「それ、悪いことじゃないよ。大丈夫よ」
昨日、ある集まりで、隣に座った若い女性が
自己紹介をしてくれた。
彼女は、はっきりと
「私はマイノリティで」と話し始めた。
その話を聞きながら、私は思った。
えっ、それ、私じゃん!
マイノリティという言葉は、
もちろん知っていた。
でも、まさか自分がそうだったとは。
言葉の響きや、そこから受けるイメージが、
なんとなく自分とは違う世界のものだと思っていたのかもしれない。
だから、彼女の話を聞いて、
自分のことだと気づいたときは、
ちょっとした発見だった。
これまで、自分の感覚や考え方が周りと違うことに、戸惑ったり、悩んだりしてきた。
どうして私は、
みんなと同じようにできないんだろう。
どうしてこんなに生きづらいんだろう。
周りに合わせることで、
自分を守ってきたこともたくさんあった。
その場では何でもない顔をしていても、
家に帰れば疲労困憊。
今思えば、
ずいぶん頑張ってきたなぁと思う。
そんな彼女の話を聞いて、
私は自然と言葉をかけていた。
「それ、悪いことじゃないよ。大丈夫よ」
彼女に伝えたかったのは、
そんなことを悪いことだと思わなくていい、
という気持ちだった。
そして、彼女の話を聞きながら、
私自身にもいろいろな思いが湧いてきた。
私、よく頑張ってきたよね。
悩みながらも、自分なりに考えて、工夫して、
何とかやってきた。
周りに合わせることも覚えたし、
無理をすることもあった。
だけど、今はもう、
このことばかりを気にしてはいられない。
それも私。
違うところがあっても、
うまくできないことがあっても、それが私なのだ。
この歳になるまで、
いろいろなことを経験してきた。
その中で、少しずつ強くなった自分がいる。
昔の自分を思えば、
よくここまで来たね、と声をかけてあげたい。
そして今、
そんな自分を誇らしく思える。
マイノリティという言葉を知ったことで、
何かが変わったわけではない。
私は、
ずっと私だったのだから。
でも、自分のことを
少し違う角度から見られた気がした。
ああ、そういうことだったのか、と。
昨日、隣に座った彼女。
彼女が自分のことを話してくれたおかげで、
私は自分自身の歩みを、
あらためて振り返ることができた。
人との出会いは不思議だ。
何気ない会話が、
自分でも気づいていなかった自分を教えてくれることがある。
彼女に感謝。
そして、これまでの私にも。
よく頑張ってきたね。
強くなったね。
今は、
自分のことを誇らしく思えるよ。
そんな気持ちになれた、
ある日の出会いの記録。


