あれから9年が経ちました。
テレビを見てると、当時被災地を回って目の当たりにしてきた景色が随分と復興して様変わりしたように思います。
当たり前の日常、当たり前の幸せがいかに大切か…忘れてはならないですね。
あの時、ただテレビから流れる情報しか入ってこなくて居ても立ってもいられなかったんですが、
ふとしたキッカケでいわき市の知人の実家を見に行くことになったんですね。幸いにも彼のご両親は震災前に都内に呼んでいたらしく、ただ実家の建物が無事かどうかだけ確認したいと。
まだ震度5以上の余震も頻繁にある中、ある種使命感にも似た思いで現地に向かいました。
カメラを持って行ったのはヤジ馬根性だったのかもしれません。でも変わり果てた実家の姿=瓦礫の山で茫然と立ちつくす知人の前ではとてもシャッターを押す気にはなれませんでした。
その日の帰りに猪苗代湖に寄りました。普段と変わらない穏やかな水面、そして美しい夕焼け…
なぜか涙が止まりませんでした。悲しみなのか、虚しさなのか、自然に対する畏怖なのか…
知人を慰めながら、他人事ではない思いを忘れないため、その時の夕焼けを一枚におさめました。
あの日からオレは変われたのだろうか?当たり前の日常に精一杯生きれてるだろうか…いつもこの日は自問自答です。
震災で亡くなられた多くの方々のご冥福をお祈りするとともに、まだまだ沢山の方々が避難されています。その方々の日常が1日でも早く戻りますように。そして子供たちの笑顔が希望に輝きますように。
今世間はコロナで厳しい時ですが、この時の思いをもう一度胸に、みんなで力を合わせて乗り越えていきましょう。
黙祷