現代の名工 | 溶接職人JINの「ものづくり」放浪記

現代の名工

突然ですが、僕は「職人」という言葉が結構気に入ってます。



不器用で、人付き合いはちょっと苦手だけど、
すごく人間味があって、
その技術の世界では誰にも負けない技を持っていて、
「モノ作り」に対してすごい情熱を持っている。



「職人」になる事よりも、「職人」であり続ける事の方が
遥かに大変で厳しい世界だけど、
その技術の為に努力を惜しまず、
製品が必要な人の為に、昼夜を問わず作り続ける。



それは、世界最大級の建築物であったり、
歴史的建造物であったり、
はたまた、1/100mmの世界のモノであったり、



身体と道具と経験で1枚の図面から「カタチに」作り上げて行く。



そんな世界で仕事をしている「職人」である自分も
結構気に入ってます。






そんな思いに浸っていた、まさに今日
2007年の「現代の名工」150人が選ばれたみたいです。




卓越した技能を持つ、その道の第一人者を表彰する07年度の「現代の名工」150人が、厚生労働省から発表された。表彰式は31日、東京都港区の明治記念館である。

 名工に選ばれたのは、現代ロボットの原点とも言える江戸時代の「からくり人形」の修復や調整技術を持つからくり技師、東野進さん(57)=大阪府▽38年にフランスに渡り、日本のみそやしょうゆなどを取り入れ、新たなフランス料理の創作に道を開いたシェフの三国清三さん(53)=東京都=ら。三国さんは全国各地の小学校で味覚の発達を促す授業にも取り組んでいる。また、最年少の名工は木製建具製造の渡辺文彦さん(32)=新潟県。渡辺さんは薄く細かい木のパーツを組み合わせて幾何学模様を作りびょうぶの中に組み込む「組子」の技術に卓越し、米国やドイツでワークショップを開くなど世界的に活躍していることが評価された。10月31日2時23分配信 毎日新聞





今回の「現代の名工」に選ばれた人で
最高齢は、宮城県の宮大工の方(90)で
な・なんと最年少は新潟県の木製建具製造工の方で32才!!



「職人」の世界は、10年で一人前とは言いますが、
最年少の「名工」の方が32歳で受賞したという事は、
仮にその人が高卒だとしても、職人歴14年ってことで、
「そんなにすごい技術を持った人なのか!!」と相当驚いてます。



もちろん、「現代の名工」に選ばれる事は
大変名誉な事で、素直に尊敬してしまうのですが、



このニュースを聞いたとき
業種は違えど同じ世代の「職人」が
世の中に認められた事がすごくうれしかった。



パソコン1台で何億と稼ぐ人がもてはやされているけど、
真面目に、そして愚直に何十年も自分の技術に没頭している人を
こうして評価してくれる事は、本当にうれしかった。



毎日のほんの小さな努力の積み重ねで
お客様に納得してもらえる仕事をし続ける事によって、
ひとつひとつ信頼を勝ち得ていく。



きっとそんな仕事をしてきた「職人」が「名工」と呼ばれるのだな。



自分自身は、決して「現代の名工」になりたいという気持ちで
仕事はしてないし、もちろんそんな気持ちで仕事できる分けないけど、



「今日以上に、明日は良いモノを作りたいな」



そんな思いにさせてくれた、本日の出来事でした。