実録 ヤング島耕作 -4ページ目
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失礼なこと。

子曰く、礼と云い礼と云う。玉帛(ぎょくはく)を云わんや。lyric by孔子




○解説

礼と言うものは玉帛(宝物や絹織物)を送ると言う形式なことではなく、心を込めるという精神的なことが大切である。




「島君、それ失礼だぞ!!」


入社後、度々言われてきたこと。


さて、何に対して失礼なのであろうか??


場面①


俺「すんません、お茶取って貰えます??」


昼飯時に隣に座る先輩にその隣に置いてあるお茶のポットを取って貰った。


A「島君、それ失礼だぞ!!」


俺「へっっ!?」


A「自分で取りに行けよ!! 先輩に対して失礼だぞ!!」


そう、『立ってる者は親でも使え』では無く『一番立場の低い者は人を使うな』である。


その事があってから、宴会ですごく困ることになった。

末席に座る俺は、人に何も頼むことも出来ない。

離れた場所にある料理に手が付けられないし、刺身が目の前にあっても醤油が取れないと言うことである。

食べられるのは目の前にあるもののみ。唐揚げばかり、ホッケばかり、海鮮サラダばかり。

だから、料理が来ればバレないようにしこたま小皿に乗せ、空腹をしのぐ。


ある種の拷問である。

もちろん、目下の人間に対して料理を取ってくれる人などいない。


場面①-2


K課長「島君、ちょっと電気を付けてくれ。」

俺「へっっ!?」


いやっっ、スイッチは課長のそばにありますよ。

部長と話をしているからって、スイッチを付けることは出来るでしょ。

それをわざわざ、離れている席に座っている俺にそれを頼むなんて明らかに失礼でしょうが!!


そう、『立ってる者は親でも使え』では無く『自分の部下は使用人の如く使え』である。


場面②

軽~くCさんに対して冗談を言ってみた。


A「島君、それ失礼だぞ!!」


俺「へっっ!?」


A「先輩に対して失礼だぞ!!」


Cさんはイジラレキャラなんで、よっぽどのことが無い限りは許してもらえる。

発言に関しては、確かに失礼と取られても仕方が無いであろう。

しかし、失礼かどうかは第三者が決めることでは無く、本人が決めることだと思う。


Aさんの基準は1日でも先輩、役職が上。

と言う、とっても分かり易いもの。


場面③


宴会でのこと・・・


酒の肴は決まって人の悪口。

酔いが回って饒舌になっているせいであろうか、Aさんは全開になっている。

ターゲットは決まって『K課長、Cさん』である。

バカだの、仕事が出来ないだの、ここぞとばかりに罵っております。

むしろ、侮蔑した発言を繰り返します。


あのぉ、Aさん。

K課長はあなたの上司ですし、Cさんはあなたの先輩ですよ。

よくもまぁ、俺に対して偉そうなことを言ってましたが、

貴方の方が明らかに失礼じゃ無いでしょうか!?

いじめ、かっこ悪い

家庭内暴力をするものの多くは家庭内暴力をされたものであると言う。

つまり、暴力が伝染しているのである。


我が社において、暴力が伝染している。


『言葉の暴力』である。


○言葉の暴力が振るわれる場所

・ミーティング時

・宴会時


○概要

・暴力を振るう人間は毎回同じ。

・攻撃相手も毎回同じ(多分、俺も含まれている)。

・その場にいない人間に対して攻撃する。

・馬鹿にすると言うより、侮蔑する発言をする。

・発言内容は毎回ほとんど同じ。



K課長はバカと言うのは、幾度と無く記載してきた。

同じように社内でもバカだと言うことが浸透している。


それなら、そうと誰かが注意してやらないのか??

誤った考えを持っているのが明確なのに、誰も反論しないのか??


『タテマエ社会』の弊害である。


上からモノを言われたら、「ハイ、分かりました。」と答える。

それが間違っていたり、オカシイ事だと分かっていてもだ。


本音ではオカシイと感じていても、タテマエ上「yes。」と答える。

そして、その事を第三者に対して陰で「あれはオカシイ。」とボヤく。

それならそうと、その場で言えばよいのに。


その陰でのボヤきがエスカレートして行き、言葉の暴力に発展して行く。

そして、ミーティング時や宴会の席でそれを発表することにより、発散しているようだ。

何ともオハズカシイ。


まぁ、言うのは良しとしよう。溜まった鬱憤はどこかで発散するのは仕方が無い。

問題なのはそのことに同調し、「あの時はどうだった。この時はああだった。誰それはこうだ。」等、第三者に対しての悪口の品評会に発展することだ。


最終的にはいつもの同じ内容が繰り返され、盛り上がり楽しんでいる。

人を蔑んで嘲笑して何が面白いのでしょうか??

俺には聞くに堪えないその笑いのセンスが全く理解出来ない。


結局、人を見下すことによって自分が上だと言いたいのでしょう。

それなら、面と向かって正論を言うべきだ。



入社間もない頃、強烈な『言葉の暴力』を食らった経験がある。


宴会終了後、普通に清算が終了し、お釣りを貰った。

そこで、Y課長が俺に言った。


「お前、お釣りをちょろまかしただろう!!」

へっ!?

何のことでしょうか??


「お前は何てセコイヤツだ。お前はそう言うヤツだ。」等、身に覚えが無いことを言われ、人間性まで否定され、さんざん罵倒されること1分間以上続いた。


もともと、Y課長には入社後すぐにお世話をしてもらい、こちらもある程度、心を開いて話をしていた。

なんで、俺が真面目では無い事はばれている。

でも、人間性まで否定されるようなことは無い。


Y課長とは仲良くしていたつもりだが結局、俺のことをダメな人間だと考えていたのかと思い、席を立った。

悔しくてトイレで涙を流した。


後日、その宴会に同席した人にその話をした。


なんと、Y課長の冗談であると言う。

人をさんざん否定し、罵って自分だけが喜び、人を傷つける。

これが当社のスタンダードである。


こうして、『言葉の暴力』を受けた人が、さらに『言葉の暴力』を振るう。

この連鎖は今後、止まることが無いであろう。


そして、俺もその悪しき習慣に馴染んでしまいそうで怖い。

気を付けても、何気なく出そうでイヤだ。

文化とは恐ろしい。



ところで、K課長は一切、人の悪口を言ったことが無い。

何故なら、本音をまったく言わないから。


K課長こそが究極のタテマエ人間である。


彼の中には強烈な弁が作用している。

上からの意見はすぐ下に通すが、下からの意見はそのまま下に返ってくる。

つまり、一方通行なのである。

街で上司に会う!!

夏はさっぱりとした髪型をしており、坊主とまではいかないものの、かなり短くしている。
それに併せて、髪の毛が地肌に対して直角に生えており髪の毛が自然とツンツンになっている。


それが気になる人達がたくさんいることに驚いた。



今の部署に配属されたのが8月中旬である。
配属されたばかりなので、お約束の歓迎会を実施して頂く。


俺の歓迎会と言うのにご丁寧に、他の部署まで声を掛けて頂き結構な人数となった。
余計なことを・・・


近くの居酒屋の座敷部屋に集まる約30名の先輩方の前でまずは自己紹介。
ダラダラと話すのが面倒臭くて嫌いなので、ごく簡単に前歴の紹介を説明し、頑張りますと言って締めくくる。
時間にして、1分弱。


時間が短いのが気に食わないのか分からないが、「じゃぁ、質疑応答しよう。」と誰かが提案。
まったく余計なことを・・・


「出身大学はどこですか??」
「彼女はいますか??」
・・・etc


そんなもん、周りの人間に聞いてくれ。
誰かが変わりに答えてくれる。


そして、そこで更なる質問。
「その髪型は立たせているのですか??」
俺「いえ、違います。立たせているのでは無く、自然と立っているのです。」


そんなん聞いてどうするの??
そういう貴方は何故、七三に分けているの??


結局くだらない質問しか出なかった。
質疑応答などしない方がマシだという事に何人が気がついたのか??



意外にも俺の髪型が気になる人が結構いる。
K課長もその中の一人だ。


質疑応答で散々説明したのにもかかわらず、そのすぐ後に言われる。

K課長「島君の髪型は立たせてるの?? 爽やかじゃ無いなぁ。」

俺「立たせてるのでは無く、自然と立っているのです。」


さっきの話を聞いてないのか!?
酔いが回ってきたのか??
まぁ、許してやろう。


俺「では、自然と立っているのが分かるように、明日は整髪料を付けずに会社に行きます。」


いい加減にしつこいので、証拠を突きつければ納得してもらえるだろう。
こう提案した。



・・・そして次の日。
質問を下さった人達に納得してもらう為に、整髪料を付けずに会社に行き、一人一人に説明した。

俺「立たせているのでは無く、自然と立っているのです。これが寝起きの髪型ですから。」


我ながら馬鹿らしい行動だとは思いながらも、仕方なく説明する。

当然ながら、K課長にも同じく説明を施す。


K課長「・・・」


あまり興味が無いようだ。
まぁ、良い。
二度とこの質問をしないと言うことだけでも収穫だ。


そして、トイレで整髪料を付け、ツンツンとなった髪形で席に戻る。
ふとK課長と目が合ったので、念を押すように言った。


俺「これで理解して頂いたでしょうか??」


それが気に食わなかったかも知れない。


K課長「ベタベタした髪型は不潔なんだよな~。」


はぁ!?
お前、話が変わっているじゃないか!!
貴方が言う俺のベタベタした髪型はいつも見てたのでは無いの??
しかも、もっとポマードでベタベタしたオッサンは他にたくさんいるでしょう!?


まったく意味が分からない。
しかも、俺の髪型はキチンとした美容院で切ってもらっている。


そういう、K課長はどこで切っていらっしゃるの?? ねぇ!?



とある先日、友達の家に遊びに行った。
降りる駅がK課長の家と同じであることを知っていた。
休日まで会社の人間に会うのはイヤでしかもk課長に会えば何を話せば良いかも分からん。


と思っていたのにもかかわらず、K課長を発見してしまった。

K課長はお店の前で順番待ちをしており、路上でぼんやりしておられた。


もちろん、声を掛けることも無くばれない様に逃げる。


で、何に順番待ちをしているのか、気になる。


な、何とそこの看板には!!


『カット 10分 1000円』


人の髪形について散々文句を言っておいて自分は通販でやっている掃除機で散髪かよ!!
貴方の年収でそれっぽっちの身だしなみしか出来ないの??
K課長の言う爽やかな髪形は掃除機で作られているとは思わなかった。

お礼を言おう!! Vol.2

「おはようございまーす。」



いつもの如く、席に着く。


K課長「島君ちょっと。」

俺「はい!?」

K課長「パソコンが新しくなったぞ。こういう時はありがとうございましたって言うんだぞ。」

俺「はあっ!?」


思わず声を出してしまった。
しかし、そう言われてしまっては仕方が無い。取敢えずは、言っておくか。


俺「はい。ありがとうございます。」


会社のPCはリースである。
ちょうど、リースの期限切れで更新しなければいけない。


確かにPCが新しくなった。


PCを変更する際に、どの機種にするかは自分で選んだ。
そして、自分でお願いした。


PCを変更する際に、データの移動はアシスタントのN女史にお願いした。
実作業はシステムの人間がした。


ところでK課長、あなたは本件で何かしてくれたのですか??
何もしていないのに、あたかも自分がしたようにしてお礼を言わせたいのですか??

「N女史にお礼を言っとけよ。」
は分かる。
「パソコンが新しくなったぞ。頑張れよ。」
は分かる。
「パソコンが新しくなったぞ。こういう時はありがとうございましたって言うんだぞ。」
と言われるから、思わず
「はあっ!?」
と言ってしまう。



人に頭を下げさせて、俺を含め周りに自分が上の立場と言うことをアピールしたいのか??
クダラナイ奴め!!

お礼を言おう!!

「おはようございまーす。」



いつもの如く、席に着く。


K課長「島君ちょっと。」

俺「はい!?」

K課長「朝一番で昨日はお疲れ様です。ありがとうございましたって言うんだぞ。」

俺「あっ、すみません。昨日はありがとうございました。」


しまった。
昨日はK課長と晩飯を食いに行ったのであった。


今までの会社では次の日にお礼を言ったりしなかったんで、特に気にしてなかった。
食事をご馳走になったら、お礼を言わなければいけなかった。


しかし、1万円のお会計に対してK課長に払って貰ったのは7千円。
俺は3千円払ってる。出して貰ったのは2千円。

そんな、ケチ臭いオッサンに何でお礼を言わなければいけない!?
出すのだったら、全部出せ!!
2千円ごときでお礼を言わせるな!!


まぁ、2千円でも奢って頂いた。次からお礼を言うことにしよう。
と、自分に納得させると同時に、奇妙な光景を目にする。


「おはようございます。昨日はお疲れ様です。」

「おはようございます。昨日はお疲れ様です。」

「おはようございます。昨日はお疲れ様です。」

「おはようございます。昨日はお疲れ様です。」

「おはようございます。昨日はお疲れ様です。」


各々が各々に挨拶している。

そう、皆さん前日の食事に対して労っているのであった。

そんなことをしてまで、飲みに行って楽しいの??

挨拶は基本。

「おはようございま~す。」



いつものごとく会社に入る。


K課長「島君。ちょっと。」

俺「はい。」

K課長「爽やかでは無いぞ。」

俺「えっ? 何がですか?」

K課長「もっと、こう。おはようございますっっ。って言えないかな~!?」

俺「はい。以後、気をつけます。」


朝からウットウしい注意を受け、気分が悪い。
入社後、1ヶ月の出来事である。

んなもん、最初に気づくだろ。そん時に注意しろよ。思いつきで注意すんの止めてくれ。


そう、K課長は周りの目が大好き。
人を注意することにより、自分が上の立場であることを証明しているようだ。


本当にそう思うなら、自分が率先してそうするべきだ。
そんなK課長は ・朝に来た時 ・出かける時 ・戻ってきた時 ・帰る時
以外は自分から挨拶はしない。


こっちが「おはようございます。」等、挨拶しても


K課長「・・・」


無視である。



そんなK課長にも例外がある。


K課長「おはようございますっっ。」


やけに爽やかな挨拶。
し、しかも立ちだして深々と頭を下げる。


で、出た~~~~~。

事業部長の登場である。



○教訓
・目上の人にのみ爽やかに挨拶をする。
・役職によっては『会釈、敬礼、最敬礼』を使い分ける。
・もちろん、目下の人は無視。


はじめまして。

30歳にして大手企業に転職しました。

古い体質、古い習慣、年功序列、くだらない人間関係等。
典型的な日本企業であり、『島耕作』の世界です。

とんでもなく頭の悪く、口だけ達者な人たち。
荒波にもまれた事なの無いであろうバブル入社の人たち。
上には逆らわずに下には横柄な態度を取る人たち。
福利厚生が充実していることもあり、辞める人もほとんど無く会社にぶら下がる人たち。
もはや創始者の思想とはかけ離れております。

固定観念で縛られた生え抜きの人には分からないと思いますが、転職したからこそ客観的に見ております。
そんな漫画には描かれない部分を赤裸々に書きたいと思います。

コーノスケが天国で泣いているぞ!!
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