電車の思い出 ② | 空と海・・・ときどき山のブログ

 いつの頃だったか、十年以上前の話です。


 学生の頃は電車通学していました。


 最寄りの駅から終点まで20分位です。


 朝の8時半くらいだったと思う。


 相変わらず満員電車である。


 今思えば満員電車というのも考えようによっては

一つの修行みたいなものだなと思う。


 地元に戻ってからは、かれこれ4年くらい乗っていない。


 その日はドアの近くに立ち尽くしていた。


 ぎゅうぎゅう詰めだが目の前が若い女性だった。

 顔は見えない。


 黒髪のロングヘアがこちらに向いている。


 私は眠いのでぼーっとしていた。

 たまに立ったまま寝てしまい、ひざがガクッとなる。


 程なく途中の駅に着いてドアが開く。

 終点ではない。


 若い黒髪はドアから降車する。


 女性は降車の際にチラッとこちらに流し目を送った。


 不思議に思っていると、不意に異臭がした。


 ・・・ ・・・?

 

 ・・・ ・・・!


 そうか・・・あの女性(ひと)、(おならが)もれたのか


 

 それならそれでやり逃げならぬ、こき逃げで一切振り向かず

まっすぐ猪突猛進のごとくその場から立ち去ればバレないのに・・・


 

 まるで見返り美人みたいだった。


 

 しかし、人間のおならというものはなぜ、空気より軽いのだろうか。


 大気中の空気より重ければ、わざわざ臭うこともあるまい。


 「これを食べればおならが浮上してきません」

というようなグミかキャンディーが開発されないのだろうか。


 そうすれば車内か室内の床を流れるように、すかしっぺが

どこかへ消えると思うのだが。