大阪見聞録 「難波地区から拡がる大阪都市構想~ なんばスカイオ見学を通じて~」
18年11月23日(金)に博覧会国際事務局(BIE=フランス・パリ)総会の投票結果に伴い、25年大阪万博開催(会場夢洲)が決定した。大阪万博開催決定は、2度目の東京五輪開催(20年)と共に、日本中を歓喜の渦に巻き込んた。
この大阪万博開催決定は、重大な意味を持つと考えられる。
(1)東京都に対抗する大阪都構想(副首都)が推進可能となること。(2)東京都中心とする首都圏経済に対抗する大阪府市を中心とする関西経済圏の形成が促進されること。関西経済圏の強みは、製薬会社を中心としたライフサイエンスにあると認識に至ったこと。(3)インフラ整備構想が促進されること。一例は、関西空港を中心とする3空港の一体的な運用論議。関空までのアクセス改善を目指す地下鉄なにわ筋線の工事計画、万博会場・夢洲までの地下鉄メトロの延伸計画等。(4)大阪の負の遺産であった大阪湾ベイエリア構想の再開・推進、(5)政府目標を30年までに60000万人とするインバンド(訪日外国人)促進計画への貢献などが考えられる。⇒現在の1100万人から1200万人
南海鉄道(株)は,18年10月大阪市難波地区に「なんばスカイオ」を開業。関空へ最短40分を強みとする。
「なんばスカイオ」本体は、地上30階の複合ビル。1階:三井住友銀行ATMなどの金融フロア、2・3階:カフェ&レストランフロア(金子メガネ店、ソフトバンク・Yモバイル、カフェ&バー、カフェスタバ、メカーズシャツ鎌倉、いかりスーパー、クオール薬局等、16店が入居)、5階:ほんまもん日本の伝統・文化の体験工房フロア(万年筆KAーKU、漆器専門店天正堂、工芸品箸長、フードコートITADAKIMASU等、11店が入居)、6階:ヘルシーラボフロア(象印食堂、ミズノヘルスショップ、黒酢本舗、金胡麻焙煎所、光る堂薬店等、11店が入居)、7階:コンベンションフロア&イベントフロア、8階:会議室フロア、9階:メディカルフロア,10階:オフィスロビー、13階~30階:オフィスフロアとなっている。
今回、見学に出向いたのが近鉄難波駅から南海鉄道難波駅までの連絡通路に位置する複合型ビル・ナンバスカイオである。スカイオ1階入り口の左隣がスイスホテル南海大阪、右隣が南海鉄道難波駅、右奥はなんばCITYがある。目玉は、2・3階:カフェ&レストランフロア、5階:ほんまもん日本の伝統・文化の体験工房フロア+フードコート、6階:ヘルシーラボフロア、近年の健康志向の高まりを受けて専門店が多数出店している。メーカー象印が運営する食堂には昼の時間帯でもあったため、20人位の長い行列ができていた。7解:見学時にはファミリー向けの恐竜展が開催され、家族連れで賑わっていた。
アクセス=近鉄、大阪メトロ、南海電鉄、各難波駅5分
<各難波駅の2017年乗降客数 出典 ウイキぺディア>
南海電鉄=254,696人、近鉄=136、538人、大阪地下鉄=358,624人 合計=749、858人
今後、同ビルは、国・大阪府市等の大阪都市構想に伴い、周辺関連施設と連携して、次のニーズを取り込み発展の可能性がある。
(1)観光&ショッピングニーズ等:大阪難波駅は交通ネットワーク網の結束点であり、立地優位性がある。訪日外国人に人気観光地である伏見稲荷大社(京都市)、東大寺・奈良公園(奈良市)、高野山(和歌山県)まで1時間以内。ショッピングは百貨店高島屋大阪店(スカイオ地下1階)大丸心斎橋本店(19年9月新装開店)、心斎橋筋商店街、黒門市場等は徒歩30分以内。
(2)エンターテイメントニーズ:日本伝統芸能である歌舞伎・落語・浄瑠璃・能等について、大阪新歌舞伎座、なんばグランド花月(喜劇・漫才等)、天満天神繁盛亭(落語)、国立文楽劇場等も30分以内。
「夢洲まちづくり構想」によるIR(カジノを含む統合型リゾート)開業と夢洲会場跡地利用(エンタメ施設やスポーツ施設)及び夢洲駅タワービル開業に伴い、大阪市の中核拠点が既存の「キタ、ミナミ、アベノ」に加え西(ニシ)地区が誕生。そのため、新たなエンタメニーズに伴い訪日外国人の増加も期待できる。
(3)クルージングニーズ:大阪湾周辺での水上輸送構想(関空~神戸空港30分、関空~和歌山マリーナシティー65分、関空~夢洲20分)に伴い、神戸港から出発するショートクルーズ(四日市と韓国6日間)、世界一周クルーズ(103日間)等、主に若者や富裕層のクルージングニーズを喚起できる。
(4)医療ツーリズム:関西地区には、製薬会社やスポーツ用品メーカーが多く立地し、「運動や食事、医療・介護を含めたスマートシティーのモデルを万博会場夢洲に整備できれば、関西経済の起爆剤になる。」(2018年12月5日日経新聞朝刊)