
IMG_8501 / 憨憨懶貓~stupid & lazy cat

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◇ 米医療改革―対岸の火事ではない
朝日新聞
http://www.asahi.com/paper/editorial20121028.html
米国の大統領選で大きな争点になっているのが、オバマ氏の医療保険改革である。
日米で制度は大きく違うが、医療費の膨張にどう対応するかという課題は共通する。米国を「対岸の火事」とせず、日本でも議論を深めるべきだ。
米国の現役世代はふつう会社の負担で民間の保険に入り、診療や薬の価格などは各保険会社と医療機関が交渉する。
日本には国民全体をカバーする公的保険があり、政府が統一的に価格を決める。それに比べると、米国の保険会社の交渉力は弱い。診察や薬の値段がまちまちになるので、事務コストもかさむ。
その結果、米国民1人あたりの医療費は先進国平均の2.5倍に及ぶ。
保険料も上がり、負担に耐えかねて提供をやめる企業が増えている。個人で入る保険はもっと高く、中小企業の従業員や失業者は払えない人が多い。
国民の6人に1人、約5千万人が無保険になっているのはこのためだ。法外な医療費負担による家計破綻(はたん)も後を絶たない。その恐怖が、転職や独立・起業をためらわせる。
高齢者や低所得者向けの公的保険はあるが、日本を上回る規模の公費を投じても、国民の3割しかカバーしていない。
あまりに非効率だ。病気やケガで「アメリカン・ドリーム」が断たれるのもおかしい――。そんな思いから、オバマ大統領は、国の支援で低所得者も民間保険に加入させ、医療費の抑制に乗り出す法律を通した。
保険会社や医師会、製薬会社の強固な既得権がある分野に、政府が介入する覚悟だ。
これに、「小さな政府」を信奉する共和党のロムニー候補は激しく反発し、改革法を撤廃するという。米国の社会保障は重大な岐路に立っている。
日本の医療費も毎年1兆円以上、増えている。保険制度も米国ほどの大穴ではないが、ほころびが目立ち始めている。
職場で事業主に保険料を負担してもらえない非正社員や失業者は、市町村の国民健康保険に流れ込む。保険料が払えず、無保険状態になる人もいる。
幸い、診療報酬や薬価は政府が決められる。
その権限を、医療費の制御や医師不足の解消などに生かさなければ、宝の持ち腐れだ。制度のほころびを繕うには、税による負担増もいる。いずれも政治の覚悟が必要だ。
医療保険が米国並みの重症にならないよう、手を打たなければならない。