現代の名工 | 溶接職人JINの「ものづくり」放浪記

現代の名工

先日、今年の「現代の名工」が発表になりました。



「現代の名工」は、卓越した技能を持ち、
その道で第一人者と目されている技能者を表彰するものであり、
昭和42年の創設以来、
技能者の地位及び技能水準の向上を図るとともに、
技能の世界で活躍する職人や技能の世界を志す若者に
目標を示し夢と希望を与えてきた。

本年度は、11月11日(火)に明治記念館において、
厚生労働大臣から國村次郎氏(新幹線をはじめとする鉄道先頭車両の
オデコ部のハンマー打ち出しによる板金技能に卓越している)
をはじめとする150名の方々に対して表彰が行われる予定である。

(厚生労働省HPより抜粋)



42回目の今年は、上記の國村さん以外に
ソムリエの田崎真也さんや、陳健一さんら150人が選ばれました。






この國村さん・・・
1本のハンマーで金属をたたき出す「打ち出し板金」
という技術を使って、新幹線の初代0系から
700系まで新幹線の先頭部分を作ってきた方との事。



最近かな(?)TVのニュースか何かでその様子を見たので、
すぐに「あの人だ!!」って思ったのですが、
改めて今回の「現代の名工」の記事を見て、
素直に「カッコイイ!!」って思えました。



一辺が1mくらいで、厚さが数ミリのアルミ板を
ハンマーで叩いて湾曲させ、滑らかな流線形に仕上げて行く




最小の手数で、想い描いたカタチを打ち出せるようになるには
「10年はかかる」




「同じカタチを作るにしても、人によって打つ場所も回数も微妙に違う。
言葉で教えられる部分が少ないんです」

(共に朝日新聞より抜粋)






この「仕上げて行く」という表現が、
職人の技のすべてを物語っているようで、
すごく良いと思いません?



確かに「職人の技」って
その人が仕事に携わってきた年月が、
そのまま職人としてのの経験となるので、
「一人前になるには、最低10年」と言われています。



溶接の世界も、「一人前になるには10年
(実際にはそれでは足りないかもしれませんが)」と言われます。
それは毎回同じモノを作っている訳ではないし、
もちろん「マニュアル」も存在しないからです。



溶接し続けて来た年月だけが、
微妙な手の動きや温度調整によって
「きちんと仕上がった」製品を作れるのです。



自分もようやく溶接職人として10年目になりました。
自分に意識は無くても、
周りのお客様からは一人前だと思われている年数をかけてきてますので、
後輩への技術継承をはじめ
お客様の期待に応え続けられるよう頑張らなきゃですねチョキ






新聞に載っている國村さんの写真をみると、
凄く良い顔をしてますよ!!



そのハンマーを持つ手から、
普段自分たちが何気に乗っている新幹線が
作られているんだと思うと、本当に尊敬してしまいます。



いつか自分もこんな「現代の名工」になれるかな・・・ニコニコ