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こんにちわ。

ハゲのカツラをかぶるようすこです。





デート当日。その日は土曜日で休みだったけど、前日にやり残した仕事があったので、それを片付けるために出社しなければならなかった。

僕はお田鶴さんと、仕事が済んだらすぐに連絡するという約束をして、一秒でも早く仕事が終わるように頑張った。





結局、なんやかんや全てを片付けて、家に一旦辿り着いたのは昼の3時くらいだった。





「うわぁ遅くなったぁ」と思いつつ、すぐに僕はお田鶴さんにメールを打とうとした。





「今終わったよ」





しかし、この一文を送ろうとして、僕は思った。

「今終わったよ」って、それだけでいいんだろうか?と。

もしこの一文を送って、その後の返事が「うん」とか「わかった!」とかだけだったら、その後僕はなんと返信すればいいのだ!?



「今終わったよ」の後に、「今から家に来るよ!」とか「あそぼ!」とか入れたほうがいいのだろうか?

それじゃあ図々しいと思われないだろうか!?どうなんだろうか!?





ど、どどどどうすればいいんだぁぁぁ!!













Zzzzzz.....













ハッ!!!









気が付くと、窓の外は夕暮れになっていた。



僕は自分でも信じられないことに、メールの文面を考えているうちに、いつのまにか眠っていたのだ。



僕は自分を呪った。明け方まで飲み会があって、そのまま会社に行ったとはいっても、待ちに待ったお田鶴さんとのデートの時間を僕は自ら無くすような真似を働いたのだから。





僕はもうなりふり構わず即効で「終わったよ」とメールを送った。





時刻は七時近くになっていた。

彼女はもう夕飯を食べてしまって、今日のデートは無かったことになるかもしれない。あーん、僕のバカーん。

そう思った。







メールは数分後に帰ってきた。



恐る恐る折畳みの携帯を広げて、メールを読んだ。そこにはこう記されておった。







「夕飯作ったから一緒に食べようよ」









僕は背中から羽が生えてそのまま千の風になって大きな空を吹きわたりそうになるほど気持ちが浮き足立って乳首が立って敏感になって人差し指でコリコリしてしまうほどテンションがセンセーションを巻き起こしてマンションで立ちションしそうになった。(?)





僕は居ても立っても座ってもいられなくなって、飛ぶ鳥を落とす勢いで玄関から飛び出し、電光石火の速さで鍵を閉め、疾風怒濤の勢いで自転車に乗り込み獅子奮迅の形相でペダルをこぎ大胆不敵な笑みをたたえて赤信号を待ち森羅万象の喜びでお田鶴さんの住む社宅へ急いだ。





玄関に到着し、ピンポンを押した。





玄関が開き、そこにはお田鶴さんがいた。

僕は、聖母マリアが一日だけ黄泉の世界から蘇って僕の前に現れてくれたのかと思った。

「いらっしゃい」というその言葉の吐息と共に、この世の全てがどうでもいいと思える世界に、僕は吹き飛んでしまいそうになった。





部屋にはお田鶴さんと同じ会社の同期の子が一人いた。

本当は四人で生活してたんだけど、うち二人はすでに研修を終えて帰ってしまってた。



はっきり言って、その子のことが僕は邪魔だと思ったね。







僕はお田鶴さんのご飯を腹一杯食べた。おいしかった。



ご飯を食べおわって、夜11時頃から僕達二人は夜の散歩に出た。

二人でずっとずっとお喋りをしながら何処へ行くでもなしに当てもなく歩いた。



歩きすぎて波止場まで辿り着いて、二人で船に忍び込んで運転席に座って遊んだり、真っ暗になった学校を歩き回ったり、お寺に行ったり、疲れてそこらへんに座って、通り過ぎる車を見ながら話し込んだり、時計を気にせずにずっと緩やかな時間を過ごした。



話をすればするほど、僕はもっともっと、ほっともっとお田鶴さんのことが好きになった。

その気持ちを伝えたいような、気付いてほしいような、そんなことを思ったけど、それを伝えたら全部が泡みたいに消えてしまうような気がして、何もできなかった。





結局、気付いたら深夜の3時を回っていて、その日はお田鶴さんを見送って帰った。





家に帰って、抱き枕をお田鶴さんだと思って、枕がはち切れんばかりに抱き締めて寝た。







続く