ぐずついた天気の東京。
週末もおうちでのんびり。
仕事して、読書して、猫と遊んで、ぼーんやり。
「そのまえ」「そのとき」「そのあと」と三章構成で、57歳で失業中の主人公が、不可解な採用面接を受けるサスペンス。
タイトルの通り、監禁する面接。
これはあらすじで公にされてるので、簡単に紹介すると、
人事副部長の中途採用面接に応募したら、採用面接に「ロールプレイ」が盛り込まれ、リストラ検討対象の現役員5人のスキル、人間性、忠誠心を確かめる「人質立てこもり事件」(当事者5人以外はみんな芝居と知ってる)に参加することになるというのが物語の肝。
「そのとき」というのが、面接のサスペンスシーンです。
そこに至るまでの「それまで」では、主人公の失業してからのことや、今のパートタイム先の同僚のこととか、家族のことが丁寧に書かれていて、序盤、「早く物語動かないかなー」と冗長気味かも?と感じてたんですが……
いやいや、これがあるから「そのあと」の三章の、どんでん返しに次ぐどんでん返しが骨太に支えられてるんだな。
原題は『C a d r e s n o i r s』
ブラック・エグゼクティブ
黒い管理職
が直訳のようです。
『監禁面接』だけだと、ちょっと違うストーリーを想像……例えばがっつり誘拐系のサスペンス……
帯のコピーの補足があって、
「なんでそんな試験?」
「どんな状況でそうなるの?」
「裏になにがあるのかな?」
とかなり興味惹かれます。
テンポもいいし、心理戦もあるし、主人公が「どうなる?」の引きも最後までピンと張られてた。
それでいて、重要シーンが限られたロケーションだから、映画化もしやすそうな
フランスミステリーって、アメリカのみたいに
銃撃戦!主人公、走る!
仕事も恋(家庭)もうまくいく!
国家(や組織、大統領)に忠誠を!
じゃなくて 主人公がだいたい、病んでるよーな
だから、なんとなく、読者にも「考え込ませる」フックが多い気がしてます。
ピエール・ルメートルの国内刊行本
※刊行順でなく、シリーズ順に並べました
イレーヌ→アレックス→カミーユ
の順に読んでください。
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その女アレックス (文春文庫) 929円 Amazon |
傷だらけのカミーユ (文春文庫) (文春文庫 ル 6-4) 907円 Amazon |
ノンシリーズ
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