大好きだった彼の結婚準備が着々と進んでいて。
家族からも歓迎されていて、
なんだかんだで本人も幸せそうで。
何だか寂しい。

ふとした瞬間に思い出す。
彼と一緒に行った
ショッピングセンターのラーメン屋とか、
古着屋さんの匂いとか、
一緒に見た夜景とか、
別れ話をした車の中の景色とか。

いまだに好きだとは思えないほど、
変に大人になってしまったけれど、
結局忘れられないのは、
何かに期待をしていた証拠。
彼が結婚するなんて全く想像できないけれど、
うまくいかない事を期待しているあたしは
なんてひんまがった性格なんだろう。
「あなたが幸せになる事を祈ってる」
なんて言ったのに。

どうして、あの時
「あなたと幸せになる事を夢見てる」
と言えなかったんだろう。

愛してる。
愛してた。
だから、オトコノコなんてもう、信用出来ないんだ。