『優しい人』 | 『詩は志なり』

『詩は志なり』

『詩(し)は志(し)なり』と呼びます。
私、ユッスーが書いてきた詩を、まとめるブログです。
詩を書く人と繋がりが広がればこれ幸い!
拙い詩ばかりですが、一応、©とさせて頂きますm(--)m

『優しい人』

この世にたった一つだけ
守るべきものがあるとしたら
きっとそれは
優しい人の優しい心
優しさを紡ぎ出して
繋ぎ合わせて積み重ね
人は優しい人になる
これは決して
穏やかな道のりでは無くて
酸素も足りなくなるような
登攀の道程だ
古き良き「茨の道」だ

様々な道にそれぞれの
才能豊かな人がいる
誰にだって何にだって
向き不向きがあり
個性がある
優しさは大切なものだから
目には見えないし
数字にもならない
感じ方はそれぞれ違うし
価値の尺度もバラバラだ
こんな冗長な前置きをして
イイタイコトは
優しさの才能は
その道のりを
決して楽にしないということ

優しい人に、心は救われる
優しい人に、心は包まれる
誰にだって経験があると思う
それなのに、
未完成な僕たちは
優しい人を、傷つけたり
優しい人を、見下したり
優しい人を、利用したり
そういう間違いも犯す
そもそも
優しい人を
積極的に評価した社会を
僕は見たことが無い
「出来る人」は「優しい人」と
なんの接点も無い
こういうシンプルなことが
いろんな問題を形成してるとしても

「優しい人」になりたいと、
真摯に取り組む人は少ない
みんな少しは思うけれど、
「優しさ」ではお腹はふくれないし、
「優しさ」では欲求は満たされない
だから「優しさ」なんていう、
曖昧に見えるものを、値踏みする
「優しさ」が無ければ、
法律も教育も全ての産業も道具も、何もかも、
全然、僕らを豊かにしないのに
問題が複雑になっていくだけなのに
むしろ息苦しくなってさえしまうのに

優しい人になりたいと
ずっと思っていた
優しい人にあこがれて
ずっと追いかけていた
道は険しいけれど
素敵な挑戦だと思っている
そんな日々の中で
優しい人に出会った
「私は優しい人ではない」
そう言ったその優しい人は、
すでにかなり優しい人だった

生きていくために
僕らは腕を磨き、力を蓄え、そして発揮する
その姿はあんまり優しそうじゃあない
大袈裟に言えば生存競争は続いてる
優しさは強さと綺麗には比例しない

だけど本当に優しい人は
心の強い人だ
容赦出来て、反省も出来る
心の中の悪を
優しく改心させられる人だ
そして
ちょっとした人の優しさに
気付いて、覚えていてあげられる
そういう優しい人に会えたことは
くたくたに歩き疲れて
足の骨まで痛む夕暮れに
休んでいくかい?と差し出される
温かなスープと暖かな真心に似てる
あるいは、
ぼんやりと河川敷を歩いていたら
ふいに広がる一面のコスモス畑のような
鮮やかに心を奪われる感動に似てる

自分が誠実に歩んできた
優しい人への道のりを
正直に振り返る
それは少し怖いこと
案外進んでないかもしれないし
どうやって測ったらいいのか
そもそも分からない
そうやって戸惑うあなたを
人は信頼する
人は大切にする
人は有難いと思う
そんなあなたに出会えるなら
この困難な進路も悪くないだろう
そんなあなたと出会えたことを
感謝して綴る言葉探しの始まりに
幸運を祈りながら