マルコによる福音書9章30~32節


フクイチの事故で飛散した放射性核種によって、自分たちの生活圏がどれほど汚染されているか。

怖くて訊けない。

普段親しくしてる友人や
結婚を前提につきあってる恋人の「本心」はどこにあるのか。

怖くて訊けない。

妻や夫が
子どもや孫が
父や母が
自分をどう見ているのか。

怖くて訊けない。

311以降
変わってしまった世界で
自分や家族の生活が
これからどうなっていくのか、

怖くて訊けない。



こんなに不確実で不透明な毎日を
笑顔で生きていく根拠はどこにあるのだろう。



イエスは捕縛され殺されて
3日目に甦ったという。

マルコは
それはイエスだけの話ではなく
イエスを信頼するすべての人にも起こる、と考えていた。



死人が甦るなど
ありえない話だが、
こんなに不安で
すぐにでも死にたいと願う私にとって
「あなたは甦る。新しく生まれ変わり、永遠に生きる」という言葉は
希望につながる。



死んで甦った人はいない。
しかし
絶望し死んだようになっていた人が
まったく同じ状況の中で
笑顔で溌剌と暮らしているのを見た時
「復活」はある
と思えるのだ。