主な出演者

龍村圭以 (入山法子) 龍村ファーム・オーナー

白い女  ( 〃 )  安原霧子

北川弓月 (姜暢雄)  怪我で挫折した元ダンサー → 龍村ファーム使用人

日浦晴香 (京野ことみ) 圭以の異父姉

荻野克次 (逢坂じゅん) 龍村ファームの使用人頭

荻野美知子 (広岡由里子) 克次の娘

龍村玄洋 (榎木孝明) 圭以の父の双子の兄


御田園洋一 (戸次重幸) 若手企業家、圭以の婚約者

蓮見依子 (中田喜子) レストランオーナー、御田園を可愛がっている。

影山仁 (大沢樹生) 弁護士、依子の愛人


安原浅子 (岡まゆみ) 白い女・霧子の母親

木嶋誠吾 (鶴田忍) 龍村家の顧問弁護士

鹿野良夫 (本村健太郎) 運送店



第15話

チーズへの異物混入事件をニュースで知った弓月がファームにやって来る。

マスコミにも手を打ったという御田園。

遅い時間jになったので、一泊することになった弓月。

夜食を持ってきてくれた晴香。

弓月、圭以に会わせてくれるよう頼む。

弓「お願いです!圭以さんに会わせてください!

 会ってどうしても話したいことがあるんです。

 こんなこと頼めるの、晴香さんしかいないんです。」

晴「でも。。」

弓「いつも言ってくれたじゃないですか!僕の力になるって。

 お願いします。この通りです!」

晴「何を話すつもりなの?それを聞かないうちは、会わせるなんてできないわ。」

弓「それは。。。」

晴「姉の私にも言えないようなこと?

 だとしたら、ますます会わせるわけには行かない。」

弓「謝りたいんです。僕は彼女を傷つけた。そのことを謝りたいんです。」

晴「傷つけたって、圭以を?」

弓「そうです。あの時僕は答えることが出来なかった。」

(白いマントを着、白い女のふりをした圭以との出来事)

→ 第10話 試された愛  

弓「答えたくても、自分の気持ちがわからなかった。

 でも今は違う。彼女が御田園さんと、僕の前から去っていくのを見たとき、

 はっきりわかった。僕は彼女に白い女の幻を見ていたわけじゃない。

 僕は圭以さんを、彼女自身を愛していたんだと。

 今なら心の底からそう言える。

 だからお願いです。もう一度圭以さんに会わせてください。お願いします。」

晴「待って、話がよくわからないわ。あなたと圭以の間に何があったの?

 白い女の幻ってどういうこと?

 それが圭以となんの関係があるの?もっとわかるように話して。」

弓「そうでしたね。。。こえは僕と圭以さんだけの秘密だったから。」

晴「秘密?」

弓「実は、そっくりなんです。

 僕が森でであった白いドレスの女・安原霧子と、

 あなたの妹の圭以さんは、まるで同じ人間かと思うくらいに似てる。」

晴「まさか。。」

弓「僕も最初はまさかと思った。

 でもこれは事実なんです。信じてください。晴香さん。」

晴香独白

「初めて聞く話だった。とてもすぐには信じられなかった。

 でもそれ以上に、彼がウソをつくような男だとは、どうしても信じたくなかった。」

応接室、

圭「どうしたの?こんな夜中に。お話って何?」

晴「あなた、弓月さんのこと、どう思っているの?」

圭「どうって?」

晴「あなたの気持ちが知りたいの。」

圭以も、弓月が異物混入の犯人だとは思っていないという。

晴「そんなことを聞いてるんじゃない。彼のことを愛してるんでしょ?」

圭「な、なんなの、いきなり?」

晴「このハープは、お母さんの形見よ。この前で、嘘はつかないで。」

圭「。。。(覚悟を決め)ええ。あの人に、強く心を惹かれていた。」

外で聞いている弓月

圭「御田園さんとの婚約を解消してほしいとお願いしたのも、本当はそのためよ。

 こんな気持ちのままでは御田園さんに失礼になる。そう思ったから。

 でも、今度のことでよくわかったの。

 御田園さんは、私にとってかけがえのない人だって。

 あの人は素晴らしい人。(中略)

 あの人。。御田園さんは、どんな不運にも負けない、

 生きる強さが溢れてる。私に必要なのはそういう人。」

風に揺れるカーテン。弓月がいることに気付いた様子の圭以。

圭「それに引き換え、人生の全てを不運な怪我のせいにして、

 いつまでも幻の女を追いかけているような。。。

 そんな弱い男には。。もうなんの魅力も感じない。」

晴「・・・・」 聞いているであろう弓月のことが気になる。

圭「それに、私解ってるの。いつか彼が、生きる強さを取り戻したとき、

 そのときにはもう、白い女のことも、そしてこの丘のことも、

 すっかり忘れてしまうに決まってる。全ては霧の中の。。。幻のように。。」

揺れるカーテン。

晴「・・・」

圭「これが私の今の正直な気持ち。

 お母様のハープに誓って、嘘はついていないわ。。。おやすみなさい。」

晴「おやすみなさい。」

晴香、窓の外を見るが、既に弓月は立ち去っている。

晴「弓月さん。。。」

廊下、

泣き出す圭以。

晴「行ってしまった。。。」

弓月が立ち去るところを見ていた玄洋。なぜか大いに不満な様子。

圭以と御田園の結婚が決まりそうだと、満足げな依子と影山。

チーズへ入っていた異物は外部から持ち込まれたことが明らかになるが、

注文のキャンセルが相次ぐ。

そんな状況の中、

チーズ工房に現れた依子、契約どおりに発注すると言う。

喜ぶ克次。

応接室、圭以と御田園。

圭「御田園さん。。この前言ってくださったこと。。。

 あの気持ちに、今も変わりはないでしょうか?

 私を妻にしたいと言ってくださったこと。」

御「えええ、もちろんです。」
圭「私は、ご覧のとおり世間知らずで、オーナーとは名ばかりの、

 頼りない人間です。支えてくれる人たちがいなければ、一人では何も出来ない。

 今度のことで、それがよくわかりました。

 でも、少しでも、あなたにふさわしい妻になれるよう努力します。

 こんな私でよければ、どうか結婚してください。」

御「それじゃ。。圭以さん僕と。。」
うなずく圭以。

抱きしめる御田園。

御「良かった。今日まで生きてきて。」
御田園から報告を受ける依子。

玄洋、御田園の名前が書かれたお札を燃やす。

晴香の名前が書かれたお札は千切って飲み干す。

晴香独白

「妹が、御田園さんのプロポーズを受けたとき、

 なぜか私の心には、喜びとは違う別の感情が沸き起こっていた。

 それは、寂しさとも違う、本当にこれで良かったのだろうか?という不安と怖れ。

 妹の幸せのために、私は自分にできることは全てやったと、

 なんの後ろめたさもなく言えるだろうか?今は亡き両親に誓って。」

御田園、影山に、圭以の父と交わしていた結婚に関する覚書を見せる。

ウェディングドレスを試着する圭以。

晴香独白

「まるで、白い花が咲いたような妹の姿に、ふと白いドレスの女を思った。

 妹によく似ているという安原霧子。彼女の手紙にあった、

 人の姿をした悪魔に用心するようにというあの言葉が、

 今再び、不吉な影となって、私の心を捉え始めていた。」



あっさりと結婚することを決めてしまった圭以。

弓月の存在と行動が、むしろ後押ししてしまっている。

来週は本当に結婚してしまう様子。

数多くの敵が登場してくる中、そしてその術中にはまりつつある中、

圭以たちはどうなってしまうのか?

ますます目が離せません。



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