
ジャンボ宝くじの1等の当選本数は13本ぐらいですが、その13本がすべて有効な状態だったのか、それともそのうち数本は誰も買ってなくて無効になっているのかは、ジャンボ宝くじを売った企業しか知り得ないのです。
コンピュータを使って当選を決めるのは一見すると便利ではあるものの、それは当選番号を決めるときに便利なだけで、意外とブラックボックスになっているのです。
「販売されていないものは当選からきちんと排除して、販売されているものにすべての当たりを正しく配置する」ということを、「当選を決める機関や企業」が、誠意をもってそのように正しく対応しているか居ないかは、その機関や企業のみが知ることなのです。
無効な当選番号を作らないためには、コンピュータを使って「販売されていないものは、自動的に当選から排除する」ということを処理する別のプログラムやアルゴリズムなどを用意しなければなりません。
だけど、販売されてないペットボトルの蓋の記号番号を「知ること」って、実は大変じゃないですか??
マジでそれをやろうとしたら、ペットボトルにそのペットボトルを1個1個判別できる「通し番号」を振る必要がありますし、販売されてないペットボトルを一本一本調べないと結局はダメですよね??
実際、そんなこと、無理じゃないですか。
ほんとにそれを実現しようとしてもそれだけコストがかかることになるので、企業(というかソフトウエアを請け負った会社)がそこまで誠意を持ってやっているかわからないわけです(たぶんやらないでしょう)。
そんな計算や考察をしながら、
「コカコーラ美味しいね」って、堪能していた東京スイカツリーでした
*なお、上記計算には一切責任を持ちません。計算は各自で検証してください。
もし間違ってたとしても東京スイカツリーは責任を持ちませんので、あらかじめご了承ください。