
National Diet Building / Dick Thomas Johnson

National Diet Building / Dick Thomas Johnson

National Diet Building / Dick Thomas Johnson
| ◆ 年金制度改革の争点 年金の仕組み 朝日新聞 http://www2.asahi.com/2004senkyo/localnews/TKY200406210239.html |
●不安・不信 誰が「我慢」
電気機械メーカーに勤める西京区の男性(39)は、5月の給与明細を見せてくれた。総支給額44万1318円のうち、年金保険料は2万7839円。所得税の1万1310円よりも多い。「保険料がいくらか知らなかった。給料から天引きされていて、払っている気がしない」と言う。 保険料率が13年後に18.3%(労使折半)に上がると、男性の場合、1万円ほど負担が増える計算だ。これからは8歳の息子と5歳の娘の教育費もかさむ。「老後のために貯金する余裕がない。新しい年金制度では、現役時代の50%をもらえる保証もない。不安がないと言えばうそになる」 ややこしい制度への不信も募る。厚生年金のサラリーマンは保険料をもれなく徴収されるのに、国民年金の自営業者らには払わずに済ませる人もいる。「不公平をなくすために、バラバラの制度を一元化してほしい」と男性は言う。
年金課長の山本清さんは、府内の02年度の未納率は38%だったと教えてくれた。特に京都市内で高いという。「社会保険事務所は職員が少なく、きめ細かい徴収ができない。すべての人にきちんと納めてもらうのは難しい」と明かした。 山本さんによると、お金があるのに払っていない人も多い。特に自営業者は所得をつかみにくく、「払えない」のか「払わない」のか分からない。「将来もらえないかも知れない、と支払いを断る人もいる。制度の信頼性を高めないといけない」と山本さんは言う。 未納による年金の空洞化や不公平をなくすために、税を財源にする方式に改めるべきだという意見も少なくない。
保険料をきちんと納めるアリさんと、納めないキリギリスさん。税方式に変わったら、2人の老後はどうなるの――。 こんな4コマ漫画が、「国民年金のこと 知ってますか?」と書かれたパンフレットに載っている。若い人たちに年金の仕組みを知ってもらおうと、同事務局が1月に作った。 結末はこうだ。アリもキリギリスも同額の月6万6000円をもらえることになり、いったんはキリギリスが喜ぶ。だが、数年後には国が勝手に月4万円に引き下げ、2人とも困ってしまう。「税方式では国の財政が悪化すると給付が減らされかねない。高齢者にも負担してもらうことになり、きちんと保険料を払ってきた人たちの『二重負担』の問題が生まれる」と山本さん。 少子高齢化社会に合った新しい年金制度は必要だ。でも、どこかにしわ寄せがくるのだろう。誰が「我慢」しなければならないのかは、有権者の判断にゆだねられる。
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