主な出演者

龍村圭以 (入山法子) 龍村ファーム・オーナー

白い女  ( 〃 )  安原霧子

北川弓月 (姜暢雄)  怪我で挫折した元ダンサー → 龍村ファーム使用人

日浦晴香 (京野ことみ) 圭以の異父姉

荻野克次 (逢坂じゅん) 龍村ファームの使用人頭

荻野美知子 (広岡由里子) 克次の娘

龍村玄洋 (榎木孝明) 圭以の父の双子の兄


龍村(御田園)洋一 (戸次重幸) 若手企業家、圭以の婚約者

蓮見依子 (中田喜子) レストランオーナー、御田園を可愛がっている。

影山仁 (大沢樹生) 弁護士、依子の愛人


安原浅子 (岡まゆみ) 白い女・霧子の母親

木嶋誠吾 (鶴田忍) 龍村家の顧問弁護士

鹿野良夫 (本村健太郎) 運送店



第17話

結婚式から一夜明けて、

屋敷で朝食の準備をしている晴香たち。
そこへ、圭以から電話。

御田園が、龍村姓になることを了承したことを報告してくる。
新婚らしくじゃれあう圭以と洋一。

晴香独白

「その日の午後遅く、妹は龍村洋一の妻として、

 予定通り、新婚旅行先のアラブへと旅立った。

 そしてファームでは、いつもの暮らしがいつもと同じように始まり。。。。

 ただそこに、これまでいつも一緒だった、妹の姿だけが無かった。」

木嶋弁護士、玄洋に「覚書」の一件を報告している。

玄洋、

圭以と洋一の間に子供が出来ないまま、

圭以が死亡したときの、龍村家の財産の行方のことを気にする。

その場合は、四分の三を洋一、四分の一を晴香が相続。

しかし影山は、依然全てを洋一にと要求している。

怒る玄洋。「身の程知らずの種馬が!!」

木嶋に、決して言いなりにはならぬよう釘を刺す。

晴香、

木嶋から、玄洋は世俗の欲に強い執着を持っている。

ここから早く遠ざかるべきと忠告を受ける。

晴香独白

「木嶋弁護士の、不思議な忠告のせいだろうか?

 その夜、おかしな夢を見た。枕元に立った白い人影。

 あれはもしかして、あの白いドレスの女?」

しかし実際は、忍び寄る玄洋。

街中、

弓月、酒を食らっている。

踊っている若者に触発され、自らも踊ろうとするが、やはり踊れない。

気遣った若者を突き飛ばし、その仲間にボコボコにされる。

悪い夢にうなされた晴香。飛び起きる。

ファームは、その維持をするだけでも経費がかかる。

牧場、

帰ってきていた圭以。

圭「不思議ね。この丘に立った途端、なぜか涙が。」

晴「圭以。。。圭以!待ってたのよ、圭以。」

抱き合う晴香と圭以。

圭「会いたかった。姉さん。」

以下それぞれの独白。

晴「久しぶりに見る妹は、一段と大人びて。」

圭「久しぶりに会う姉は、いつもの優しいぬくもりで。」

晴「まるで、初めて会う人のような。」

圭「まるで、母に抱かれているような。」

晴「どこか遠い、異国の香りがした。」

圭「そこか懐かしい、緑の香りがした。」

洋一も帰ってきている。

しかし、仕事のためすぐに東京に戻らないといけない。

圭以もそれについていくことに。

玄洋に挨拶する二人。

玄洋、

結婚祝いとして置時計をわたした上で洋一を下がらせ、

圭以に二人きりでで話があるという。

「子は出来たか?」と問う。

自らは惨めである。若い晴香には同じような思いをさせぬようと言いながら、

玄「あの男(洋一)は他人だ。くれぐれも心を許さぬよう。

 おまえは龍村の血を引くただ一人の後継者。

 その誇りを忘れることなく、いざとなれば、あの男を切り捨てよ。」

強い言葉に驚く圭以。

晴香、母の形見の、ハープの形をしたブローチを渡す。

「竪琴の音は昔から、人も木も動物も、

 怪物までもが心地よくなってしまう力があると言われていけれど、

 それだけじゃない。悪霊を追い払う力もあるそうよ。

 どんなときも、きっとあなたを守ってくれる。きっと。

 私はもう、これまでのように、いつもあなたの傍にいることは出来ないわ。

 でも、決して一人だなんて思わないで。

 このブローチを、お母様や私だと思って。」

圭「ありがとう。お姉さん。私、必ず幸せになるわ。

 そのために御田園さんと結婚したんですもの。必ず幸せに。」

晴「圭以。。」

圭以独白

「必ず幸せになる。私は、姉を安心させようと、何度も繰り返した。

 でも本当は、私自身が不安だったのだ。

 結婚したばかりの夫に、心を許すなと言った伯父の一言が、

 小さな棘のように、私の胸に刺さっていた。」

横浜の新居、

影山が来ていた。

圭以、リビングに玄洋からの置時計を置く。

その中にはカメラとマイクが仕込まれていた。

パソコンを通じて、玄洋が盗み見ている。

仕事のため出ていく洋一。

残された圭以と影山。

圭以独白

「必ず幸せになる。私は、その言葉を何度も心につぶやいた。

 それが、この男に対抗できる唯一の呪文のように。」


玄洋は、

圭以にとっては敵なのか?
あるいは真の味方なのか?

ただ単に自分のことしか考えていないだけなのか?

いまだわからず。



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