数学シリーズとして、もう一つ解いてみました。

 

数学は面白いので、やり始めるとハマるニヒヒ

今回題材にしたのはこちらの問題です。

 

 


この問題は、図の台形の底辺BCの長さを求める簡単な問題です。
むずかしくないと思うので、読んでいただけるとうれしいです。


動画を一度見て頂けるとわかりますが、
上記の動画では、変数を使った計算をして解いてますね。おやすみ


だけど実は、
この問題は変数を全く使わなくても解けるのです。ニヤニヤ


・・・ということで、


僕は、変数を使わない方法で実際に解いてみました。グラサン


僕が解いてみた内容が次の図です。

僕が描いた台形の図形は結構適当です。
角度なんて全然測らないで適当に描いてます。

その点ご了承下さい。

 


図の左上から右下へ順番に読んでいけば、
解き方がわかるかと思います。







僕の解き方の1つめのポイントは、

1.点Dから、辺ABに水平な補助線を引く
2.点Bから、辺ADに水平な補助線を引く

という補助線の引き方をするということです。


なぜ僕がそういう補助線を描いたかというと、

図の中の上から2番目の図に示したように、

・角ADFが垂直(90度)
・辺ABと辺DFが平行
・辺ADと辺BFが平行

となるような長方形ABFDを作りたかった、
というのが理由です。

この条件を満たす長方形ABFDを
作ることによって、この問題は
とっても簡単に解けるようになる
のです。


これがいわゆる『発想』というやつ。

似たような問題をたくさん解いていれば、
こういう発想は0.001秒ぐらいで頭に浮かんできます。



とりあえずは

図形をよくみる

ということがとっても大事だと思いますウインク


この問題を解く2つめのポイントは、

『一つの角が30°の角を持つような
直角三角形の辺の比は、
2:1:ルート3

となる』

(ルート3は、ブログでは表示できないので
これで許して)


という法則を使うということです。

この法則は、中学校2、3年ぐらい、
三角比とか図形の合同とか、そのあたりで習う内容だと思います。


この2番目のポイントは、
最初に示した上記の動画の中でも
時間にして 0:56 あたりで使ってますよね。

この2番目のポイントを使うことについては、

動画の方法も僕の方法も同じなわけです。

つまり、動画の解き方と僕の解き方が違う点は、

『どこに、どういう補助線を引くか』

の違いだけなんですね。


「このたった一つの違いで答えの出し方が
どう変わるか」

ということを、みなさんにわかっていただきたいのです。




解説の前に、動画の中の解き方の問題点について説明します不満

動画内では

(1)辺ABを右上の方に延長する形で補助線を引き
(2)辺DCを左上の方に延長する形で補助線を引く
(3)(1)と(2)の交点を点Eとする

という補助線の引き方をしています。

「補助線を2本引いている」という点は

僕と同じですけど、
問題の四角形の上の方に向かって補助線を引く点が

僕とはやり方が異なります。

ただ、動画のような補助線の引き方をすると、
一つ残念なことが起こります。


それはなにかというと、

動画のような補助線の引き方をすると、
動画の図の場合

『辺AEと辺DEの長さが直感的にわかりにくい

という困ったことが起こるということ。
(そもそも辺ADの長さもわかりませんしね。)


だからこそ動画内では、図形だけで発想して問題を解く
というよりも、変数を使って解いてるって感じなのです。
こういうときは変数を使うとわりと楽に解けるようになります。


ところが一方、僕が解いた方法だと、
変数は1回も使ってません

僕の方法では、
変数は使う必要がないのです。

僕のような補助線の引き方をすると
辺BEの長さも辺ECの長さも
図形をみれば目すぐにわかルンです


そういえば、昔

「写ルンです」というインスタントカメラがあったねぇ。


あとあと、「感染るんです。」というマンガもあったね。

 






では次に、僕の解き方を詳しく説明しましょう。


■僕流の問題の解き方の説明

●僕の問題の解き方のポイント

問題の図に補助線を引くとき、
1.三角形DECが三角形になること
2.三角形BFEが特殊な(30°の角を持つ)直角三角形になること
この2つを見込んでわざわざ辺ABに水平な
(つまり辺ADに垂直な)補助線を引いたことです。
これが最大のポイント。

●手順1:補助線を使って正三角形DECを描く

(1)補助線DFは、点Dから辺ABに水平になるように
下方向に引きます。

★↑↑↑ しつこいけど、この補助線の引き方がポイント★

(2)補助線DFと辺ABが平行ということは、
角ABCと角DECの角度はまったく同じ角度になります。

これは平行線の性質の一つである「同位角」の性質によるものです。

 

その説明を引用させていただきますので、気になる方は以下のURLの内容をお読み下さい。ウインク

 

・平行線の性質

 


問題文から角ABCは60°だとわかっているので、
このため、角DECは60°だということがすぐにわかります。

(3)ここで三角形DECに注目します。
三角形の内角の合計は必ず180°になる」と決まっていますので、
このため角EDCも60°だとわかります。
(計算:
角EDC=180-角DCE-角DCE

    =180-60-60

    =60 )

(4)このことから、三角形DECは三角形だとわかります。

(本当は(3)の計算は必要ないけど、
正三角形だとわかりやすくするために
(3)の計算を書いています。)


(5)さて

・問題文から辺DCの長さが4

だとわかっているし、
三角形DECは三角形だとわかったのですから、

 

・補助線からなる辺DEの長さ(辺DE=4)
辺ECの長さ辺EC=4)


だとわかります。


●手順2:三角形BFEのを調べる

(6)次は三角形BFEについて考えます。
図をみれば、三角形BFEは
・角EFBは直角(90°)
・角EBFは30°
:角BEFは60°
という角度を持つ直角三角形だということが
すぐにわかります。

このような角度を持つ直角三角形の辺の比は


辺BE:辺EF:辺BF=2:1:ルート3


だということがすでにわかっています。

 

気になる方は以下のURLの「⑥辺の比が1:2:√3」という項目を読んで下さい。ウインク

 

・三平方の定理の公式

 


(7)ところがここで、
・四角形ABFEは長方形のため、

辺EFの長さ= 辺ABの長さ-辺DEの長さ

だということが図からわかります。

さらにここで、
問題文から、辺ABの長さ=5だとわかっていて、
上記(5)からは、辺DEの長さ=4だと判明しています。

したがって、

辺EFの長さ= 辺ABの長さ-辺DEの長さ

      =5-4

      =

だと求まります。

(8)ということは、辺EFの長さがなのなら
先ほど(6)で示した三角比

辺BE辺EF:辺BF=:ルート3

をみれば、「辺BEの長さは2」だとわかるのです。


(8)一方、問題文がとして聞いているのは
辺BCの長さ」です。

これは、


辺BCの長さ= 辺BEの長さ+辺ECの長さ


で求まります。

ここで、(5)と(8)の結果を思い出せば、

(5)より→ 辺ECの長さ=4
(7)より→ 辺BEの長さ=2

でしたので、これらを上の式に代入すれば、

辺BCの長さ=辺BEの長さ+辺ECの長さ
      =2+4
      =6

となり、答えは「6」となるのです。ウインク


僕の計算では変数は使ってないですよね。
すべて図形の性質から答えを導き出しています。


それどころか、実を言いますと、
僕はこの問題を暗算のように頭の中で解きました

そう。
この問題は簡単なので、図形を描く必要も
計算を書く必要もない。
実はとってもやさしい問題なのです。




さて。
でも、このままだとなんだか
「動画の主を批判してるのかムキー
と思われてしまいそうなので、
ちょっと話を付け加えたいと思います。照れ


あくまで僕個人の経験から思っていることなのですが、
こういう図形問題を解くとき、
次のような傾向の人がいるとおもうんです。

(A)変数を使った方がむしろわかりやすいと思う人
  (変数が得意なタイプ)
(B)変数を使うとわからなくなってしまう
  (変数が苦手なタイプ)

たぶんみなさんの周りにも、こういう2タイプの人は居たんじゃないかな?と思います。にっこり


AとBのタイプの人って、考え方が真逆ですよね。

この記事で最初に紹介した動画内での解き方は変数を使うので、
Aの「変数が得意なタイプ」の人が好む解き方だと思います。


ところが、Bタイプの人は真逆。

Bタイプの人はきっと、
変数が出てきただけでパニックになってしまうようなタイプ。
変数と聞いただけでジンマシンネガティブが出て生理的に受け付けないゲッソリようなタイプなんですね。

そういう人は「できれば変数は使いたくないえーん」と思うでしょう。

そういう場合は、僕の解き方の方が良いわけです。



何が言いたいかというと、
前回のブログでも書いたんですが、

『数学は結果じゃなくて過程が大事

ということ。

前回のブログで、

『いろんな解き方を試した方が面白い』

と書きましたよね。

今回の問題も解き方はいろいろ。

いろんな解き方を試して知っておくことで、
様々な問題に柔軟に取り組めるようになる
のです。

つまり、

自分に合った解き方をすれば良いんじゃないの?ウインク

というのが僕の考え方です。



TVのクイズ番組でも昔ありましたよね?

大人よりも小学生の方が解きやすい問題。

「大人はつい変数を使って考えたくなるけど、
実はその問題は変数なんて使わなくても
小学生の知識で解けるものだった。」

という感じの問題が、クイズ問題として出題されましたよね?


これはつまり、

「数学=変数を使わなきゃいけない」

という思い込みがあると逆に難しくなっちゃって解けない問題なわけです。


今回はそれとよく似ているのです。


変数で解く方がスッキリして好きだという方は
動画内の解き方で解けば良いし、
変数は苦手だなと思う方は、僕の解き方を使えばいい。


どちらの解き方が良いとかそういう話じゃないってことです。うさぎのぬいぐるみ


ただ今回の図形問題の場合。

もう一度2つの解き方をみていただくとわかると思うのですが、

『補助線の引き方によっては、

変数を使った方がうまく解けることがある。

でも、補助線の引き方を変えると、

変数は要らなくなる可能性がある』

という「ちょっとしたクセ」みたいなものがある、
ということは、理解しておいていただきたいと思います。

 

 

なお、ここ2回とも、わりと易しい問題を解いてきましたが、

「この程度でマウントしてるやつがいる」

とか思われるのもイヤなので、もう一つ問題を用意してます。

 

次回はグッとレベルを上げて

・積分

・偏微分

などの高校~大学レベルの知識が必要な内容を解説しようと思ってます。ニヤニヤニヤニヤ
たまたま良い題材が見つかったのでグラサン


いやぁ。数学ってマジでおもしろい。ニヤニヤ