昨日、5月28日火曜日の正午過ぎ。


あの人気店『ラーメン二郎』の新宿歌舞伎町店で、火事炎炎がありました。



ラーメン二郎』は、熱狂的なファンが多く、いつも行列が絶えないことで有名です。

 

 


 

ラーメン二郎は、美味しいんですよね。




ここで驚くのは、

火事で火 炎炎炎 が上がり、
 もやもや がもうもう もやもやもやもや と立ちこめているのに、


お客さんが、逃げずにラーメンを食べ続けていたことです。







撮影者も火事に気づいたようですが。







立って順番を待っているお客さんも、
逃げるそぶりがありません ガーン




動画の音声では、

この煙の中で

券売機で食券を買っているような音すら

聞こえてきてます びっくり


どうしてみんなすぐに逃げなかったのでしょうか??



「そんなバカな!ガーン

「こいつらバカじゃないの?グラサン

「なんで逃げないの?滝汗


こんなふうに思った人もいるのではないでしょうか?


おいで だけど、ちょっと待ってください 手バツレッド

 

 

 

状況によっては、

あなたもこんな風に、
逃げないでラーメンを

食べ続けるかもしれないのです。


これ、べつに特別な現象じゃないんです。

心理学的な理由があります。
誰にでも起こりうることなのです。



ラーメン二郎のお客さんが逃げなかったのは、

まず、「逃げるきっかけがなかったこと」が大きいと思います。



逃げるきっかけとは、

「誰かが逃げること ランニングランニング



当たり前みたいなことですけど

『そりゃぁ、誰も逃げなきゃ、逃げないよなぁ ニヤニヤ

ってここで思った人は、
きっと火事でもラーメンを食べ続ける人になるかもです。



こういうとき、

人は、
誰かが逃げないと

意外と逃げないものなのです 物申す



なぜお客は逃げないでラーメンを食べ続けたのか?


決して、

『二郎ラーメンが美味しすぎてキラキラOK拍手
逃げるどころじゃなかった ラブラブ

・・・わけじゃ無いと思いますよ ニヤニヤ



居合わせた客によると、

「煙が立ち込め始めたあとも、しばらくは店員から何も指示されなかった」

「火が出始めて、店員さんが焦り始めた。」

つまり店員さんの避難誘導が遅かったのも、原因のひとつです。

 

 

 




だけど、この店員さんたちを必要以上に責めてはいけないと僕は思います。


お客さんみんなにも『逃げない原因』があるからです。




こんなに煙が出てるのに

お客さんがすぐに逃げなかったのは、

お客さんの頭の中で

・正常性バイアス
・同調性バイアス


という2つの「先入観、偏見のようなもの」があったからだと思われます物申す



人間は、集団になると正常な判断ができなくなることがあります。



ラーメン二郎の映像でも、
たくさんのお客さんが
煙の中でラーメンを食べ続けてました。

つまり、お客さんの集団」が、そこにはできあがっていました。

それが問題なのです。

 



これだけの炎と煙が出ているわけです。

それぞれのお客さんは、炎と煙には気づいていたはずです。

だけど逃げなかったのです 真顔


なんででしょう?



お客さんは、おそらく周りを見て、

みんながラーメンを食べ続けてるんだから ニヤニヤ

と思ったはずです。

『みんながラーメンを食べ続けてるんだから自分も・・・

こういう心理を『同調性バイアス』といいます。

集団の中で他の人が動かなければ、
ちょっとぐらい変だと思っても、
人間は「動かない」という心理が働く
のです。


例えば皆さんは、街中で誰かが突然倒れたりしてる場面を見かけたことはありませんか?
そういうとき、あなたは倒れてるその人を率先して助けられますか?




実は、そういう僕も、駅前でそういう場面に出くわしました。

目の前でおじいちゃんが倒れました。
でも、僕にも「正常性バイアス」と「同調性バイアス」が働いてて、
すぐに助ける行動ができませんでした。
いま思い出しても、恥ずかしいことです。


心理的に言うと、不思議なんですが、

その場に自分しかいなかった場合には、

人は意外とすぐに倒れてる人に声をかけられるようです。
救急車を呼べるのです キョロキョロ



ところが、街中で誰かが倒れているとき、
そこが駅前などで、

周りにたくさん人がいる場合

そう、自分を含めて集団に取り囲まれているときは、
倒れている人を見かけても、
なぜか助けられない人がほとんどです。


それどころか、
スマホで倒れている人を撮影してしまうような、
そんな非情な行動まで平気で取ってしまうのです。

みんなが動かないから、自分も動けないのです。




それが

同調性バイアス




また、ラーメン二郎で逃げなかったお客さんは、

『みんながラーメンを食べ続けてるんだから、大丈夫だろニヤニヤ

と思ってしまったはずなのです。

みんなが逃げないんだから、このくらい大丈夫だ

と、火事を甘く見てしまうのです。


火事という「非常事態」を正しく認識できていないのです真顔


そのような

「緊急性のあることなのに甘く見てしまうような心理状態」を

正常性バイアス

といいます。



先ほどの「倒れているを発見したとき」も同じ。

『(倒れている人がいても)
みんなが動かないということは、たいしたことは無いんだろ キョロキョロ

こういうときって、助けようとしても、

『もし、この人がたいしたことが無かったら恥ずかしい驚き

『救急車を呼んだら、面倒に巻き込まれる予防

倒れている人が女性だったら、

『下手に触ったら、チカンだと思われないかゲロー

のように、「根拠のない言い訳」を飲み込んで、助けない自分を納得させてしまうのです。

だから動かない。


この

根拠のない言い訳を飲み込んで、自分を納得させてしまう心理

これが『正常性バイアス』です。
(あとで「認知的不協和の解消行動」という話も出てきます)


同調性バイアスや正常性バイアスは、

集団の中に居ると起こりやすくなります。


だから、
倒れている人がいたとき、もし自分ひとりなら
ラーメン二郎で客が自分しかいなかったら

「みんな」がそこには居ないので

意外とすぐに助けられたり、
意外とすぐに逃げられたりするのです物申す



今回のラーメン二郎の火事では、
「店員の避難誘導の指示が遅かった」という
客の証言が残っています。




おそらく店員さんもまた、

他の店員が避難誘導をしないので、
この程度ならまだ大丈夫なんだろう。』

お客も逃げてないしな・・・真顔

同調して、いまは正常だと思ってしまったのかもしれません。



つまり店員さんの行動もお客さんとまったく同じだった可能性があります。

同調バイアスと正常性バイアスのせいだと思われます。

同調バイアスと正常性バイアスは誰にでも起きる現象です。

あなたにも簡単に起きるのです 物申す



だから今回、
店員さんがすぐに避難誘導をしなかったとしても、
結果論だけど、けが人がいなかったわけなので、
店員さんのことは、あまり責めてはいけないと、僕は思いますね。

テレビでは、店員さんを責めてるように
思える報道をしてますけどねぇ・・・


どうなんだろう・・・


この報道の仕方では、
この件でラーメン二郎を炎上させたいのだろうか?と思ってしまう。

死傷者が居なかったんだから、

わざわざ世論をあおるような報道はどうだろうかと思いますねぇ。キョロキョロ



今回のラーメン二郎の火事では、
お客の誰かひとりが、あるタイミングで
(たとえば店員が「逃げてください」と言ったとかで)
店から最初に逃げたはずですよね。

すると、逃げていくそのお客を見て

他の客も我に返り、びっくり
我先にと店を飛び出す行動を取ったのではないかと推測されます。

同調バイアスと正常性バイアスの呪縛が解けて
我に返ったガーンときは、焦った滝汗と思いますよ、みんな 真顔



ラーメン二郎は店が(どの店もたぶん)1階にありますし、
店は道路に面しているのですぐ逃げることができると思います。

そこは幸いでした。



ここからは一般論になります。

もしこの店がたまたま雑居ビルの3階とか4階だったら?


怖いのは、
みんなの同調バイアスと正常性バイアスが解け、
みんなが一斉に逃げ始めたとき。

全員が出口や階段、エレベータなどに
殺到するランニングランニングランニングだろうことは、
簡単に想像できますよね?


だけど、今回のラーメン二郎ぐらいの

大量の煙が蔓延していたら、
全員がすぐに逃げられるでしょうか?
きっと、パニックになると思われます。


人はパニックになると自分が先に逃げようとするため、
出口に人が殺到し、身動きが取れなくなります。
(人に道を譲るなんて考える殊勝なひとは居ないだろうと)

そのうちに煙はどんどん室内に充満していきいます。
こうして逃げ遅れてしまう人が出てくるのです。


みんなが動かないときは、みんなが動かない。
みんなが動き始めると、みんなが一斉に殺到する。

集団心理というのはとっても怖いのです。

だから、今回、ラーメン二郎で

「逃げないでラーメンを食べ続けたお客たち」

を、皆さんも簡単に非難するようなことはやめた方が良いと思います。


明日は我が身かもしれないですし。

自分も、いつそういう状況におかれて、
同調バイアスと正常性バイアスに取り込まれて
ラーメンを食べ続けるかもわからないのですから物申す





最後に。


こういうときどうすれば良いのか?


街中で倒れている人を見つけたらどうすれば良いのか?



お店が火事になったときどうすれば良いのか?





もし、街中で倒れている人を見つけたら、
とにかく勇気を出して、

率先してあなたが動いてください。


誰かひとりが動くと、他の人も動き出す。」

これも同調性なのです。



ただ、人を助けるような場面では、

できれば、

黄色い服を着た男性のあなた、救急車を呼んでください!」

帽子をかぶっている女性のあなた、110番してください!」

のように、あなたが周りに居る誰か特定の人を指さして、
その人に具体的な指示を与えてください。

特定の人に指示するときは、その人の
・服装
・性別
・年齢層
などの特徴を瞬時に判断して、
誰に指示をしているのか明確にわかるように、その人の特徴をはっきり告げて指示をしてください。


ただ単に

「あなた!救急車を呼んで!」
と言われても、

その「あなた」がだれなのか、
周りの人は判断ができません 物申す


それに、やっぱり
「関わりたくない ネガティブ
という心理がどうしても働くので、
「『あなた』は、自分のことではない おねだり
「いま指示されたのは自分ではない キョロキョロ
という自分に都合が良い判断」をしてしまうからです。

自分に都合が悪いことが起きたとき、
人間は自分が都合が良いように、
「いまの事態」をゆがめて判断してしまいます。
この3つめの心理を

『認知的不協和の解消行動』

といいます。

 



「いま指示されたのは自分ではない」
思い込むことで
「自分は救急車を呼ばなくてよい」

「関わらなくて良い」
というような

「自分に都合が良い理由」
無意識に自分で勝手に作り出してしまうのです。


だから、誰かに指示をするときは、

帽子 ハット をかぶっている女性 ニコニコ のあなた、110番してください!」

のように、その人のわかりやすい特徴
できるだけ具体的に指摘してしまった方が良いのです。
あんまり良くない言い方だけど、
一緒に援助して欲しい人を

そうやって手伝わなければならない状態に無理矢理追い込むのです。

人の命には代えられませんから真顔



また、

今回のラーメン二郎のような火事の場合は、
とにかく最初に逃げてください!
周りが逃げなくても早く逃げてください。

逃げる行動を取ってください真顔



あなたが逃げることで、みんなが我に返ることができるびっくりのです。
あなたが逃げることで、みんなの同調バイアスと正常性バイアスの呪縛魂が解けるのです。

それに、あなたが最初に逃げれば、
あなたの命が助かる可能性は

他の全員よりもっとも高くなるのですから。


集団で居るときに、集団とは違う行動を取ることって
かなり勇気がいること
です。

だけど、その一瞬の勇気を出せるように、
日頃から意識しておいて欲しいと思います。




なお、
同調バイアスと正常性バイアスについて、
日本赤十字社がわかりやすい解説をしています。

・知ってほしい! 避難の妨げになる「正常性バイアス・同調性バイアス」
https://www.jrc.or.jp/about/publication/news/20210901_020612.html

このサイトではわかりやすい動画も公開されているので
ぜひこのサイトを読んでみてください。



ああちょっと、
真面目なことを書きすぎて疲れたね~ 絶望


それでは、またね!

 

・ラーメン二郎の火事の報道動画が見られるサイト:
火事でもラーメン食べ続ける客が…「ラーメン二郎」で火事も「火と煙の中で普通に営業」アブラに引火か?
https://www.fnn.jp/articles/FNN/705857