
奈良大池から望むスーパームーン / noriqnub

奈良大池から望むスーパームーン / noriqnub

奈良大池から望むスーパームーン / noriqnub
◆ 朝日新聞 週刊まちぶら 下御門商店街かいわい
朝日新聞
http://mytown.asahi.com/nara/news.php?k_id=30000131106280001
近鉄奈良駅から南に歩くこと数分。もちいどのセンター街の雑踏を抜けると、もうひとつのアーケード街・下御門(しもみかど)商店街にたどり着く。江戸時代から商業地として栄えてきた一角は、履物やもんぺ、タオルなど住民向けの品を扱う老舗のたたずまいと、雑貨屋や飲食店のにぎわいが調和して独特の空気を醸し出す。「古くて新しい街」の今を訪ねた。
◆伝統と個性宿る「居間」
下御門の地名は、かつて元興寺の門があったことに由来するとされる。奈良晒(ざらし)や刀などの店が集まって自然発生的な「市」が立ち、江戸の中頃には商いの地としてにぎわうようになった。近くで遊郭が栄えていたこともあり、戦前は市内でも屈指の繁華街だった。
「1955年には隣のもちいどから独立した商店街になったり、64年にはアーケード化したり。戦後もしばらくはにぎわいが続きました」
商店街の北の入り口にある「光学堂時計眼鏡院」の3代目店主で商店街協同組合理事長の臼井基雄さん(64)が、かつての街の様子を教えてくれた。
だが、69年に近鉄奈良駅が地下化されて駅周辺の開発が進んだり、77年に猿沢池の南にあった奈良市役所が移転したりして、人の流れが変化。大型店にも客を奪われ、90年代に入る頃にはシャッターを下ろす店も目立ち始めた。
その頃、老朽化したアーケードを建て替える話が持ち上がった。
新たな設備投資に慎重論を唱える人もいたが、臼井さんらが「今後も商店街が残っていくために必要」と説いて、98年に新しいアーケードが完成。天井に格子戸をイメージした装飾を施すなど「奈良町」らしさも意識し、新たな街のシンボルとして生まれ変わった。
「奈良町を訪れる人が商店街を通るようになり、人の流れが戻り始めた」と臼井さん。この10年ほどで、町家を改装したシックな雑貨店など新たなタイプの店も増えてきた。
さらに新しい動きも。閉店した店舗を、地元に住むオーナーの菊一好史さん(49)が町家風に改装。店内を10区画に分けた商業施設「町家空間」として今月、再オープンさせた。
月1万5千円からという格安の家賃が評判を呼び、アーティストが集うギャラリー兼バーやワッフル専門店、占いなど多彩な店が入居。菊一さんは「もうけは度外視。シャッターを下ろしたままにはしたくなかった。新たなにぎわいの核になれば」と話す。
一方、履物や和菓子、タオル、風呂敷など、日々の暮らしと伝統を支える店も元気だ。「地元の人が、郊外の店まで行かなくても買い物できる環境も守りたい」と臼井さん。
「駅周辺が奈良の表玄関なら、ここは住民も観光客もくつろげる居間のようなもの」。観光地にありつつも観光地とはひと味違う街の個性は健在だ。
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☆笑顔にこんにちは☆
●タオル、手頃・長持ち
タオル販売の「北浦商店」(0742・22・8563)は明治末から続く老舗。かつては花街向けに和装用品や小間物を商っていたが、戦後は生活に密着したタオル専門店に模様替えした。3代目の北浦利一さん(53)は「お客の多くは近隣の常連さん。手頃で長持ちする良い品をと心がけています」。
●ジャズあふれる店
レストラン&バー「GENTRY(ジェントリー)」(0742・26・2622)はイタリア料理と数千枚のジャズのアナログレコード、生演奏が楽しめる。チーフで料理担当の木村泰司さん(35)は父が始めた店で10年前から働くうちジャズのとりこに。「トランペットやベースを覚え、常連さんとバンドを組んでいます」
●風呂敷、楽しみ多彩
「趣味の裂地(きれじ)おしだ」(0742・22・2956)は綿風呂敷の店。築百数十年の町家を改装した店舗も道行く人を引きつける。主人の押田隆博さん(62)は呉服問屋に長年勤めた反物の目利き。「綿風呂敷は贈答品を包むのにいいし、若い人はテーブルクロスにしたりと、楽しみ方は多彩です」
●「アングラ拠点に」
「町家空間」にオープンした「呑(のみ)画廊喫茶 平成ナンカ」(090・5651・3941)。昼はカフェ、夜はバー。ギャラリーも備え、1960年代の音楽が流れる「アートな空間」だ。店主の津川真里奈さん(21)も絵画などのアーティスト。「奈良のアングラ文化、サブカルチャーの拠点にしたい」
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☆よりみち*わきみち*まわりみち☆
●うなぎ店、築140年商家
商店街の南端にあるうなぎ料理「江戸川ならまち店」(0742・20・4400)。店舗は呉服問屋として栄えた築約140年の商家の建物だ。繊維を取り扱う家に特有の採光しやすくした「糸屋格子」や、大正時代に増築された洋風の応接間など、建物の価値や美しさに満ちた空間も楽しめる。
●伝統工芸展示や教室
商店街を南に出て西に少し歩いた阿字万字(あぜまめ)町にある「なら工芸館」(0742・27・0033)。00年にオープンした市の施設で、一刀彫や赤膚焼など伝統工芸品の展示、工芸を学べる教室、ギャラリーなどを備える。
☆ 午前10時~午後6時(入館は午後5時半まで)で、入館無料。月曜と祝日の翌日、年末年始は休館。